講義内容詳細:家庭科概説(食物)

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年度/Academic Year 2021
授業科目名/Course Title (Japanese) 家庭科概説(食物)
英文科目名/Course Title (English) Introduction to Homemaking (Cooking)
学期/Semester 前期 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 福留 奈美
英文氏名/Instructor (English) FUKUTOME Nami

講義概要/Course description
講義および調理実習で行う実践的・体験的な学習を通して、食生活全般と栄養、調理、食の安全等について学ぶ。家庭生活と家族、身近な消費生活と環境に関する内容も取り入れて、自身の食行動、食生活について考えるだけでなく、児童に対する指導方法や活動計画を勘案しながら学ぶ。科学的な視点に加え、社会的・文化的側面を含めて多面的に家庭科の学習内容をとらえることを大切にする。
達成目標/Course objectives
1.小学校家庭科食分野の指導内容を理解し、指導に必要な知識・技能の概要と習得方法がわかるようになる。
2.調理実習を通して、調理指導のための基礎的技術・技能の習得を目指す。
3.食事の役割と栄養、健康的かつ安全な食事・調理の基礎、食を通した家族・家庭生活、食材の選び方、環境に配慮し た調理の工夫等の学びを通して、自身の食行動・食生活を見直し、将来の学習指導に生かせるように意識化する。
履修条件(事前に履修しておくことが望ましい科目など)/Prerequisite
初等教科教育法(家庭科)を履修しているか、同時並行履修が望ましい。
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class Course Powerの自己学習形式で実施。オリエンテーション(講義の目標、内容、評価、教科書等について)、食の安全(食品添加物・残留農薬、化学物質のリスク等)の動画視聴等。
事前学習/Preparation 動画視聴の前に事前アンケートに答える。シラバスの確認。
事後学習/Reviewing 講義内で提示された課題に取り組み、期限までに提出する。指定する本講義の教科書4冊は、できるだけ第3回目までに入手すること。
2
授業計画/Class 食の安全について考える。遺伝子組換えとゲノム編集、食糧事情、食品表示等。DVDの視聴を行い、食の安全関連レポートの作成に向けての解説を行う。
事前学習/Preparation 事前に提示される動画教材の視聴、配布資料の通読を講義前に済ませておく。身の回りにある食品表示の例を確認する。
事後学習/Reviewing 講義内容を振り返り、要約や不明点の確認を自分なりにまとめる。講義内で提示された課題に取り組む。
3
授業計画/Class 学習指導要領と教科書2冊による家庭科食分野の学習内容の理解。初めての調理実習、基本の調理器具の扱い、切り方・加熱調理の注意点、調理の安全性等の範囲について。調理実習1に向けての事前学習について考える。
事前学習/Preparation 教科書2冊の目次と構成を把握し、食分野の学習項目の概要をとらえてくること
事後学習/Reviewing 調理実習で行う内容をシミュレーションし、調理経験がない人は自宅で事前練習しておくことが望ましい。
4
授業計画/Class 調理実習1:野菜炒め(炒める調理・野菜の扱い)、ゆで卵(ゆでる調理・卵料理)、ウーロン茶を茶葉からいれる。
事前学習/Preparation 包丁使いについての確認。経験の少ない方は皮むきの練習を意識してしてくること。
実習で行う内容の再確認。
事後学習/Reviewing 実習レポートの作成と手順の復習。実習内容に関係する周縁の学習内容(食材の選定、買い物と価格等)について。
5
授業計画/Class 朝食の献立づくり、生活時間と食、バランスのよい食事の考え方。五大栄養素とその働き。
事前学習/Preparation 教科書の該当ページを熟読する。本学習項目の活動案を考えてくる。
事後学習/Reviewing 講義内容を振り返り、要約や不明点の確認を自分なりにまとめる。講義内で提示された課題に取り組む。
6
授業計画/Class 調理実習2の事前学習計画と実習の準備について。調理実習・実験の指導法、さまざまな活動を考える、
事前学習/Preparation 配布資料と家庭科教科書の該当ページを熟読する。本学習内容の授業準備に必要な事柄を考えてくる。
事後学習/Reviewing 講義内容を振り返り、要約や不明点の確認を自分なりにまとめる。講義内で提示された課題に取り組む。
7
授業計画/Class 調理実習2:青菜のお浸し、ブロッコリーのゆで物、粉ふきいも、スクランブルエッグ/目玉焼き、トマトのくし形切り、ドレッシング作り。盛り付けの基本(小鉢、西洋料理の付け合わせ)
事前学習/Preparation 実習で行う内容をシミュレーションし、調理経験がない人は自宅で事前練習してくることが望ましい。
事後学習/Reviewing 実習レポート作成と手順の復習。実習内容に関係する周縁の学習項目の確認。
8
授業計画/Class 消化・吸収・代謝の基礎、ビタミン・無機質の働き、食材の選択・食物アレルギーについて。
事前学習/Preparation 配布資料と家庭科教科書の該当ページを熟読する。
事後学習/Reviewing 講義内容を振り返り、要約や不明点の確認を自分なりにまとめる。講義内で提示された課題に取り組む。
9
授業計画/Class ごはんとみそ汁づくり、食材研究、加熱操作・非加熱操作の基礎、だしの飲み比べの活動計画。次週の調理実習3の準備。
事前学習/Preparation 配布資料と家庭科教科書の該当ページを熟読する。本学習内容の授業準備に必要な事柄を考えてくる。
事後学習/Reviewing 講義内容を振り返り、要約や不明点の確認を自分なりにまとめる。講義内で提示された課題に取り組む。
10
授業計画/Class 調理実習3:白飯を炊く、だしの取り方、みそ汁づくり。みそ・みそ汁の比較。
事前学習/Preparation 実習で行う内容をシミュレーションし、調理経験がない人は自宅で事前練習してくることが望ましい。
事後学習/Reviewing 実習レポート作成と手順の復習。実習内容に関係する周縁の学習項目の確認。
11
授業計画/Class 献立の計画、指導法と評価法の検討、調理の工夫。伝統食、行事食、郷土料理、食を通した地域との関わりを考える。
事前学習/Preparation 配布資料と家庭科教科書の該当ページを熟読する。食を通して地域とつながる方法について考えてくる。
事後学習/Reviewing 講義内容を振り返り、要約や不明点の確認を自分なりにまとめる。講義内で提示された課題に取り組む。
12
授業計画/Class 食べ方、マナー、家族の団らんにおける食。調理実習4準備。「団らんの食/地域とつながる食」活動計画課題(個人発表)について。
事前学習/Preparation 配布資料と家庭科教科書の該当ページを熟読する。本学習内容の授業準備に必要な事柄を考えてくる。
事後学習/Reviewing 講義内容を振り返り、要約や不明点の確認を自分なりにまとめる。講義内で提示された課題に取り組む。
13
授業計画/Class 調理実習4:日本茶のいれ方(種類、温度違い)、白玉団子フルーツ添え。個人発表準備。実習室の大掃除。
事前学習/Preparation 「団らんの食/地域とつながる食」活動計画課題に取り組み、その発表準備のために調理実習時間の一部を活用できるように考えてくる。実習内容4のシミュレーションと準備。
事後学習/Reviewing 実習レポート作成と手順の復習。実習内容に関係する周縁の学習項目の確認。
14
授業計画/Class 個人発表:「団らんの食/地域とつながる食」活動計画
本講義まとめ課題の提示
事前学習/Preparation 全13回の振り返り。個人発表準備。
事後学習/Reviewing 発表した方は内容の振り返りと活動計画書の完成。本講義まとめ課題の取り組み。
15
授業計画/Class 個人発表つづき。講評、まとめ
事前学習/Preparation 全13回の振り返り。個人発表準備。
事後学習/Reviewing 発表した方は内容の振り返りと活動計画書の完成。本講義まとめ課題の取り組み。
授業方法/Method of instruction
対面授業(ハイブリッド型ブレンド方式) ※オンライン授業実施日については、CoursePowerや授業内で周知します。
小規模の20名以下で授業を進めます。毎回、授業コメント(感想・意見・質問等)を提出します。
その他、講義内容に関連する課題を出しますので、期日までに指定された方法で提出してください。
家庭科そのものが非常に情報量の多い科目です。指定された教科書だけでなく、配布資料や提示された参考資料に目を通し、適宜、ファイリングするなど工夫してまとめを行ってください。
成績評価方法/Evaluation
1 レポート Report 50% 講義内で提示する課題、調理実習レポートの提出状況と内容で評価する。欠席してその講義・実習内容について書けない人は、希望すれば代替テーマを与える。
2 平常点 In-class Points 50% 毎回の授業コメントの提出状況、調理実習への参加態度等で評価する。欠席した場合でも、講義・実習内容についての授業コメントを提出することを認める。第14・15回で行う個人発表の評価はここに加える。
教科書/Textbooks
 著者名
Author
タイトル
Title
出版社
Publisher
出版年
Published year
価格
Price
1 浜島京子・岡陽子ら 新しい家庭5・6 東京書籍 東京書籍 令和2年
2 鳴海多恵子、石井克枝、堀内かおる他 わたしたちの家庭科 小学校5・6 開隆堂 令和2年
3 文部科学省 小学校学習指導要領解説 家庭編 東洋館出版 平成30年 95円+税
4 お茶の水女子大学附属学校家庭科研究会 朝食ナビ わたしがつくる朝ごはん 地域教材社 2011 300円
参考書/Reference books
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タイトル
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出版社
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出版年
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1 伊藤葉子編著 新版 授業力UP 家庭科の授業 日本標準 2018 2000円+税
2 お茶の水女子大学附属学校家庭科研究会 アクティブ・ラーニングが育てる これからの家庭科 地域教材社 2017 1500円 ワークシートが地域教材社のHPからダウンロードできる
3 伊藤葉子編著 中学生のための 家庭科わくわくワーク集<改訂版> 教育図書 2016 2500円+税
4 山口慎太郎 「家族の幸せ」の経済学 データ分析でわかった結婚、出産、子育ての真実 光文社新書 2019 820円+税
メッセージ/Message
本講義では、4回の調理実習を通して体験的に実験・実習とその学習計画、授業運営について考えます。学級担任として家庭科を教える際に必要となる基礎的な知識、技術、技能のうち、自分には何が足りないのか、どうすれば補い習得していけるのかについて、実践を通して気づき、意識化していってほしいと考えています。
わからないことや要望は、講義内や授業コメントで積極的に質問・意見してください。また、Course PowerやE-mailでも受け付けるようにコミュニケーションを円滑にとりながら進めていきます。
その他/Others
・調理実習では、エプロン(割烹着)・三角巾(手ぬぐい)・手ふき(布巾で自分の手をふかない)・マスク入れを各自用意すること。
・調理実習の内容を家庭でも予習・復習できるように、基本的な調理道具(まな板、包丁、鍋類等)と計量スプーン、計量カップ、秤等を準備しておけると尚良い。