講義内容詳細:西洋美術史Ⅰ/西洋美術史

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年度/Academic Year 2022
授業科目名/Course Title (Japanese) 西洋美術史Ⅰ/西洋美術史
英文科目名/Course Title (English) History of Western Arts Ⅰ/History of Western Arts
学期/Semester 前期/通年 単位/Credits 2/4
教員名/Instructor (Japanese) 阿部 真弓
英文氏名/Instructor (English) ABE Mayumi

講義概要/Course description
19世紀の西洋美術を、「文学と美術の接点」「古典と現代の邂逅」「異文化の創造的受容」を主な視点として講じます。

「西洋美術史Ⅰ」では、19世紀の西洋絵画史を主として、彫刻、装飾芸術、写真を含めた視覚芸術を対象とし、個別の芸術家や文学者、潮流、作品に焦点を当ててクロノロジックにたどりながら、その日本を含めた世界における展開や創造的受容の諸例を取り上げます。代表的作品、および上述のテーマにおいて特に興味深い作品について、主題や技法、様式、歴史、宗教、社会、技術、心理的背景など多様なコンテクストにおいて、分析をおこないます。
また、作品に関連する同時代の文学作品や批評、造形作家による著述、美術史・芸術学・イメージ論の論考等を読み、美術作品をめぐる方法論の多様性に触れます。

 画家や彫刻家、詩人や小説家たちは、どのように世界をまなざし、太古の時、歴史的過去、同時代の日常までを描き、象ってきたのか。どのように古典をいとおしみ、今日をみつめていたのか。西洋を中心とする視点からの歴史叙述が再検討される現在、視覚芸術における異国憧憬、異文化接触、様式の伝播や国際的同時代性の諸例を考察することを通して、美術の歴史もまた新たな世界的視野を得ていくことが期待されます。



達成目標/Course objectives
・西洋近現代の美術作品とその多様な文学・歴史・文化的背景について理解を深め、作品とその時代をより多面的に考察する力を養う。
・文学と美術の相互的な影響関係(interrelationship)の歴史を学ぶとともに、同時代の詩人と芸術家との出会い、文学者と造形美術の創造的対峙、時代を超えたインスピレーション等のなかから生まれた、作品やイデーを掘り下げて分析することを通じて、言語芸術と視覚芸術の「親和力」を具体的に把握する。
・批評、文学作品、作品解説など、美術作品に関するさまざまな記述の方法に接し、またみずから鑑賞レポートを書くことを通して、文章の表現力を高める。
履修条件(事前に履修しておくことが望ましい科目など)/Prerequisite
・講義中に紹介する展覧会を観る、参考文献を読むなど、作品鑑賞および事前・事後学習を自発的かつ積極的におこなうことが望ましい。
・「西洋美術史Ⅰ」(前期)「西洋美術史Ⅱ」(後期)は、半期完結科目です。前期または後期のみの履修も可能です。ただし、2016年度以前の入学生:通年科目としても履修可能です。
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class オンライン授業(オンデマンド)
イントロダクション――西洋美術と文学におけるミメーシス
2
授業計画/Class 新古典主義――近代美術史学の誕生と芸術家たちのイタリア

3
授業計画/Class ロマン主義とオリエンタリズム
4
授業計画/Class 写実主義――ギュスターヴ・クールベと「現実的寓意」
5
授業計画/Class エドゥアール・マネ――「現代性」と古典絵画の伝統
6
授業計画/Class 絵画と写真
7
授業計画/Class クロード・モネと印象派の画家たち
8
授業計画/Class 新印象派のユートピア
9
授業計画/Class ポール・セザンヌとエミール・ゾラの友情
10
授業計画/Class ゴッホとゴーギャン:夢の異国と書簡文学
11
授業計画/Class 象徴主義と「万物照応」の美学
12
授業計画/Class 芸術と生活ーー19世紀後半から20世紀初頭における装飾芸術
13
授業計画/Class オーギュスト・ロダン、創作の糧――『神曲』から日本の工芸まで
14
授業計画/Class 世紀末芸術と建築
15
授業計画/Class まとめ 方法論の歴史と多様性
より深めるための鑑賞と文献・映像案内

 
事前学習/Preparation 授業資料・参考資料を精読すること。
事後学習/Reviewing 講義中に紹介した参考図書の読書、展覧会鑑賞など。詳細は講義中に解説します。
授業方法/Method of instruction
区分/Type of Class 対面授業 / Classes in-person
実施形態/Class Method 通常型 / regular
補足事項/Supplementary notes


活用される授業方法/Teaching methods used
成績評価方法/Evaluation
1 平常点 In-class Points 30%
2 レポート Report 70%
教科書/Textbooks
 コメント
Comments
1 教科書なし。初回に推薦する基本図書について詳説します。
参考書/Reference books
 著者名
Author
タイトル
Title
出版社
Publisher
ISBNコメント
Comments
 
1 高階秀爾・三浦篤 西洋美術史ハンドブック 新書館 4403250246 講義中、テーマ毎に紹介します。
メッセージ/Message
本講義が、履修者のみなさんにとり、近現代美術鑑賞の魅力をあらたな観点から発見する機会となることを願います。
その他/Others
・パワーポイントを用いたスライドショー形式の講義を行います。
・教科書は用いません。毎回、授業資料・参考資料をコースパワーより配布します。
・各回の質問等はコースパワーより提出してもらい、毎回の授業でフォローします。
キーワード/Keywords
文学と美術     異文化受容     絵画     彫刻     装飾芸術     文化的多様性     美術史とデジタル・ヒューマニティーズ