講義内容詳細:科学・技術の視点(個別科目)

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年度/Academic Year 2022
授業科目名/Course Title (Japanese) 科学・技術の視点(個別科目)
英文科目名/Course Title (English) Perspective of Science and Technology (Independent Courses)
学期/Semester 後期 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 名倉 賢
英文氏名/Instructor (English) NAGURA Masaru

講義概要/Course description
 人工知能が再びブームを迎えている。明確なフレームがあり「正しい答え」が存在している場面では人間よりも人工知能のほうが早く正確な回答をだすようになるだろう。しかし、本来知性とは「答えのない対象に対しても、論理的に筋道だって考えて、問い続けることができる能力」をいうのではないだろうか。 
  本講義では、現代科学から得られる知見をもとにした「新たな視座」から対象を見る体験を提供する。具体的には、村上陽一郎「近代科学を超えて」を教科書として用い、地動説と天動説から現代宇宙論まで様々な視点からの科学に対する「哲学」を学習していく。その学習過程で、日常生活で染みついた常識的な思考のフレームワークを自ら見直し、受講者各自の「新たな視座」を獲得してほしい。
達成目標/Course objectives
・本講義で得る「新たな視座」を基に、地球温暖化対策の是非などの「正答のない」現在社会と科学技術の諸課題について論理的な考察が出来て、それを表現できるようになることが到達目標である。
・具体的な到達目標項目は、以下である。
①授業で課されるレポートなどに積極的に取り組みむことで、科学を知的好奇心の対象としても捉える態度を持つ
②科学理論と実験・観測データの関係性について基本的な問題に回答できる
③科学理論と広く一般社会で信奉されている常識や倫理との関係性について理解し、自分の言葉で説明・記述することができる
④地球温暖化などの科学と社会の両方の分野にまたがる課題について批判的かつ論理的な考察ができ、かつ、その考察内容を文章、口頭や資料で表現できる
履修条件(事前に履修しておくことが望ましい科目など)/Prerequisite
・科学・技術に対する知的好奇心を持っていること。
・必須ではないが、高校レベルの理科、特に物理や地学(天文分野)を学習していることが望ましい。
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class ガイダンス
・講義の概要を説明します。
※初回はオンライン授業(オンデマンド型)での実施となる
2
授業計画/Class 近代科学を超えて_はじめに
・科学の発展とデータ
・科学革命とパラダイム
3
授業計画/Class 科学は事実を離れて成立する①
・科学の発展は新しい新事実の発見によってもたらされるのか
・理論は事実に先立って存在するのか
4
授業計画/Class 科学は事実を離れて成立する②
・科学は経験に先立つ「何ものか」によって支えられている
・重力波
5
授業計画/Class 科学理論はどう変化するか.①
・理論とデータの整合性
・プトレマイオスとコペルニクス
6
授業計画/Class 科学理論はどう変化するか.②
・複数の理論とデータの整合性
・下位理論の採用が突破口になる(ケプラーの場合)
7
授業計画/Class 地球科学の基礎①
・地球の平衡温度とアルベド
・古気候
8
授業計画/Class 地球温暖化対策の是非①
・映画「不都合な真実」
・時間スケールを変える
・相関と因果関係
・要素還元主義とカオス系
・諸理論と価値判断
9
授業計画/Class 岐れた諸科学は再び集まる
・物理学が諸学問の基礎?
・要素還元主義
10
授業計画/Class 科学は価値と意味の世界を持つ①
・「無理強い」によって観測した事実
・前提としての基本法則
11
授業計画/Class 科学は価値と意味の世界を持つ②
・科学、哲学と神学
・科学理論には時代の価値観が介入する
12
授業計画/Class 新しい科学のパラダイムを求めて①
・人間の認識活動と科学
13
授業計画/Class 地球温暖化対策の是非②
・発表授業
14
授業計画/Class 授業全体を振り返って
・ 事実・データと理論
・ 科学の世界観と価値観
・ 新しいパラダイム
15
授業計画/Class 期末テスト(レジュメのみ持込可)
 
事前学習/Preparation ・指定テキストの予習など
事後学習/Reviewing ・受講レジュメの作成と提出
授業方法/Method of instruction
区分/Type of Class 対面授業 / Classes in-person
実施形態/Class Method ハイブリッド型ブレンド形式 / hybrid blend
補足事項/Supplementary notes・本講義では毎回レジュメを配布し、動画(スライド)により説明を加える。
・本講義は発表授業も含めて、対面またはオンライン授業(オンデマンド型またはリアルタイム型)での実施となる。
活用される授業方法/Teaching methods used
成績評価方法/Evaluation
1 試験 Exam 60% 期末テストによる評価
2 平常点 In-class Points 30% レジュメなどの毎回提出物及び授業中で発言回数など学習プロセスに対する評価
3 その他 Others 10% 発表授業での評価など
教科書/Textbooks
 著者名
Author
タイトル
Title
出版社
Publisher
1 村上陽一郎 近代科学を超えて 講談社学術文庫
参考書/Reference books
 著者名
Author
タイトル
Title
出版社
Publisher
コメント
Comments
 
1 村上陽一郎 新しい科学論 「事実」は理論をたおせるか ブルーバックス ・その他の参考書は講義中に随時紹介します。
メッセージ/Message
上記の講義計画は、履修生の専門性や理解度などに応じて変更することがある。