講義内容詳細:グローバル文学理論Ⅱ/グローバル文学理論

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年度/Academic Year 2022
授業科目名/Course Title (Japanese) グローバル文学理論Ⅱ/グローバル文学理論
英文科目名/Course Title (English) Introduction to Global Literary Theory Ⅱ/Introduction to Global Literary Theory
学期/Semester 後期/通年 単位/Credits 2/4
教員名/Instructor (Japanese) 橋本 智弘
英文氏名/Instructor (English) HASHIMOTO Tomohiro

講義概要/Course description
ポストコロニアル研究の基本的な知識や考え方を学び、英語圏のポストコロニアル作家について論じることで、今日の社会や文化を批判的に見る視座を養います。ポストコロニアル研究とは、(旧)植民地が抱える文化的・社会的・経済的問題を批判的に考える一連の思考を指します。現代世界は「グローバル」や「グローバリゼーション」という言葉でしばしば雑駁に語られますが、すこし歴史を振り返れば、帝国主義の拡大、カリブ・アフリカ・インドといった地域の植民地化、そして独立を目指す脱植民地化の運動がありました。いずれも世界規模で進展したこうした動きは、必然的に今日われわれが生きる世界の土台・背景を成しています。各地域で独立が果たされて久しい現在においても、ポストコロニアル研究の知見は世界を考える上で重要であり続けています。この授業では、ポストコロニアル研究の基礎知識を得た上で、植民地をめぐる問題がいかに残存し、かつ変容しているかを探求します。後期ではとくに、1990年代以後のポストコロニアル研究の新たな展開や隣接分野との関係を講じます。
達成目標/Course objectives
・ポストコロニアル研究の考え方について、基本的な知識を得る
・植民地の視座から、しばしば一面的に捉えられている「グローバル」な社会を批判的に考えられるようになる
履修条件(事前に履修しておくことが望ましい科目など)/Prerequisite
特別な履修条件はありませんが、抽象的・理論的な話が多く出てくるので、そうした議論に抵抗がすくないことが望ましいです。自分がぼんやり持っている世界の見方を突き崩されることに知的興奮を覚える人だとなお良いと思います。
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class イントロダクション【オンライン(オンデマンド型)】
2
授業計画/Class アフリカ、植民地主義、探検
3
授業計画/Class Chinua Achebe, Things Fall Apart 『崩れゆく絆』(1958)を読んでみる
4
授業計画/Class インドと英文学
5
授業計画/Class ゲストスピーカーによる講義
6
授業計画/Class Salman Rushdie とインド——『真夜中の子供たち』(1981)
7
授業計画/Class カリブの征服——発見され再生産される「野蛮」
8
授業計画/Class 植物と庭園、新世界の征服、Kew Gardens
9
授業計画/Class 番外編——批評文を書いてみる、ミニレポート課題
10
授業計画/Class クレオール文学について
11
授業計画/Class 世界文学論 ①——ゲーテ、マルクス=エンゲルス、アウエルバッハ
12
授業計画/Class 世界文学論 ②——ダムロッシュ、モレッティ、チャー
13
授業計画/Class ポストコロニアル・エコクリティシズム——「人新世」の到来
14
授業計画/Class ポストコロニアル・エコクリティシズム②——気候を文学の主題とすること
15
授業計画/Class 後期のまとめ
 
事前学習/Preparation 講義内容について知っていることを思い出しておく
事後学習/Reviewing 興味をもったことについて本を読む
授業方法/Method of instruction
区分/Type of Class 対面授業 / Classes in-person
実施形態/Class Method 通常型 / regular
補足事項/Supplementary notes対面授業(通常型)で実施します。授業資料(プリント)をやPowerPointを使った講義形式で行います。授業で学んだ知識を試すクイズを不定期で課します。
活用される授業方法/Teaching methods used
成績評価方法/Evaluation
1 平常点 In-class Points 30% 学期中のコメントシートによって理解度を図る
2 その他 Others 20% 学期中にミニレポートを課す
3 レポート Report 50% 学期末に期末レポートを課す
メッセージ/Message
おそらく多くの人にとって馴染みのない場所や社会の考えたこともない問題を講じることになりますので、固定観念に縛られない、柔軟な気持ちで受講に臨んでください。
その他/Others
毎回出席を取る。4回以上欠席した者は成績評価の対象から外れる。遅れて教室に入ってきた者の受講は認めない。
キーワード/Keywords
ポストコロニアル     第三世界     グローバル     植民地     サイード     ナオミ・クライン     世界文学     環境