講義内容詳細:色彩と形態

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年度/Academic Year 2021
授業科目名/Course Title (Japanese) 色彩と形態
英文科目名/Course Title (English) Chromatics and Morphology
学期/Semester 前期 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 小倉 ひろみ
英文氏名/Instructor (English) OGURA Hiromi

講義概要/Course description
ほぼ毎回の授業で「手を動かす」実技習得を通し、アート作品において色彩と形態がいかなる役割を持つのかを手から学ぶ。実技体験から生まれる感動や発見を講義やディスカッションを通して知識へと変換してゆく体験型授業形態である。このため、技術の未熟さは問わないーむしろ歓迎するが、毎回の実習をやりとげることを目標とする。
講師は学生の発想と思考のきっかけをつくり、結論は学生が生み出すインタラクティブな授業形態とする。
達成目標/Course objectives
アート行為およびアーティストの存在を理解し、それを自分自身の糧とするため、さらには現代社会のなかにそれを普及・または擁護する人材となるために、アート表現の2大要素である「色彩」と「形態」の理解を深める。さまざまな色彩と形態を用いたアート表現がなぜ魅力的なのか、なぜ現代社会に必要なのか?実習体験を通してこれを感じる感性を養い、ディスカッションを通してこれを定義づける言語スキルを養うことを目標とする。
履修条件(事前に履修しておくことが望ましい科目など)/Prerequisite
本授業は前半が形への理解と体験、後半が色彩への理解と体験に分かれるため、アート・デザインに興味を持ち、美術作品の見学や色彩関連の書籍に目を通しておくことが望ましい。
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class オリエンテーション [オンライン(オンデマンド型)]初回授業のみ
この授業でなにが学べるかを紹介、講師の紹介、各授業で使用する画材用具の提示&紹介
事前学習/Preparation 自分の好きな画家・美術家の作風や社会に置ける存在を他者に紹介できるようにしておく
事後学習/Reviewing 授業内容の復習、自分にあった描画材料を探す
2
授業計画/Class 表現[1]平面〜インプレッションドローイング
音楽を聞き即興で抽象画をドローイングする〜要提出
事前学習/Preparation 抽象絵画と呼ばれる絵画を見ておく
事後学習/Reviewing 授業後に得た新たな「目」により、事前学習で見た絵画がどう違って見えるかを発見し、それを楽しむ
3
授業計画/Class 形[1]描くとはなにか〜前半
点・線・面による写真作品のトレース
事前学習/Preparation レオナルド・ダ・ビンチやミケランジェロ、葛飾北斎等、西欧・日本それぞれの画家のデッサンやスケッチ集を見ておく
事後学習/Reviewing 時間中の作品制作を継続
4
授業計画/Class 形[2]描くとはなにか〜後半
点・線・面による写真作品のトレース〜要提出
事前学習/Preparation レオナルド・ダ・ビンチやミケランジェロ、葛飾北斎等、西欧・日本それぞれの画家のデッサンやスケッチ集を見ておく
事後学習/Reviewing 描き終わると同時に出来上がった自身の新たな目で、再度、事前学習で見た作品を見直し、今までと違う部分の発見ができることを楽しむ
5
授業計画/Class 形[3]トレースから構成へ〜前半
コンポジション作品をつくることで平面における形の理解をする
事前学習/Preparation 発想の参考として30〜40年代のロシア構成主義やパウルクレーらの絵画、浮世絵・着物の図案〜現代のポスターまでの商業美術作品等を見ておく
事後学習/Reviewing 時間中の作品制作を継続
6
授業計画/Class 形[4]トレースから構成へ〜後半
コンポジション作品をつくることで平面における形の理解をする〜要提出
事前学習/Preparation 時間中の作品制作を継続
事後学習/Reviewing 創り終わると同時に出来上がった自身の新たな目で、再度、事前学習で見た作品を見直し、今までと違う部分の発見ができることを楽しむ
7
授業計画/Class アートの見かた[1]
トレース・コンポジション・インプレッションドローイングの3課題を鑑賞し、形や色をどうとらえるとアートとして人を魅了するのかを話し合う。
事前学習/Preparation 自身の作成したトレース・コンポジションまたインプレッションドローイングを見直しておく
事後学習/Reviewing 新たな目を持って美術作品を見直す時間をつくる
8
授業計画/Class 色[1]色は現象である
色とはなにか?色を見る・感じるしくみの理解から「色が現象である」ことを理解し、さらに色を体系的に扱うこと、美しい配色に法則があることを学ぶ。
事前学習/Preparation 光と目と心の関係 錯視&色と心理等について指定参考書を中心に調べておく
事後学習/Reviewing 授業内容を復習
9
授業計画/Class 色[2]色をハンドリングする
美しい色使いには法則があり、それは理屈で学ぶことができる。カラーカードで実際に手を動かしながらこれを習得する。
事前学習/Preparation 拙著の該当頁をはじめ、色体系〜配色等の本に目を通しておく
事後学習/Reviewing カラーカードで配色法則の復習を行なう
10
授業計画/Class 色[3]色と感情
色はひとの気持ちによりそう。固有色に共通するひとの感情、それを象徴化した事例等をふまえ、配色で感情表現を行なう〜要提出
事前学習/Preparation 拙著をはじめ色彩心理系の本を読んでおく
事後学習/Reviewing 自分の好きな色が何色なのか?何故そうなのか、自身で分析してみる
11
授業計画/Class 色[4]色と経済
商品の色はどうやって決められてゆくのか?カラーバリエーションの事例をもとに、ものづくりとマーケティングの視点から、商品の色が決まるまでを推察する
事前学習/Preparation 拙著の該当頁に目を通しておく他、気になる商品の色揃えを取り上げ、なぜそうなのか仮設をたてる
事後学習/Reviewing 授業内容を復習
12
授業計画/Class 色[5]色を企画する
前週までに得た知識を総合し、提示された条件に基づいて商品のカラーバリエーションを企画し発表する。(グループワーク)
事前学習/Preparation 拙著の該当頁に目を通しておく他、気になる商品の色揃えを取り上げ、なぜそうなのか仮設をたてる
事後学習/Reviewing 新しく得た知識をもって、身近な商品のカラーバリエーションの意図を考えてみる
13
授業計画/Class 表現[2]立体「いろくみ」による配色造形作品
幾つかのグループに分かれ、個人の作品制作とそれを提示しながらの意見交換を通して「個性」を見つめ「違い」を尊ぶことによりコミュニケーションをはかる
事前学習/Preparation 造形のヒントとしてホアン・ミロ、ニキ・ド・サンファール、イサム・ノグチ、青木野枝、等の彫刻作品を見ておく
事後学習/Reviewing 発表を通し生まれた新たな目で、グループのメンバーへの理解がどう深まったかを考える
14
授業計画/Class 期末課題プレゼンテーション
期末課題作品の希望者による発表。授業後に課題提出(全員)。
事前学習/Preparation 期末提出課題の作成
事後学習/Reviewing 授業内容を復習
15
授業計画/Class アートの見かた[2]
全授業を通して得られた新たな視点から、現代アートの意義・そこでの色と形の意味等、フリートーク&ディスカッション。課題作品の返却
事前学習/Preparation これまでの講義内容について、詳細に復習を行い質問があれば用意しておく
事後学習/Reviewing 授業内容を復習
授業方法/Method of instruction
実習による授業を中心に、2〜3回に一度、実習作品をふまえたディスカッション形式の授業をおこなう。このため実習の授業では、各自、各回の授業で指定された描画用具を準備すること。
成績評価方法/Evaluation
1 100% 授業内容の把握・各授業における実習作品の提出——70%
期末課題の作品————30%
教科書/Textbooks
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1 適宜授業時に配布
参考書/Reference books
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1 儲かる色の選び方 小倉ひろみ著 美術出版社

メッセージ/Message
実習による授業が中心なので、各自、各回の授業で指定された描画用具を必ず持参すること。
実習は体験することが大事なので、うまい・へたは問わない。それより課題をやりとげ、その後にどんな感情や見え方が自分に芽生えるのかを大事にしたい。
その他/Others
授業使用画材(初回オリエンテーションにて紹介)
*各自必須〜大学購買等で購入しておく
スケッチブックB4サイズ、クレパス・色鉛筆・サインペン等、鉛筆(3B~4B)、ねり消しゴム、
カッター、マスキングテープ
配色カード158a(日本色彩事業株式会社)570円+税(大学書店で5月に指定販売)

*共同購入〜講師が授業時に有償配布
A4サイズのトレーシングペーパー(形1〜4の授業で3〜4枚使用)
キーワード/Keywords
感性・体験・表現力・コミュニケーション力