講義内容詳細:科学・技術の視点(総合科目)

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年度/Academic Year 2021
授業科目名/Course Title (Japanese) 科学・技術の視点(総合科目)
英文科目名/Course Title (English) Perspective of Science and Technology (Coordinated Courses)
学期/Semester 後期 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 中田 恭子/長谷川 美貴/松田 哲也
英文氏名/Instructor (English) NAKADA Kyouko/HASEGAWA Miki/MATSUDA Tetsuya

講義概要/Course description
教員3人が1チームとなって授業を担当する。授業は ① ガイダンスおよびイントロダクション、② 3つのパート (A, B, C) に分かれた講義部分とからなる (授業計画の項を参照)。 全体を通じたテーマは「色」である。光と物質と人間とが存在するところに色が生まれる。3人の教員は A : 光と色、 B : 物質と色、 C : 色と人間 という異なる3つの視点から色を捉えた講義を展開する。パートA〜Cに分かれた講義部分では、色に関する観察・実験を行う。観察・実験では、色に関する様々な現象を自分自身の眼で観察し、結果をノートに記録し、考察を加える。続いて教員が、観察された結果に対する自然科学的な解釈を与える。毎回の授業ではこのようにして、自然科学の目を通して色を捉えるというプロセスを体験する。また、アートからテクノロジーまで、色にかかわる様々な技術についても、身近な実例を通して考える。色を題材として組み立てられた授業に主体的に参加することによって、次項の目標 (1)(2)(3) に到達することを目指す。
達成目標/Course objectives
【テーマ】 色
【到達目標】 この科目の到達目標は、(1) 自然科学的なものの見方や考え方、(2) 科学と技術の関係、(3) 技術と人間との関わり、これらについて自ら考え、理解を深め、自分自身の意見を持てるようになることである。
履修条件(事前に履修しておくことが望ましい科目など)/Prerequisite
今年度は、全15回の授業をオンライン授業(リアルタイム型とオンデマンド型を併用)として実施します。リアルタイム型の授業は、自宅で受講することもできますが、大学の教室で受講することもできます。リアルタイム型の授業を行うスケジュールは、ガイダンスにて具体的にお知らせします。
この科目では、本物の色を皆さん自身の目で見てもらい、見えたものに対して考察を重ねていく、という形で授業を進めていきます。皆さん自身の目で色を見てもらうために、授業では皆さん自身に実験や観察をしてもらいます。実験・観察に必要な「教材セット」を皆さん一人一人に準備・配布しますので、それを使って実験や観察をしてください。リアルタイム型の授業で実験や観察を行う回もあります。
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class ガイダンス(1) 【オンライン授業(オンデマンド型)】
授業のねらい、概要、履修条件、評価方法、その他に関するガイダンス
事前学習/Preparation 受講環境を整えて CoursePower の「科学・技術の視点(総合科目)」フォルダへのアクセスを確認しておく。
事後学習/Reviewing 「色」に関して日頃から疑問に思うことをノートに書き出す。
2
授業計画/Class ガイダンス(2) 【オンライン授業(オンデマンド型)】
・パートA~Cの内容・形式(リアルタイム型/オンデマンド型)・スケジュール・相互関係について
・受講の仕方
・教材セットについて(E206教室にて配布できる可能性があります)
・受講に先立って用意・購入する必要のあるものについて
事前学習/Preparation 「色」を含む言葉や「色」に関する言葉(例:薔薇色の人生)として知っているものをノートに列挙する。また,その言葉の意味や用法を調べておく。
日本語以外の言語を母語とする友人・知人がいれば,結果を互いに比較するとよい。
事後学習/Reviewing CoursePower の事後課題に取り組む。
3
授業計画/Class イントロダクション:色の名前  【オンライン授業(リアルタイム型)】
・リアルタイムの授業中に課題に取り組み、「色」について予備的な考察を行う。
・金曜2限の授業時間中に、E206 にて教材セットを配布します。
事前学習/Preparation CoursePower の事前課題に取り組む
事後学習/Reviewing CoursePower の事後課題に取り組む。
4
授業計画/Class A (1) [中田] 光と色 ̶虹は何色? ̶ 【オンライン授業(リアルタイム型)】
雨上がりの空にかかる虹の中には様々な「色」が見える。虹にはどのような色が含まれるのだろうか? そして、虹には全部で何種類の色が含まれるのか? リアルタイムの授業中に分光器を作成し、自ら実験・観察をおこなうことで、この問題を考える。
事前学習/Preparation 前回のノートを見直し、要点をまとめる。
事後学習/Reviewing CoursePower の事後課題に取り組む。
5
授業計画/Class A (2) [中田] 光と色 ̶ 光とは何か、光を分ける、光を重ねる ̶ 【オンライン授業(リアルタイム型)】
光を分けることで生まれる色がある。一方で、光と光を重ねることで生まれる色がある。さらに、何かに光をあてることで生まれる色がある。それらの「色」とは何か? 私たちは何を見ているのか? リアルタイムの授業中に光を重ねる実験を自らおこない、この問題を考える。
事前学習/Preparation 前回のノートを見直し、要点をまとめる。
事後学習/Reviewing CoursePower の事後課題に取り組む。
6
授業計画/Class A (3) [中田] 光と色 ̶太陽の光、原子の光 ̶ 【オンライン授業(リアルタイム型)】
正体のわからない謎の光Aと謎の光Bがある。光を分け、分けた光を科学の力で「見る」ことによって、私たちの目には見えないミクロの世界まで、謎の正体に迫ることができる。リアルタイムの授業中に分光器を使って身近な光を観察し、その正体について考える。
事前学習/Preparation 前回のノートを見直し、要点をまとめる。
事後学習/Reviewing CoursePower の事後課題に取り組む。
7
授業計画/Class A (4) [中田] 光と色 ̶色を作る技術、光をとらえる眼 ̶ 【オンライン授業(リアルタイム型)】
様々な色が生まれるとき、そこには光と物質と人間がある。自然科学の目を通して光と色の関係について理解できたことをまとめ、それだけではまだ理解できない謎があることを確認する。その謎が、パートBとパートCへの問題提起となる。
事前学習/Preparation 前回のノートを見直し、要点をまとめる。
事後学習/Reviewing CoursePower の事後課題に取り組む。
8
授業計画/Class B (1) [長谷川] 色と物質 ̶青 ̶  【オンライン授業(リアルタイム型)】
藍色や青色発光ダイオードあるいは青いバラなどを例に、物質における青色や、青色をつくるための技術について講義する。
事前学習/Preparation 前回のノートを見直し、要点をまとめる。
事後学習/Reviewing ノートを見直し、授業中に実施した実験の観察記録と考察を整理する。
9
授業計画/Class B (2) [長谷川] 色と物質 ̶赤と緑 ̶  【オンライン授業(リアルタイム型)】
生命にかかわる代表的な色である赤(ヒトの血液の色:酸素を運搬する物質の色)と緑(植物のクロロフィル:光合成を行う物質の色)を中心に講義する。
事前学習/Preparation 前回のノートを見直し、要点をまとめる。
事後学習/Reviewing ノートを見直し、授業中に実施した実験の観察記録と考察を整理する。
10
授業計画/Class B (3) [長谷川] 色と物質 ̶白と黒 ̶  【オンライン授業(リアルタイム型)】
光があるときの黒と光がないときの黒の科学的な理由や、物質を白くみせるための技術等について講義する。
事前学習/Preparation 前回のノートを見直し、要点をまとめる。
事後学習/Reviewing ノートを見直し、授業中に実施した実験の観察記録と考察を整理する。
11
授業計画/Class B (4) [長谷川] 物質と色 ̶光る ̶  【オンライン授業(リアルタイム型)】
刺激を与えることによる発光を科学的に理解するための講義をする。
事前学習/Preparation 前回のノートを見直し、要点をまとめる。
事後学習/Reviewing ノートを見直し、授業中に実施した実験の観察記録と考察を整理する。
12
授業計画/Class C (1) [松田]  人間の認知機能  【オンライン授業(リアルタイム型)】
人間はどのように認知しているのか? 我々が自覚できない人間の認知特性について講義する。
事前学習/Preparation 前回のノートを見直し、要点をまとめる。
事後学習/Reviewing ノートを見直し、授業中に実施した実験の観察記録と考察を整理する。
13
授業計画/Class C (2) [松田]  人間の視覚機能  【オンライン授業(リアルタイム型)】
視覚感覚器である眼で色情報が電気信号に変換され、それが中枢神経に伝達され、我々は色を感じることができる。そのメカニズムについて講義する。
事前学習/Preparation 前回のノートを見直し、要点をまとめる。
事後学習/Reviewing ノートを見直し、授業中に実施した実験の観察記録と考察を整理する。
14
授業計画/Class C (3) [松田]  多感覚統合による認知  【オンライン授業(リアルタイム型)】
人間の感覚は、単一感覚だけで感じ取っているのではなく、他の感覚情報の影響を受けて認知される。時には同じ物理量として同じ色を見ているにも関わらず、違う色に感じてしまう時がある。このメカニズムについて講義する。
事前学習/Preparation 前回のノートを見直し、要点をまとめる。
事後学習/Reviewing ノートを見直し、授業中に実施した実験の観察記録と考察を整理する。
15
授業計画/Class C (4) [松田]  色と感情  【オンライン授業(リアルタイム型)】
人間の感情は、色によっても影響される。心が安まる色、より覚醒される色など、色は心に作用することがある。このメカニズムについて講義する。
事前学習/Preparation 前回のノートを見直し、要点をまとめる。
事後学習/Reviewing ノートを見直し、授業中に実施した実験の観察記録と考察を整理する。
授業方法/Method of instruction
各自が自宅または大学の教室にて受講するオンライン授業です。形式は、リアルタイム型とオンデマンド型を併用します。
授業中にほぼ毎回、実験や観察を行います。実験には、自分自身で実験操作を行う実験実習と、教員による演示実験とがあります。どちらの場合も、実験を通じて得られた観察結果をノートに記録し、それをもとに考察を加えるという形で授業が進められます。
自分自身で実験操作を行う実験実習に必要な「教材セット」を準備・配布しますので、それを使って実験実習を行って下さい。
成績評価方法/Evaluation
1 100% パートA, B, C のそれぞれにおいて2回ずつ(計6回)、および第3回「イントロダクション」、の合計7回出題される課題の総合点によって評価する。
教科書/Textbooks
 コメント
Comments
1 書籍としての教科書は指定しない。
授業中に実施する実験の観察記録が教科書となるので、毎回の観察記録をノートにとり、そこに考察を加えていくこと。
参考書/Reference books
 コメント
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1 指定なし
メッセージ/Message
皆さんの好きな色は何色ですか? 今日着ている服は何色ですか? 
これらの質問に、皆さんはきっと簡単に答えられると思います。でも、その「色」とは、つまるところ何でしょうか? そう言われると、そんなことは考えたことがなかった、という人も多いのではないでしょうか。この科目では、その「色」について、自然科学のさまざまな視点から考えていきます。
この科目の一番の特徴は、受講生の皆さん自身による実験・観察を授業の中心に据えていることです。今年度は全15回の授業をオンライン授業として実施しますが、皆さん自身による実験・観察が授業の中心であることは変わりません。実験・観察は、動画教材を使った観察という形で行われる場合もありますが、皆さん自身が自宅や教室で行うものもあります。実験に必要な「教材セット」を皆さん全員に準備・配布しますので、それを使って皆さん自身が実験・観察を行って下さい。
実験・観察においては、物質や現象を皆さん自身の目で見て観察することが何より重要です。なぜ皆さん自身の目で見る必要があるのか、その理由は、パートA~C の授業を通じて明らかになります。また、実験・観察のあとには必ず、今見たものが何だったのかを考えます。その考察を通じて、自然科学というものの見方や考え方を皆さん自身が体験することになります。
皆さんが観察したことや考察したことは、CoursePower その他を通じて、またリアルタイム型授業の時間を通じて、この科目を受講している皆さん全員に共有されます。これも、「色」について考える上では重要なことです。皆さん自身の目で見た結果と、同じものを他の人の目で見た結果を比較することによって、「色」というものに対する理解が一層深まっていくことでしょう。
色は、私たちの生活を文字通り彩り豊かにしてくれるものです。この授業を受けたあとはきっと、その色に対する見方や考え方が一層豊かになると思います。
その他/Others
パートA, B, C の授業(全12回)の中には、成績評価のための課題(各パート2回、計6回)以外にも課題が出題される場合があります。それらの課題は、成績評価の100点満点には含まれません。ただし、課題が提出された場合には最終評価の際に加点があります。
キーワード/Keywords
            人間     物質     視覚     色彩     自然科学     技術