講義内容詳細:国際政治学入門

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年度/Academic Year 2021
授業科目名/Course Title (Japanese) 国際政治学入門
英文科目名/Course Title (English) Introduction to Political Science
学期/Semester 前期 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 熊谷 奈緒子
英文氏名/Instructor (English) KUMAGAI Naoko

講義概要/Course description





達成目標/Course objectives
本講義では、国際政治の歴史的変遷と今日的事象についての知識を広げ、そして深めること、そして、国際政治の基本概念と理論を習得し、分析力を向上させることを目的とする。


授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class 第一回目の授業のみは【オンライン(オンデマンド型)】で実施します。

イントロダクション、今日の国際政治と日本
クラス概要説明、今日の国際政治状況についての概説(米中対立、北朝鮮危機、新型コロナ感染拡大の国際関係への影響、地球規模課題など)。
事前学習/Preparation 現代の国際政治全般について、メディア情報からなどから把握しておく。
事後学習/Reviewing 授業ノートの振り返り。理解した点、理解できなかった点の確認。後者の点についてのフォローアップ。
2
授業計画/Class 国際政治の基礎概念と分析視角 (リアリズム、リベラリズム、コンストラクティヴィズム)
事前学習/Preparation 以下の思考のポイントをもとに、課題図書を読む。
思考のポイント:主権国家とは何だろうか。国際政治における国家間関係はどのような特徴をもつのだろうか。国際政治には国家以外にどのような主体が関わっているのだろうか。

課題図書:中西、石田、田所『国際政治学』序章、第1章
事後学習/Reviewing 授業ノートの振り返り。理解した点、理解できなかった点の確認。後者の点についてのフォローアップ。
3
授業計画/Class 今日の国際政治状況の歴史的位置づけ
事前学習/Preparation 以下の思考のポイントをもとに、課題図書を読む。
思考のポイント:古代西アジア、インド、中国、ギリシア、中世ヨーロッパ、そして近代ヨーロッパから第二次大戦終結まで「国際」秩序はどのような形をとっていただろうか。そしてどのように変容を遂げてきたのだろうか。冷戦期、冷戦後の国際政治は、どのような秩序を形成してきたのであろうか。

課題図書:中西、石田、田所『国際政治学』第2章
事後学習/Reviewing 授業ノートの振り返り。理解した点、理解できなかった点の確認。後者の点についてのフォローアップ。
4
授業計画/Class 外交政策
事前学習/Preparation 以下の思考のポイントをもとに、課題図書を読む。
思考のポイント:対外政策にはどのような要因が関わるのだろうか。そしてどのような過程で、誰によって決定されるのであろうか。SNSの発達した今日、世論は対外政策に影響を持てるのだろうか。

読書課題:中西、石田、田所『国際政治学』第3章「対外政策の選択」。
事後学習/Reviewing 授業ノートの振り返り。理解した点、理解できなかった点の確認。後者の点についてのフォローアップ。
リアクションペーパー執筆、提出(次のクラス開始時までにコースパワーに提出)。
5
授業計画/Class 国際秩序の基本理解:リベラリズム(市場、レジーム論)、コンストラクティビズム
事前学習/Preparation 以下の思考のポイントをもとに、課題図書を読む。
思考のポイント:国家間関係は基本的にどのような特徴を持つだろうか?競争的であろうか?協力的であろうか?非国家主体にはどのようなものがあるだろうか。それらは、国際秩序にどう影響しているだろうか。

読書課題:中西、石田、田所『国際政治学』第4章「国際秩序」1「領域主権国家体制」と2「秩序の設計と生成」
事後学習/Reviewing 授業ノートの振り返り。理解した点、理解できなかった点の確認。後者の点についてのフォローアップ。
6
授業計画/Class 安全保障
事前学習/Preparation 以下の思考ポイントをもとに、課題図書を読む。
思考のポイント:国力とは何か。日本は国力の要素は何か。現在は、どのような勢力均衡状態が存在するであろうか。それは、安定しているだろうか。同盟と集団安全保障はどう違うのか。

課題図書:
中西、石田、田所『国際政治学』第5章「安全保障」1「戦争から安全保障へ」と2「軍事的安全保障」。
事後学習/Reviewing 授業ノートの振り返り。理解した点、理解できなかった点の確認。後者の点についてのフォローアップ。
7
授業計画/Class 国際政治における「正義」
事前学習/Preparation 以下の思考ポイントをもとに、課題図書を読む。
思考のポイント:主権国家体制の下での平和と普遍的正義の追求はいかに両立しうるだろうか。紛争下の弱者を国境を越えて保護することはできるだろうか。紛争後の和解において、責任者の処罰は効果的であろうか。

課題図書:
中西、石田、田所『国際政治学』第7章1「平和と正義の相克」
追加資料(コースパワー参照)
事後学習/Reviewing 授業ノートの振り返り。理解した点、理解できなかった点の確認。後者の点についてのフォローアップ。
8
授業計画/Class 今学期前半部の復習
事前学習/Preparation これまでの読書課題、講義内容で理解できなかったところを把握して、講義課題、講義ノートを再読する。
事後学習/Reviewing 授業ノートの振り返り。理解した点、理解できなかった点の確認。後者の点についてのフォローアップ。
リアクションペーパー執筆、提出(次のクラス開始時までにコースパワーに提出)。
9
授業計画/Class 国際政治経済とグローバリゼーション 
事前学習/Preparation 以下の思考ポイントをもとに、課題図書を読む。
思考のポイント:国際政治における経済の役割とは?国際金融、世界貿易体制はどのように維持されてきたのだろうか。グローバリゼーションとは何か。現在、どのようなグローバリゼーションの現象がみられるか。グローバリゼーションは、日本の政治にどのような影響を与えているだろうか。グローバリゼーションは平和を促進するだろうか?

課題図書:中西、石田、田所『国際政治学』第6章「国際政治経済」
追加資料(コースパワー参照)
事後学習/Reviewing 授業ノートの振り返り。理解した点、理解できなかった点の確認。後者の点についてのフォローアップ。
10
授業計画/Class グローバリゼーションと地球規模脅威と課題(環境問題、テロ、移民、難民など)
事前学習/Preparation 以下の思考ポイントをもとに、課題図書を読む。
思考のポイント:グローバリゼーションはどのような越境問題や課題を生じているだろうか。それらの問題を、国際社会では、どのような主体が協力して解決できるであろうか。

課題図書:
中西、石田、田所『国際政治学』第7章2「越境問題の実相」
追加資料(コースパワー参照)
事後学習/Reviewing 授業ノートの振り返り。理解した点、理解できなかった点の確認。後者の点についてのフォローアップ。
11
授業計画/Class 文化、文明、国際政治
事前学習/Preparation 以下の思考ポイントをもとに、課題図書を読む。
思考のポイント:国際政治において宗教、文化や文明はどのような役割を果たしてきたであろうか。文化は平和に貢献するであろうか。日本の「ソフトパワー」は何だろうか。それは有効に行使されているであろうか。

読書課題:中西、石田、田所『国際政治学』第7章「越境的世界」3「文明論と国際政治」
追加資料(コースパワー参照)
事後学習/Reviewing 授業ノートの振り返り。理解した点、理解できなかった点の確認。後者の点についてのフォローアップ。

12
授業計画/Class 今日の安全保障の諸問題:国家間対立と内戦
事前学習/Preparation 以下の思考ポイントをもとに、課題図書を読む。
思考のポイント:今日の国際社会における安全保障上の脅威にはどのようなものがあるか。冷戦後に増加してきた民族紛争はどのような特色をもつであろうか。

課題図書:中西、石田、田所『国際政治学』第5章「安全保障」3「安全保障の諸問題」4「国際の平和と国内の平和」
事後学習/Reviewing 授業ノートの振り返り。理解した点、理解できなかった点の確認。後者の点についてのフォローアップ。リアクションペーパー執筆、提出(次回クラス開始時までにコースパワーに提出)。
13
授業計画/Class 科学技術と国際政治(核、サイバー、宇宙など)
事前学習/Preparation 以下の思考ポイントをもとに、課題図書を読む。
思考のポイント:科学技術は国際政治にどのような影響を与えてきたであろうか。科科学技術は平和をもたらしてきたであろうか。科学技術がもたらす新たな脅威は何であろうか。

課題図書:コースパワー参照
事後学習/Reviewing 授業ノートの振り返り。理解した点、理解できなかった点の確認。後者の点についてのフォローアップ。
14
授業計画/Class 新たな課題(環境、貧困、開発)
事前学習/Preparation 以下の思考ポイントをもとに、課題図書を読む。
思考のポイント:
環境や貧困問題は、どのような対立を生み出してきたであろうか。環境問題対策、貧困問題対策のために、どのような国際協力が有効になされてきたであろうか。

課題図書:コースパワー参照
事後学習/Reviewing 授業ノートの振り返り。理解した点、理解できなかった点の確認。後者の点についてのフォローアップ。
15
授業計画/Class 国際政治の今後と日本の役割
事前学習/Preparation 国際政治の歴史、特徴、分析視角の見直し。
今日の国際政治の課題の理解する。
日本が国際社会の平和と安全のために、どのような政策提言ができうるのだろうかを考える。

これまでの読書課題、授業ノートの復習。
疑問点の把握と解消。
事後学習/Reviewing 教科書、授業ノートに基づく疑問点、不明確点の解消。ファイナルレポート執筆、提出(コースパワー)。
授業方法/Method of instruction
本講義は【対面授業】で実施します。第一週のみ【オンライン授業(オンデマンド型)】での実施となります。

講義、リアクションペーパー、期末レポート
最新情報を含むニュース記事なども、参考読書課題として追加されることもある。その場合の記事は、英語の記事の場合も含まれる。


成績評価方法/Evaluation
1 平常点 In-class Points 70% 授業態度、リアクションペーパー(第4回、第8回、第12回)
2 レポート Report 30% 期末レポート(詳細についてはクラス内で説明)
教科書/Textbooks
 著者名
Author
タイトル
Title
出版社
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価格
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1 中西寛、石田淳、田所昌幸 国際政治学 有斐閣 2013 3520円
2 その他の教科書や文献の使用については、授業にて指示する。最新情報を含むニュース記事なども、読書課題として追加されることもある。その場合の記事は、英語の記事も含まれる。
参考書/Reference books
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1 パスカル・ボニファス 現代地政学 国際関係地図 ディスカヴァー・トゥエンティワン 2019年 2300円
2 パスカル・ボニファス 増補改訂版 最新世界情勢地図 ディスカヴァー・トゥエンティワン 2016年 1800円
3 村田晃嗣、君塚直隆、石川卓、来栖薫子、秋山信将 国際政治学をつかむ【新版】 有斐閣 2015年 2420円
4 E.H.カー 危機の二〇年―理想と現実 岩波文庫 2011年 1452円
5 その他の参考書の使用については、授業にて指示する。
メッセージ/Message

国際政治の勉強では、概念理論と諸事象の詳細な把握のバランスの取れた勉強方法が重要である。
概念や理論偏重の抽象的な勉強、もしくは事象を追うだけの勉強の二つに偏ることは望ましくない。
バランスのとれた勉強方法を実現するには、常に具体的で明確な問題意識、当事者意識をもって、勉強に臨むことが大切である。



その他/Others


欠席が3分の1を超えた学生は成績評価の対象としない。


キーワード/Keywords
政治、国際政治、権力、国家、ネーション、現実主義、リベラリズム、構成主義