講義内容詳細:アートマネジメント論

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年度/Academic Year 2021
授業科目名/Course Title (Japanese) アートマネジメント論
英文科目名/Course Title (English) Arts Management
学期/Semester 前期 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 岩渕 潤子
英文氏名/Instructor (English) IWABUCHI Junko

講義概要/Course description
*この講座の初回は「オンデマンド形式」で行ないます。コースパワーにリンクを掲示しますので、注意して視聴して下さい。第2回めからはオンライン(授業設定曜日、時間でのリアルタイム型/Zoom)で行なう予定なのでZoomの利用に抵抗がないように慣れておいて下さい。皆さんの興味にできる限り対応してゆきたいと思いますので、どしどしご要望をお寄せ下さい。毎回Course Powerから発信するメッセージに注意して下さい。

アートマネジメントには、公共性の高い美術館・博物館、劇場やホールなど文化施設の運営と、オーケストラ、オペラ、バレエ団など、組織の運営に関するものがあります。また、一方で映画やミュージカルの制作など、営利目的の事業における資金調達、俳優や脚本家、監督のマネジメントという側面もある。この講座では、アートマネジメントの種類とそれぞれの社会との関係性、具体的にどのような仕事があるのか、事例を紹介しながら、検証してゆきます。クリエイティブな仕事には様々な国籍、年齢、指向、障害を持つ人も少なくないため、社会的にマイノリティとされる人たちと共に仕事をするにはどうすべきか…について、マイノリティ・スタディの視点も授業の中で取り入れてゆきます。

達成目標/Course objectives
オンライン授業であっても、ディスカッションには積極的に参加して欲しい。簡単な課題を毎回出しますので、独自の視点に立って、きちんと準備した、根拠のある言説でレポートの対応をして下さい。
履修条件(事前に履修しておくことが望ましい科目など)/Prerequisite
英語のウェブ・リソースをリファレンスに沢山使うので、英語に接することに抵抗が無いようにして頂きたい。
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class オリエンテーション:まずは自己紹介。岩渕潤子の今までの仕事について話をして、アートマネージメントを学ぶ上で役に立つオンライン・リソースの共有をします。皆さんにも、一人ずつ今までどういうことをやってきて、アートマネージメントを将来どういうことで役立てたいか、簡単なレポートで提出して下さい。
事前学習/Preparation 「アートマネージメント」という言葉をインターネット上で検索すると、どんなサイトが出てくるでしょう?
事後学習/Reviewing urlを紹介したオンライン・リソースを、時間のある時、じっくり見ておきましょう。
2
授業計画/Class 非営利のアートマネジメント事例:美術館に関するオンラインのリソースをいくつか取り上げて説明をします。各自、それらのウェブサイトを検証して、どんなところに気づいたか、どんな工夫があるかについてレポートして下さい。
事前学習/Preparation MLで事前のリーディング・リスト等資料を置くので、必ず目を通しておくこと。
事後学習/Reviewing urlを紹介したオンライン・リソースを、時間のある時、じっくり見ておきましょう。
3
授業計画/Class 非営利のアートマネジメント事例:世界中の博物館、特にアメリカのスミソニアン傘下の博物館を個別に紹介。子どもたちから大学生まで、オンラインの授業に役立つプログラムが沢山あるので、それらを検証して、何が一番興味を惹いたかについてレポートして下さい。
事前学習/Preparation MLで事前のリーディング・リスト等資料を置くので、必ず目を通しておくこと。
事後学習/Reviewing urlを紹介したオンライン・リソースを、時間のある時、じっくり見ておきましょう。
4
授業計画/Class 非営利のアートマネジメント事例:劇場とホール運営。世界の劇場はオンラインの授業に役立つプログラムが沢山あります。また、今は無観客で劇場からのストリーミング配信も行なわれているので、それらを視聴して、興味を惹かれたことについてレポートして下さい。
事前学習/Preparation MLで事前のリーディング・リスト等資料を置くので、必ず目を通しておくこと。
事後学習/Reviewing urlを紹介したオンライン・リソースを、時間のある時、じっくり見ておきましょう。
5
授業計画/Class 非営利のアートマネジメント事例:組織としてのオーケストラ、オペラ、バレエ。欧米の著名なオケ、オペラ、バレエのストリーミング配信の中から興味のあるものを選び、その演目のあらすじをまとめ、出演者、演出家、指揮者について調べ、印象に残ったことをまとめてレポートして下さい。
事前学習/Preparation MLで事前のリーディング・リスト等資料を置くので、必ず目を通しておくこと。
事後学習/Reviewing urlを紹介したオンライン・リソースを、時間のある時、じっくり見ておきましょう。
6
授業計画/Class 営利のアートマネジメント事例:産業としての映画。「投資先」としての映画コンテンツとそのプロモーションについて。世界の映画祭やファン向けのコンベンション・ビジネスについてウェブサイトを紹介し、例年どのようなイベントが行なわれているかについて紹介します。
事前学習/Preparation MLで事前のリーディング・リスト等資料を置くので、必ず目を通しておくこと。
事後学習/Reviewing urlを紹介したオンライン・リソースを、時間のある時、じっくり見ておきましょう。
7
授業計画/Class 営利のアートマネジメント事例:産業としてのミュージカル。ロンドンのウェスト・エンド、NYのブロードウェイのプロダクションはどのように機能しているのか。ウェブ上のリソースを駆使してその実態を探ります。
事前学習/Preparation MLで事前のリーディング・リスト等資料を置くので、必ず目を通しておくこと。
事後学習/Reviewing urlを紹介したオンライン・リソースを、時間のある時、じっくり見ておきましょう。
8
授業計画/Class 営利のアートマネジメント事例:産業としてのサブカルチャー、コンベンション・ビジネス。日本でも毎年コスプレの祭典、同人誌を売ったりするコンベンションが多くの人を集めています。日本のこうしたイベントとアメリカで行なわれる『スタートレック』のファン・イベントやTV・映画のプロモーションと連携して行なわれるコミック・コンなどとの違いはどこにあるのかを考えます。コンベンション・ビジネスの影響力がよくわかる映画『宇宙人ポール』を可能な人は(アマゾン・プライムなどで)見て下さい。
事前学習/Preparation MLで事前のリーディング・リスト等資料を置くので、必ず目を通しておくこと。
事後学習/Reviewing urlを紹介したオンライン・リソースを、時間のある時、じっくり見ておきましょう。
9
授業計画/Class アメリカの文化機関に見るミッションとビジネス・モデルの整合性。アメリカの美術館、博物館、図書館のウェブサイトに見る「ミッション・ステートメント」を検証します。
事前学習/Preparation MLで事前のリーディング・リスト等資料を置くので、必ず目を通しておくこと。
事後学習/Reviewing urlを紹介したオンライン・リソースを、時間のある時、じっくり見ておきましょう。
10
授業計画/Class EU圏の文化機関が共同して推進する政策プロジェクトと国別イニシアティヴ。イギリスはEUを離脱しますが、UK、フランス、ドイツなどの主立った文化機関、ビエンナーレ、トリエンナーレなどのミッション・ステートメントを読解することで各国のポリシー、イニシアティブについて検証します。
事前学習/Preparation MLで事前のリーディング・リスト等資料を置くので、必ず目を通しておくこと。
事後学習/Reviewing urlを紹介したオンライン・リソースを、時間のある時、じっくり見ておきましょう。
11
授業計画/Class アートマネジメントに必要な、文化機関の教育プログラムが持つ意味と使命。アウトリーチとインフォメーション・テクノロジーの導入について。欧米の美術館が取り組むウェブ上のアウトリーチ・プログラムとMuseums and the Webといった美術館の情報担当者が参加する大規模コンベンションで議論されていることについて紹介します。
事前学習/Preparation MLで事前のリーディング・リスト等資料を置くので、必ず目を通しておくこと。
事後学習/Reviewing urlを紹介したオンライン・リソースを、時間のある時、じっくり見ておきましょう。
12
授業計画/Class 日本におけるアートマネジメント環境の特殊性とその課題。日本の美術館、博物館、劇場、そこで働く人たちはどのような問題に直面しているのか? 文化庁のポータル・サイトを通じて検証します。
事前学習/Preparation MLで事前のリーディング・リスト等資料を置くので、必ず目を通しておくこと。
事後学習/Reviewing urlを紹介したオンライン・リソースを、時間のある時、じっくり見ておきましょう。
13
授業計画/Class 文化機関におけるマーケティング、マーチャンダイジング、広報の役割。世界の美術館、博物館や劇場のプレス・リリース事例の検証、近年重視されるようになったSNSの活用などについて検証します。
事前学習/Preparation MLで事前のリーディング・リスト等資料を置くので、必ず目を通しておくこと。
事後学習/Reviewing urlを紹介したオンライン・リソースを、時間のある時、じっくり見ておきましょう。
14
授業計画/Class アートマネジメントにおけるキャリア・ディヴェロップメント。アートマネージメントにかかわる仕事にはどんなものがあるのか? 仕事の内容について紹介しつつ、どうやって自分で新しい仕事を生み出すのかを検証します。
事前学習/Preparation MLで事前のリーディング・リスト等資料を置くので、必ず目を通しておくこと。
事後学習/Reviewing urlを紹介したオンライン・リソースを、時間のある時、じっくり見ておきましょう。
15
授業計画/Class 学生主体のプレゼンテーション&ディスカッション―日本の現状分析と提案。1学期を通じた経験に基づいて、コロナウィルスで世界の文化機関やアーティストが多大な影響を受けたことを受け止め、これからの文化機関で働く人たちはどのように世界と対峙していったら良いかについて議論し、最終レポートを出して頂きます。
事前学習/Preparation MLで事前のリーディング・リスト等資料を置くので、必ず目を通しておくこと。
事後学習/Reviewing urlを紹介したオンライン・リソースを、時間のある時、じっくり見ておきましょう。
授業方法/Method of instruction
レクチャーとディスカッション。問題提起となる素材や事例を見せ、それに基づく議論を行うので、学生は積極的に発言することが求められる。文化施設の事例(美術館での展覧会など)を実際に訪問し、その体験に基づくディスカッションも行う予定。Covid19の収束が見えない中、今年度のこの授業はオンラインで行います。Zoomなどの使い方には慣れておいて下さい。
成績評価方法/Evaluation
1 平常点 In-class Points 100% 講義開始後、早めに課題を出すので、その課題に基づいてレポートを提出して頂きます。評価はテーマの選び方、着眼点、リサーチにどれぐらい時間をかけたか、言葉の使い方、プレゼンテーション・スキルなどを総合的に判断します。
参考書/Reference books
 著者名
Author
タイトル
Title
出版社
Publisher
出版年
Published year
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1 岩渕潤子著 『美術館の誕生』 中公新書
2 岩渕潤子著 『美術館で愛を語る』 PHP新書
3 岩渕潤子著 『ヴァティカンの正体―究極のグローバル・メディア』 筑摩書房/ちくま新書
4 岩渕潤子 NY午前0時 美術館は眠らない/キンドル版 朝日新聞社 2020年 NYの美術館ではどのように寄付集めが行なわれているのか? キュレーターになるための条件、資質とはどんなものなのか?
5 *以上の4点はいずれもAmazonより電子版(キンドル)で入手可能。『アグロスパシア』 http://agrospacia.com/ *この他、授業の都度、必要に応じてウェブ・サイトのurlなどをお知らせします。毎回のテーマに関連したDVD、ヴィデオなどもお見せします。
メッセージ/Message
金融、経済、国際関係など、時事問題との関係の中でアートを論じてゆくので、アートだけではなく、広く社会一般に関心のある学生さんの参加を求めます。