講義内容詳細:メディア論

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年度/Academic Year 2021
授業科目名/Course Title (Japanese) メディア論
英文科目名/Course Title (English) Theory of Media
学期/Semester 前期 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 長井 延裕
英文氏名/Instructor (English) NAGAI Nobuhiro

講義概要/Course description
■本講義では、「メディア」なるものの「生態」を現代社会における人間の社会行動、個人・集団と社会の関わりの視点から分析します。

■私たちが生活する現代社会は「メディア社会」とも言われ、私たちの日々のあらゆる生活シーンに「メディア」は関わっています。文字通り、人間のコミュニケーションを「媒介」する機能であり存在として、万人が否応なく接するメディアは私たちに利便性を供与するとともに様々な社会問題も引き起こす、とされています。

■「ん?そんなに影響力をもつ『メディア』って何だ?そもそも『メディア』は何をしているの?」・・・そんなシンプルな問い掛けから講義はスタートします。

■日常生活における「メディア」の関わりを調べ、触れてみて、あるいは「メディア」を使って「発信」してみて、「メディアなるもの」の個人・集団と社会の関わり、影響力について理解を深めます。また同時に「メディア」がどこからきてどこへ向かうのか、これからの「メディアの担い手」となる皆さんとともに考えてみたいと思います。

■全15回のうち、第5回まではコミュニケーションとの関連において「メディア論」の整理・理解をします。そのうえで、以降は「メディア×・・・」として現代社会において「メディア」と密接に関連するテーマを各回設定し、理解を深めます。各回の講義は①直近のニュースを題材に解説(約30分)②各回テーマ説明③同テーマに即して適宜ワークショップ形式をとりながら詳説、の2.5部構成を基本とします。また、メディア、コンテンツ、スポーツ、エンタテインメントなどの第一線で活躍される専門家の方をゲストスピーカーとしてお招きすることもあります。
※準備都合等により、各講義回のテーマ、講義内容は上記に拠らず変更する場合があります。その場合は適宜事前に告知します。

■これら一連の学習を通じて、「メディア」との付き合い方・接し方・使い方・・・お作法(リテラシ)を学びつつ、「メディア社会」で自律的主体的に生活する基礎力を養うとともに、現代社会における個人・集団・組織行動に自分なりの視点を持っていただくこと、つまり「社会を読み取る自分なりの視座」を持っていただくことを狙いとします。

■今期は対面授業で行う予定です。2020年度でのオンライン授業の経験をもとにメディアと社会との関係を考える格好の機会として、授業の形態についてはいろいろなトライをしてみたいと思います。
達成目標/Course objectives
・「メディア」についての自分の認識を確かなものとし、社会との関わり、社会における役割、功罪を知り、自らが様々なメディアを積極的に活用することができるようになること。
・「社会を読み取る自分なりの視座」を持っていただくこと

 

履修条件(事前に履修しておくことが望ましい科目など)/Prerequisite


授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class 【オリエンテーション】

○授業内容説明 ○授業の到達目標 ○メディア接触アンケート調査

 講義内容の説明を行い,受講にあたっての意識付けをする。メディア論の存在を示し,メディアリテラシについて説明する。また,メディア接触に関するアンケート調査を実施し、以降の授業の資料・教材とする。
初回授業のみ「オンライン(オンデマンド型)」で実施します。

事前学習/Preparation シラバスを見て,学ぶべき内容を確認する。
事後学習/Reviewing シラバスを見直し,授業の到達目標を確認する。
2
授業計画/Class 【コミュニケーション論】

○コミュニケーションとはなにか ○コミュニケーションモデルとメディア

 そもそもコミュニケーションとは何かを理解し、人のコミュニケーションにおけるメディアの機能を整理する。
事前学習/Preparation 「コミュニケーション」について考える。
事後学習/Reviewing 「コミュニケーション」とは何か。自らの考えをまとめる。
3
授業計画/Class 【コミュニケーションとメディア】

○メディアとは ○現代社会における「メディア」の種類・役割 ○メディア接触アンケート分析

 現代社会におけるコミュニケーションを媒介する「メディア」を考える。メディア接触アンケートの結果を題材にしつつ、メディアの多様な形態と役割を知り、考察する。
事前学習/Preparation 現代の「メディア」にはどのようなものがあるか調べる。
事後学習/Reviewing 「メディア」の必要性について考えをまとめる。
4
授業計画/Class 【メディアの歴史・役割】

○メディアの歴史 ○メディアの種類別機能分析 

 メディアの発達史を追い、メディアの種類別に機能を分析してその役割を知る。
事前学習/Preparation 「メディア」に関する記事・ワード検索、資料購読などにより、事前に基礎的知識を習得し現状課題等につき情報収集をしておくこと。
事後学習/Reviewing 「メディア」の種類機能を確認する。
5
授業計画/Class メディア論

メディア論 ○メディアリテラシー

 様々なメディア論を紹介。人間の機能拡張としてのメディアの影響力について調べ、考える。そのうえでマスメディアで発信するものの心構え、マスメディアから情報を得るためのリテラシについて学ぶ。
事前学習/Preparation 「メディアとは何か」について、自分の意見をまとめる。
事後学習/Reviewing 「メディアとは何か、メディアリテラシー」について自分の考えを深める。
6
授業計画/Class 【メディア×報道】

○メディアごとの表現力の違いを知る ○メディアの表現力がどのように活かされるか、社会に影響を及ぼすかを考察する

 「メディア」の種類ごとの報道表現、影響力を調べ、それぞれの特性を知る。
事前学習/Preparation メディアごとの表現について考える。(例)ある一つの事象がテレビ、新聞、ネットで表現が異なるか、調べ考える。 
事後学習/Reviewing それぞれのメディアの送り手、受け手の関係と伝える内容表現の観点から、その特性を知る。
7
授業計画/Class 【メディア×ビジネス① 新聞・雑誌】

〇メディアビジネスについて

○新聞、雑誌、出版の役割とビジネス

 新聞や雑誌、出版の役割と、それぞれの産業、ビジネスとしての側面を検証する。
事前学習/Preparation 現代における新聞・雑誌・出版の役割について各々の意見をまとめる。
事後学習/Reviewing メディアビジネスについての見解を深める。
8
授業計画/Class 【メディア×ビジネス② 放送】

○放送の役割とビジネス

 テレビ、ラジオなどマスメディアの役割とそれぞれの産業・ビジネスとしての側面を検証する。
事前学習/Preparation 現代における放送メディアの役割・機能について意見をまとめる。
事後学習/Reviewing 放送メディアの役割・機能を再確認する。
9
授業計画/Class 【メディア×ビジネス③ ネットメディア・パーソナルメディア・SNS】

○ネットメディア・パーソナルメディアの発展とビジネス

 ネットメディア・パーソナルメディアの発展と役割,ビジネス構造を学び,マスメディアとの違いを確認する。
事前学習/Preparation ネットメディア・パーソナルメディア・SNSの役割・機能について意見をまとめる。
事後学習/Reviewing 役割・機能を再確認する。
10
授業計画/Class 【メディア×スポーツ①】

○メディアがスポーツの発展に及ぼす役割、機能

近現代におけるスポーツの発展に密接なかかわりを持つメディアの役割、機能について考え、身近な実例に即し調べ、学ぶ。
事前学習/Preparation 「メディアとスポーツ」について身近な例を調査する。自分が関心あるスポーツ競技を選び、その競技に関するメディア記事等を調べ、その役割を考える。
事後学習/Reviewing メディアがスポーツに果たす役割についてさらに認識を深める。
11
授業計画/Class 【メディア×スポーツ②】

前回の①における議論の内容をさらに深める。身近な事例でワークショップ形式により実験を行う予定。
事前学習/Preparation (第10回講義にて指示)
事後学習/Reviewing スポーツのさらなる発展、スポーツによる地域活性化におけるメディアに期待される役割・機能について整理する。
12
授業計画/Class 【メディア×エンタテインメント①】

○エンタテインメント産業におけるメディアの役割、機能

近現代におけるエンタテインメント産業の発展に密接なかかわりを持つメディアの役割、機能について考え、身近な実例に即し調べ、学ぶ。
事前学習/Preparation 「好きなアーティスト」とメディアの関係について考える。自分が当該アーティスト、作品を知ったのか、関心を高めたのか、自分を事例にして調べ、考える。
事後学習/Reviewing メディアがエンタテインメント産業に果たす役割についてさらに認識を深める。
13
授業計画/Class 【メディア×地域社会】

○地域社会の発展とネットワークメディアの活用、社会課題解決について
○ネットワーク社会の諸問題 ○ネットワークリテラシ

 デジタルメディアの登場、普及によるコミュニケーションの変容を知り、現代における社会、特に地域社会における課題解決に向けて期待されるメディアの役割・機能について、具体的な事例に沿って考察する。
事前学習/Preparation 地域社会課題の整理または各自のネットワークへの関与について,確認作業をする。
事後学習/Reviewing 健全なネットワーク社会の発展のための課題と対処方を考察する。
14
授業計画/Class 【メディア×近未来社会】

○クラウドコンピューティング ○ウェラブルコンピューティング ○バーチャルリアリティ(VR),拡張現実(AR) ○近未来のメディア

 クラウドコンピューティングやウェラブルコンピューティングなどの最先端を学ぶ。社会の発展とメディアの近未来を予測する。
事前学習/Preparation ネットワーク社会の未来を考える。
事後学習/Reviewing 2040年のメディア社会を想像する。
15
授業計画/Class 【授業の総括】

○授業の総括 ○まとめ
 個人・集団・組織、社会、情報、コミュニケーション・・・それらを媒介する「メディア」なるものの動態の整理、送り手と受け手双方の意図を想像し、関係性を考察する。学習内容の理解度を点検し、各自が得たオリジナルな意見の確認をする。
事前学習/Preparation メディアとの接し方について自分なりの考えを持つ。
事後学習/Reviewing メディア・メディアリテラシについての認識を深める。本講義で触発された懸案を確認し,さらに探究を進める。
授業方法/Method of instruction
■本講義の参加にあたり、自らが自律的主体的に感じ、考え、調べ、表現することを求めます。一回当たりの時間は短いですが、その時間内で積極的な参加を期待し、そのための用意をします。

■講師からの口述講義のみによらず、適宜、ディスカッション、プレゼンテーションや、小グループによる討議などワークショップ形式を活用したいと思います。また、毎回「コミュニケーションカード」に考察や質問などを記入提出することで個々の授業内容の理解度を確認しつつ、疑問を持つこと、考えること、書くこと、表現すること、プレゼンテーションすること、伝えること、などの基礎訓練機会とし、受講者自身の「メディア性」を高めたいと思います。

■今期は対面授業を基本としますが、遠隔オンラインリアルタイム交信の活用等、新しい講義体験にもトライしてみたいと思います。
成績評価方法/Evaluation
1 平常点 In-class Points 100% ・毎回の講義にて講義終了時に「コミュニケーションカード」を記入・提出していただき、出席確認および講義の内容理解度、問題意識等による参加意識を成績評価の基礎資料とします。
・提出は、教室でのペーパー提出もしくはCoursePowerオンライン提出にて願います。
・「コミュニケーションカード」に記載する内容は各回講義にて提示します。
 ①(各回共通)講義にて興味を持った「キーワード」を3つ示し、その理由をそれぞれ50字以内で記す。
 ②(各回ごと)講義内容に即した課題ショートレポート(100~200字程度)

教科書/Textbooks
 コメント
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1 教材は各回ごとに必要なものを配布する。

メッセージ/Message
・次代の社会の担い手となる皆さんの知的好奇心、探求心、アマノジャク性、歓迎します。各回90分一本勝負。自分の関心・興味に照らし「予習=こんな講義になるのではないかと仮説を立てる」「講義=見て聴いて考える、学び,経験する」「復習=講義内容の裏を取り、自分の考え・視点を立てる」という基本的な学習サイクルを踏襲し、自律的主体的に社会観察し思考のPDCAサイクル(Plan – Do – Check -  Act)を回して、自分なりの視点、哲学、豊かな人間性を持った社会人を目指すための一助になれば幸いです。 ま、気楽に楽しんでください!
・テレビ、ラジオ、ネット、SNS、新聞、雑誌、書籍・・・様々なメディアに関心を持ち、それらから発信される情報を自らの視点で分析することを習慣としていただきたいと思います。
その他/Others
・毎回出席をとることを予定しています。
・クラスの性質上、積極的な参加と出席を希望します。
・欠席が3分の1を超えた学生は成績評価の対象としません。

・本講義においては、永くメディア業界(在京テレビ局)在職し現在もメディアコンテンツ、スポーツ、エンタテインメントビジネスに関わる実務経験を基に広くメディアと社会との関わり、諸課題に関する知見を活用し、実践的な講義運営を志向します。
・個別テーマに関する専門家をゲストスピーカーとしてお招きすることがあります。
キーワード/Keywords
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