講義内容詳細:平和を考えるA

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年度/Academic Year 2022
授業科目名/Course Title (Japanese) 平和を考えるA
英文科目名/Course Title (English) Peace Studies A
学期/Semester 前期 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 安部 竜一郎
英文氏名/Instructor (English) ABE Ryuichiro

講義概要/Course description
環境と開発の平和学
達成目標/Course objectives
環境と開発をめぐる様々な社会的不平等や不均衡な権力関係について理解する。
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class *オンライン授業(オンデマンド型)で実施する。
オリエンテーション:授業の進め方、テーマ、評価方法などを説明する。
2
授業計画/Class 「平和」とはなにか:平和学の創始者ガルトゥングの積極的平和、消極的平和の概念を学ぶ。
3
授業計画/Class 「貧困」とは何か:途上国と日本の事例をもとに「絶対的貧困」と「相対的貧困」について考える。
4
授業計画/Class 自由としての開発:アマルティア・センのケイパビリティ論を紹介し、貧困とは単なる経済状態を超えて「可能性の圧殺」に他ならないことを理解する。
5
授業計画/Class 裏切られた開発:巨大開発はなぜ失敗するのか。途上国の事例を紹介し、開発主義とパターナリズムの矛盾について学ぶ。
6
授業計画/Class Putting the Last First:「参加型開発」の概念を紹介し、ローカル・ノーリッジや住民参加の重要性について学ぶ。
7
授業計画/Class 豊かさの中の貧困:経済成長と共に富める者と貧しい者との差が開くのはなぜか。トマ・ピケティの不等式を紹介し、蓄積と搾取の政治経済構造について考える。
8
授業計画/Class 「持続可能な開発」を問う:SDGs(持続可能な開発目標)が注目される背景を理解し、なんの「持続性」なのかを問う。さらに、この社会が「持続的であること」の意義と矛盾について考える。
9
授業計画/Class 「環境問題」とは何か:環境は必ずしも持続的ではない。環境変化と環境問題の違いについて理解し、環境の動的構造としての「循環」について論じる。
10
授業計画/Class グローバルコモンズとしての環境:気候変動問題が地球生態系における炭素循環のかく乱であることを理解する。さらに、グローバルな「コモンズの悲劇」が国際社会における不均等な力関係と分かちがたく結びついていることを論じる。
11
授業計画/Class 二つの環境不正義:環境問題における不正義には空間的な不平等と時間的な不平等の二つのパターンがあることを理解する。
12
授業計画/Class 科学技術の政治経済学(1):「排除アート」やダム問題を事例に、科学技術や人工物が人々の排除と包摂を産む構造について考察する。
13
授業計画/Class 科学技術の政治経済学(2):ウルリッヒ・ベックのリスク社会論を紹介し、現在社会における「リスク」の不平等な配分とその背景となる政治経済行動について論じる。
14
授業計画/Class 核の平和、原子力の平和:核抑止の実態と核廃絶をめぐる議論の現在について学ぶ。さらに、原子力開発とそのリスクが核抑止を陳腐化してしまうことを論じる。
15
授業計画/Class 多文化共生から多元的共生へ:人が生きるうえで「分かり合うこと」はどの程度必要なのか。技能実習生や難民申請者をめぐる問題について学び、日本社会の「他者への向き合い方」について考える。
 
事前学習/Preparation 講義各回のテーマについて予め自分なりに調べてくること。
事後学習/Reviewing 授業中紹介する参考文献について図書館等で調べてみること。
授業方法/Method of instruction
区分/Type of Class 対面授業 / Classes in-person
実施形態/Class Method 通常型 / regular
補足事項/Supplementary notes対面での講義を想定しているが、新型コロナウィルスの感染状況によってはオンライン講義に切り替える。
活用される授業方法/Teaching methods used
成績評価方法/Evaluation
1 試験 Exam 85% リモート授業となった場合はレポートに切り替える。
2 平常点 In-class Points 15% 出席及びレスポンスシート
キーワード/Keywords
ポリティカル・エコロジー     格差社会     持続可能な開発     リスク社会     環境正義