講義内容詳細:法学(日本国憲法を含む)A

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年度/Academic Year 2022
授業科目名/Course Title (Japanese) 法学(日本国憲法を含む)A
英文科目名/Course Title (English) Law (Japanese Constitution Contained) A
学期/Semester 前期 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 山本 和弘
英文氏名/Instructor (English) YAMAMOTO Kazuhiro

講義概要/Course description
前期では、日本国憲法に関する基本的な知識を満遍なく説明し、皆さんに日本国憲法の全体的なイメージをつかんで欲しいと思います。各種資格試験等の勉強を始めるにあたり、まずは一通り説明を受けた方が、今後の自習もスムーズに進むと考えたからです。
より「深くて濃い」話は、後期にしたいと思います。
達成目標/Course objectives
(1)法学・憲法学の基礎的な諸概念について、体系的・論理的に理解し、説明することができる。
(2)日常をとりまく法的・政治的問題について、感情論ではなく、冷静に自分自身の意見を持つことができる。
履修条件(事前に履修しておくことが望ましい科目など)/Prerequisite
履修条件は特にないが、後期の「法学(日本国憲法を含む)B」(山本)との併修が望ましい。
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class オリエンテーション:講義の進め方、講義内容の概略および評価方法の説明。加えて、憲法・法律に関する基礎知識を説明し、憲法と通常の法律との違いを理解することで、そもそも「憲法」とは何かを学ぶ。
※初回は、「オンライン授業(オンデマンド型)での実施」。
2
授業計画/Class 国民主権/象徴天皇制:憲法の基本原理である国民主権について学び、それと象徴としての天皇の地位との関係を学ぶ。加えて「そもそもなぜ天皇は天皇であり得るのか」について考える。
3
授業計画/Class 人権総論/幸福追求権:人権とは何か、なぜ保障されなければならないのか、そしてどのような場合に人権が制約されるのかを学び、自分自身が権利や自由の主体であることを自覚する。加えて、男女の平等、家族間の平等について、憲法ではどのように考えるのかを学ぶ。
4
授業計画/Class 思想・良心の自由/信教の自由:思想や信仰がなぜ憲法によって保障されるのか、どこまで保障されるのかについて具体的事件を素材として学ぶ。日の丸・君が代問題を、憲法に即してあなたならどう考えるか?
5
授業計画/Class 政教分離:国家と宗教とはどのような関係にあるのか、なぜ国家と宗教との関係を、わざわざ憲法で規定するのかについて、その歴史的背景を踏まえ、具体的事件を通じて理解する。加えて、「宗教と政治」の問題について考える。
6
授業計画/Class 表現の自由:表現の自由とは何か、なぜ保障されるのかを学ぶ。加えて、「SNS、表現の自由、プライバシー」、「猥褻と表現の自由」について考える。
7
授業計画/Class 人身の自由:なぜ私たちは突然不当に逮捕されないのか?奴隷のように酷使されないのか?憲法に規定された人身の自由の内容とその基本原則について学ぶ。加えて死刑制度について考える。
8
授業計画/Class 経済的自由:私たちが豊かに、そして自分らしく生きるための権利・自由について学ぶ。加えて、経済的自由が制約される場合とその根拠を理解する。
9
授業計画/Class 社会権(生存権/労働権/教育権):「人らしく生きる」とはどういういことか?貧困、ブラックバイト、教育費の問題を、憲法に照らして学び、感情論ではなく法的な根拠に基づいて理解する。
10
授業計画/Class 憲法9条と平和主義:過去から現代に至る憲法9条と平和主義に関する議論を概観し、いわゆる平和安全法制などの現代的問題の本質を、憲法に照らして冷静な思考で理解する。
11
授業計画/Class 憲法の変更:憲法を「変更(改正)する」とはどういうことか、法律の改正とはどう異なるのか、改正に限界はあるかどうかを理解する。加えて現在の改憲論について冷静に考える。
12
授業計画/Class 参政権/国会:私たちの「代表」である国会の憲法上の位置づけについて学ぶ。そして選挙を通じて「代表」を国会へ送り込む仕組みを理解する。
13
授業計画/Class 内閣:内閣の憲法上の位置づけおよびその権限について学ぶ。
14
授業計画/Class 裁判所:憲法における裁判所の機能、特に違憲審査制について学ぶ。国民の代表者が作った法律が、なぜ裁判所によって無効とされるのだろうか?
15
授業計画/Class まとめ:国家・社会生活において、憲法と私たちはどのような関係にあるのかを総括する。
 
事前学習/Preparation 事前にレジメに目を通し、話の流れを把握する。加えて、当該テーマについて、自身の問題意識を用意しておく。
事後学習/Reviewing レジメ・文献に基づき講義内容を振り返る。特に、自分の問題意識を、講義を通じて解消することができたかどうかを自分に問うてみて欲しい。
授業方法/Method of instruction
区分/Type of Class 対面授業 / Classes in-person
実施形態/Class Method 通常型 / regular
活用される授業方法/Teaching methods used
成績評価方法/Evaluation
1 試験 Exam 100% 原則として筆記による論述試験を実施します。
ただし、不規則に、任意の課題を出し、成績に加味することがあります。
課題(試験やレポート等)に対するフィードバックの方法/Feedback methods for assignments (exams, reports, etc.)
本学のeラーニングプラットホームにて行います。
教科書/Textbooks
 コメント
Comments
1 必要に応じて授業内でアナウンスします。
参考書/Reference books
 著者名
Author
タイトル
Title
出版社
Publisher
出版年
Published year
ISBNコメント
Comments
 
1 池田真朗 [ほか] 編集代表 法学六法 '22 信山社 2021 9784797257526 授業において必須ではありませんが、一冊持っておくと便利だと思います。
メッセージ/Message
学問的には、憲法だけでなく、政治の話題や時事問題などに興味のあるすべての人の受講を歓迎します。
実践的には、教職、行政書士や公務員試験などの各種資格試験を受ける人や、就活などで政治経済について知りたいけれど何から勉強したらいいのか分からない人の受講を勧めます。
その他/Others
授業中の私語は、注意の対象となる。
改善されない場合には、退室してもらうこともある。
ただし、授業に関する積極的な発言は歓迎する。
キーワード/Keywords
法学     日本国憲法     人権