講義概要/Course description
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ポストコロニアル研究の基本的な知識や考え方を学び、英語圏のポストコロニアル作家について論じることで、今日の社会や文化を批判的に見る視座を養います。ポストコロニアル研究とは、(旧)植民地が抱える文化的・社会的・経済的問題を批判的に考える一連の思考を指します。現代世界は「グローバル」や「グローバリゼーション」という言葉でしばしば雑駁に語られますが、すこし歴史を振り返れば、帝国主義の拡大、カリブ・アフリカ・インドといった地域の植民地化、そして独立を目指す脱植民地化の運動がありました。いずれも世界規模で進展したこうした動きは、必然的に今日われわれが生きる世界の土台・背景を成しています。各地域で独立が果たされて久しい現在においても、ポストコロニアル研究の知見は世界を考える上で重要であり続けています。この授業では、ポストコロニアル研究の基礎知識を得た上で、植民地をめぐる問題がいかに残存し、かつ変容しているかを探求します。
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達成目標/Course objectives
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・ポストコロニアル研究の考え方について、基本的な知識を得る ・植民地の視座から、しばしば一面的に捉えられている「グローバル」な社会を批判的に考えられるようになる
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履修条件(事前に履修しておくことが望ましい科目など)/Prerequisite
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特別な履修条件はありませんが、抽象的・理論的な話が多く出てくるので、そうした議論に抵抗がすくないことが望ましいです。自分がぼんやり持っている世界の見方を突き崩されることに知的興奮を覚える人だとなお良いと思います。
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授業計画/Lecture plan
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1
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授業計画/Class |
イントロダクション——グローバル???【オンライン(オンデマンド型)】
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2
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3
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授業計画/Class |
エメ・セゼールとネグリチュード |
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4
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授業計画/Class |
フランツ・ファノン『黒い皮膚・白い仮面』——レイシズムの視線にとらえられること |
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5
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授業計画/Class |
フランツ・ファノン『地に呪われたる者』——脱植民地革命と国民意識 |
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6
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授業計画/Class |
エドワード・サイード『オリエンタリズム』の衝撃——「他者」を語ること、言説 |
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7
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授業計画/Class |
『オリエンタリズム』②——心象地理、テクスト、『エジプト誌』 |
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8
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授業計画/Class |
ナショナリズムという難問——フィヒテとルナン |
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9
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10
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11
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授業計画/Class |
ポストコロニアル批評の実践 ① |
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12
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授業計画/Class |
ポストコロニアル批評の実践 ② |
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13
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授業計画/Class |
ポストコロニアル批評の実践③——宮澤賢治論 |
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14
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15
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事前学習/Preparation |
講義内容について知っていることを思い返しておく |
事後学習/Reviewing |
興味をもった文献を読む |
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授業方法/Method of instruction
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区分/Type of Class |
対面授業 / Classes in-person
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実施形態/Class Method |
通常型 / regular
補足事項/Supplementary notes対面授業(通常型)で実施します。授業資料(プリント)をやPowerPointを使った講義形式で行います。授業で学んだ知識を試すクイズを不定期で課します。
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活用される授業方法/Teaching methods used |
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成績評価方法/Evaluation
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1 |
平常点 In-class Points
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30%
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学期中に不定期で課すクイズやコメントシートによって理解度を図る
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2 |
試験 Exam
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70%
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学期末の試験期間中に筆記試験を課す(持ち込み不可)
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メッセージ/Message
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おそらく多くの人にとって馴染みのない場所や社会の考えたこともない問題を講じることになりますので、固定観念に縛られない、柔軟な気持ちで受講に臨んでください。
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その他/Others
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毎回出席を取る。4回以上欠席すると成績評価の対象から外れる。遅れて教室に入ってきた者の受講は認めない。
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キーワード/Keywords
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ポストコロニアル
第三世界
グローバル
植民地
ファノン
サイード
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