講義内容詳細:情報化社会と法

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年度/Academic Year 2021
授業科目名/Course Title (Japanese) 情報化社会と法
英文科目名/Course Title (English) Information-oriented Society and Law
学期/Semester 前期 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 菊池 純一
英文氏名/Instructor (English) KIKUCHI Junichi

講義概要/Course description
情報化社会の法システムの基本的知識を習得することを目的として、まず、関わる政策基本法、及び、特に、情報、通信、コンテンツ、個人情報に係る特別法の制度的骨格を取り上げる。その上で、知的財産基本法を基軸とする情報財(知的財産)に関わる主要な法律として、著作権法、特許法、商標法、不正競争防止法などを取り上げ、情報化社会及び知識社会との関わりを学ぶ。講義を進めるにあたって、情報化社会の急速な発展と変容によって発生した重要事件(基本的には民事、刑事、行政の裁判事例を用いる)の内容を分析しつつ、情報化社会及び知識社会の公正な発展とは何かを考える機会を与え、さらに、情報グローバル・スプレッドの枠組み(情報エコシステム)としての国際標準、生物多様性(DNA情報のかたまり)などを取り上げることによって、倫理的規範を含む法の実現とは何かを解説する。講義の中では、模擬教材を用いた簡易アクティブラーニングを行う機会を設ける。
達成目標/Course objectives
情報化社会は、「ルールチェンジとゲームチェンジ」が同時に進行し、分野の垣根や国境の枠組みを越えてグローバルな展開をもって、急速に変容しつつある。その典型例は、STS構想(Science,Technology and Sustainability Scheme) に基づくIoT with AI & Robotsの動向である。それに比して法システムの対応は厳格であり、その改正は合意形成の手続きに基づき緩やかに進む。この二軸の変容の視座を踏まえ、法システムの特質を把握し所定のスキルコンピテンシー(修得能力)を獲得することを目標とする。各人の継続的努力を期待する。
履修条件(事前に履修しておくことが望ましい科目など)/Prerequisite
特になし。今年度は、第1回目を除き対面授業となります。Course Power上の「情報化社会と法」に公開する「お知らせ」を見てください。
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class 講義のオリエンテーション及び現代社会における法システムの考え方 (初回のみ、オンライン授業<オンディマンド型>での実施となります)
事前学習/Preparation 日本国憲法の21条及び29条を読んでおくこと。
事後学習/Reviewing 高度情報通信ネットワーク社会形成基本法の目的規定を読むこと。
2
授業計画/Class 情報化社会に関わる基本法の目的規定とその周辺の特別法について
事前学習/Preparation 知的財産基本法における知的財産の定義について調べること。
事後学習/Reviewing コンテンツ創造保護法の目的規定を読むこと。
3
授業計画/Class 電気通信法と放送法と情報処理促進法との相違点について
事前学習/Preparation インターネットとは何かを再確認しておくこと。
事後学習/Reviewing 特定電気通信役務提供者の大手企業を調べること。
4
授業計画/Class 個人情報保護法とプロバイダ責任法(通称)の相違点について
事前学習/Preparation 個人情報とは何かをネット検索しておくこと。
事後学習/Reviewing 「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任」(同法3条)とクーリングオフ制度(通称、特定商取引法48条)との関係を調べること。
5
授業計画/Class 模擬教材による簡易アクティブラーニング(その1)
事前学習/Preparation 担当教員の指示に従うこと。
事後学習/Reviewing 授業中に提出したミニレポートの内容を再考すること。
6
授業計画/Class 知的財産の法システム(その1:創作表現の情報に関わる著作権の特質)
事前学習/Preparation 著作権法における著作者人格権を調べること。
事後学習/Reviewing 著作権に含まれる各種の支分権について再確認すること。
7
授業計画/Class 著作権法に基づく権利侵害の事例(制度変更の契機)
事前学習/Preparation 刑事犯罪の法定主義について調べること。
事後学習/Reviewing 損害賠償の理論について再確認すること。
8
授業計画/Class 知的財産の法システム(その2:技術思想の発明情報に関わる特許権の特質)
事前学習/Preparation 特許法における発明者について調べること。
事後学習/Reviewing 職務発明(特許法35条)と職務著作(著作権法16条)の違いについて再確認すること。
9
授業計画/Class 特許法に基づく権利無効の事例(制度変更の契機)
事前学習/Preparation 無形の財産とは何かを調べておくこと。
事後学習/Reviewing 査定系審判と当事者系裁判について確認すること。
10
授業計画/Class 模擬教材による簡易アクティブラーニング(その2)
事前学習/Preparation 担当教員の指示に従うこと。
事後学習/Reviewing 授業中に提出したミニレポートの内容を再考すること。
11
授業計画/Class 知的財産の法システム(その3:外形表示及び意味理解に関わる商標権の特質)
事前学習/Preparation 「青山学院」と「青山学院大学」の商標権の違いについて調べること。
事後学習/Reviewing 法改正「人の知覚によって認識する」について再確認すること。
12
授業計画/Class 知的財産の法システム(その4:組織秘匿情報に関わる営業秘密の特質)
事前学習/Preparation 不正競争防止法10条ついて調べておくこと。
事後学習/Reviewing 営業秘密の三要件に及び限定提供データの特性ついて再確認すること。
13
授業計画/Class 国際標準の法システム(ISO 27001及びISO/TC 213を中心に、認証に関わる情報制度を含む)
事前学習/Preparation ISOの組織について調べておくこと。
事後学習/Reviewing GPS情報の利用ビジネスについて確認すること。
14
授業計画/Class SDGs基本コンセプトの法システム(生物多様性基本法を含むCOP 13までの経緯を中心にして、SDGs169課題)
事前学習/Preparation 国連アジェンダ2030について調べること。
事後学習/Reviewing SDGs(持続可能な開発目標)と情報化社会におけるSTI&STS構想との関係を調べておくこと。
15
授業計画/Class 講義内容の総括及び授業内試験
事前学習/Preparation 前回授業にて開示した内容を調べること。
事後学習/Reviewing 情報化社会のトピックイシューを調べることを望む。
授業方法/Method of instruction
第1回目を除き対面授業(通常型)。配布資料教材に基づく講義、及び、簡易アクティブラーニング。
成績評価方法/Evaluation
1 試験 Exam 40% 基礎的知識の修得(授業内試験に基づく)。
2 レポート Report 40% 応用的な課題解決力(授業内ミニレポートに基づく)。
3 平常点 In-class Points 20% 学習に対する継続的努力。
教科書/Textbooks
 コメント
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1 特に教科書は指定しない。毎回、資料教材をCourse Powerにて配布する。
参考書/Reference books
 著者名
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タイトル
Title
出版社
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出版年
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ISBN価格
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コメント
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1 菊池純一編著 知財のビジネス法務リスク 白桃書房 2014 97856125644 参考にすると良い。知的財産分野のリスクについてまとめてある。
2 菊池純一・小林直人編著 場のイノベーション 中央経済 2018 9784502276811 3500 場の形成がイノベーションの核になっていることを知るには良い資料です。
メッセージ/Message
初回についての「お知らせ」は、Course Power 上に開示する。
その他/Others
特になし。
キーワード/Keywords
政策基本法、法システム、知的財産、IoT with AI & Robots、グローバル・スプレッド、SDGs