講義内容詳細:経済発展論

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年度/Academic Year 2021
授業科目名/Course Title (Japanese) 経済発展論
英文科目名/Course Title (English) Economic Development
学期/Semester 後期 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 林 拓也
英文氏名/Instructor (English) HAYASHI Takuya

講義概要/Course description
 私たちが生きる日本は、戦後の1950年代において欧米諸国に対し「追いつけ・追い越せ」をスローガンに、60年代以降高度経済成長を達成させました。その後70年代に2度のオイルショックを乗り越えた後、日本型経済システムの優位性が世界的に注目されましたが、80年代末のバブル崩壊とその後長期に渡る経済不況の中で、今度は日本型経済システムの機能不全が注目される様になりました。しかし同じ様な現象は、日本よりも時期的に遅れて発展を開始したが97年中頃に通貨・経済危機をむかえたアジア諸国においても同様に当てはまります。日本やアジア諸国に共通な経済発展のプロセスは、「キャッチアップ型工業化」と言えるでしょう。後発国とは工業化を開始した「時期」が先進国(先発工業国)と比べ遅れているために名付けられたものですが、後発国の経済発展は既述した「キャッチアップ型工業化」が地域ごとの程度の差はあれ、どの国でも観察できるものなのです。
 本講義では、「キャッチアップ型工業化」の諸特徴や問題点について、今後アジア地域でますます重要な位置を占めるであろうタイ王国を主な検討対象として、解説していきます。また講義の内容は、経済全般の話のみならず、教育・学歴の問題、家族の問題にまで多岐に渡るものとなります。
 また、本講義は経済学系の科目ではありますが、総合文化政策学部の学生を対象としているため、難しい数学的モデルは一切使わず、同学部の特色に合わせた内容へアレンジして実施します。

 なお本講義はオンライン(オンデマンド型)とのハイブリッドで行います。
オンデマンドの回では、それまでの講義内容で語りきれなかった部分及び学びのポイント等についての動画を公開し、視聴してもらうことで理解を深めてもらいます。

 評価については、新型コロナ収束の見通しについて不確実性が高いため(2021年1月8日現在)、従来の定期試験は実施せず、計2回のレポートで行います。
達成目標/Course objectives
1.「キャッチアップ型工業化」論について理解できる。2.「キャッチアップ型工業化」論を通じて、いま先進国となった日本に住む私たちはどの様な方向へ進むべきなのかという問題について考える力を身につける。
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class イントロダクション オンライン授業(オンデマンド型)
事前学習/Preparation あらかじめレジュメを読んでおく。
事後学習/Reviewing 復習をする。
2
授業計画/Class キャッチアップ型工業化論① NICs、アジアNIESをめぐる議論 アジア経済論の変遷

事前学習/Preparation あらかじめレジュメを読んでおく。
事後学習/Reviewing 復習をする。
3
授業計画/Class キャッチアップ型工業化論② キャッチアップ型工業化論へ至る変遷及び概念図
事前学習/Preparation あらかじめレジュメを読んでおく。
事後学習/Reviewing 復習をする。
4
授業計画/Class オンライン オンデマンド(前2回の要点確認)
事前学習/Preparation 動画を視聴する。
事後学習/Reviewing 復習をする。
5
授業計画/Class キャッチアップ型工業化論③ 工業化の社会的能力と革新的結合
事前学習/Preparation あらかじめレジュメを読んでおく。
事後学習/Reviewing 復習をする。
6
授業計画/Class キャッチアップ型工業化論④ 「キャッチアップ型工業化」を支えてきたイデオロギーと政治体制
事前学習/Preparation あらかじめレジュメを読んでおく。
事後学習/Reviewing 復習をする。
7
授業計画/Class オンライン オンデマンド(前2回の要点確認)
事前学習/Preparation 動画を視聴する。
事後学習/Reviewing 復習をする。
8
授業計画/Class キャッチアップ型工業化論⑤ 後発国に見られる企業の所有形態及びアジア諸国の工業化を支える3つの脚
事前学習/Preparation あらかじめレジュメを読んでおく。
事後学習/Reviewing 復習をする。
9
授業計画/Class キャッチアップ型工業化論⑥ 多国籍企業の経済的支配及びその制約要因
事前学習/Preparation あらかじめレジュメを読んでおく。
事後学習/Reviewing 復習をする。
10
授業計画/Class オンライン オンデマンド(前2回の要点確認)及び中間レポート
事前学習/Preparation 動画を視聴する。
コースパワー上に掲示された課題について、中間レポートを作成し提出する。
事後学習/Reviewing 復習をする。
11
授業計画/Class キャッチアップ型工業化論⑦ 技術移転と技術形成の能力
事前学習/Preparation あらかじめレジュメを読んでおく。
事後学習/Reviewing 復習をする。
12
授業計画/Class オンライン オンデマンド(前回の確認及び技術移転と技術形成の能力の残りを含む)
事前学習/Preparation 動画を視聴する。
事後学習/Reviewing 復習をする。
13
授業計画/Class キャッチアップ型工業化論⑧ 労働市場と『管理と競争』
事前学習/Preparation あらかじめレジュメを読んでおく。
事後学習/Reviewing 復習をする。
14
授業計画/Class キャッチアップ型工業化論⑨ 教育制度と学歴社会
事前学習/Preparation あらかじめレジュメを読んでおく。
事後学習/Reviewing 復習をする。
15
授業計画/Class オンライン オンデマンド(前2回の要点確認)及び最終レポート
事前学習/Preparation 動画を視聴する。
コースパワー上に掲示された課題について、最終レポートを作成し提出する。
事後学習/Reviewing 自分なりに総括する。
授業方法/Method of instruction
対面授業(ハイブリッド型)
成績評価方法/Evaluation
1 レポート Report 100%
教科書/Textbooks
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1 特に用意する必要はありません。毎回授業内容に関する資料を配付します
参考書/Reference books
 著者名
Author
タイトル
Title
出版社
Publisher
出版年
Published year
 
1 末廣昭 『キャッチアップ型工業化論』 名古屋大学出版会 2000年