講義内容詳細:アメリカ事情Ⅰ/アメリカ事情

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年度/Academic Year 2022
授業科目名/Course Title (Japanese) アメリカ事情Ⅰ/アメリカ事情
英文科目名/Course Title (English) American Thoughts and Cultures Ⅰ/American Thoughts and Cultures
学期/Semester 前期/通年 単位/Credits 2/4
教員名/Instructor (Japanese) 西本 あづさ
英文氏名/Instructor (English) NISHIMOTO Azusa

講義概要/Course description
多民族国家アメリカの葛藤──その過去、現在、未来

 「アメリカ事情Ⅰ」では、大航海時代の欧州列強の北米大陸進出から、18世紀後半の13植民地のイギリスからの独立、19世紀前半の領土拡大、そして国家を二分する危機であった南北戦争(1861-65)までのアメリカ合衆国の歴史とその過程で生まれた価値観や文化を、ヨーロッパから北米大陸へ渡った人々と、先住民族、そしてアフリカから奴隷船で運ばれた人々の三者の関係を軸に辿っていきます。
 アメリカ合衆国は、建国時に「全ての人は平等に造られ」「生命、自由、幸福の追求」という「不可譲の権利」を付与されていると宣言し、世界が仰ぎ見る理想の共同体建設を目指しました。他方、先住民族との土地をめぐる争いと黒人奴隷の労働力への依存の過程で、「人種」という装置によって異なる外見や文化を持つ人々が「他者」と規定され、差別と排除が制度化されました。この授業では、「多様の中の統一」を掲げつつ矛盾を孕んで葛藤してきた多民族国家について学びながら、異なる歴史的・文化的背景を持つ者同士が共存する際の相互理解やコミュニケーションの困難さとそれを乗り越える努力について考え、現在のグローバル化した世界で起こっている様々な問題について理解を深める手がかりを探ります。
達成目標/Course objectives
アメリカ合衆国の歴史と文化について知識を身につけるとともに、「多様の中の統一」を目指しつつ葛藤してきた世界最大の多民族国家アメリカの例を参照することを通じて、グローバル化の時代に求められる異文化理解や異文化コミュニケーションの重要性とその実践に伴う諸問題を理解し、国際人としての視点を養う。



授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class イントロダクション──多民族国家アメリカの光と影
2
授業計画/Class 欧州各国の「新大陸」進出とアメリカ先住民との出会い
3
授業計画/Class イギリス植民地建設と建国神話
4
授業計画/Class 大西洋奴隷貿易と人種奴隷制度の成立
5
授業計画/Class 独立宣言の理想とアメリカの矛盾
6
授業計画/Class ジェファソン大統領の葛藤
7
授業計画/Class 奴隷制度とは?──フレデリック・ダグラスの奴隷体験記から
8
授業計画/Class ジャクソン大統領とインディアン強制移住法
9
授業計画/Class 「明白な運命」とメキシコ戦争、ソローの「市民の不服従」
10
授業計画/Class 領土問題と奴隷制度──南北の対立
11
授業計画/Class アボリショニズムと地下鉄道
12
授業計画/Class 海外からのゲストスピーカーによるレクチャーとディスカッション
13
授業計画/Class 南北戦争への道──緊迫する1850年代とリンカーン大統領の誕生
14
授業計画/Class 南北戦争と奴隷解放宣言
15
授業計画/Class 前期のまとめ──ゲティスバーグ演説と理想の国家建設の行方
 
事前学習/Preparation 第1回はシラバスに目を通しておく。
第2回以降は、前回の授業の資料とノートに目を通してくる。
事後学習/Reviewing 本日の授業内容を復習し理解を深める。
疑問点があれば、次回の授業時、またはCourse Powerを通して質問する。
リアクション・ペーパーを作成しCourse Power上で提出する。
授業方法/Method of instruction
区分/Type of Class 対面授業 / Classes in-person
実施形態/Class Method 通常型 / regular
補足事項/Supplementary notes初回授業はオンライン授業(オンデマンド型)で行います。
2回目以降は、対面授業(通常型)で行いますが、学期中、何度かオンライン(リアルタイム型)授業を用いる可能性があります。その場合には、教室内およびCourse Powerを通じて予め受講生に周知します。
第2回以降の授業では、事後学習として毎週Course Power でのリアクション・ペーパーの提出を課します。第3回目以降の授業では、毎週オンラインで前週の授業内容についての復習小テストを課します。小テストには外国語ラボラトリーで導入しているGlexaのシステムを使う予定です。詳細は1回のオリエンテーションで説明しますので、必ず確認してください。
活用される授業方法/Teaching methods used
成績評価方法/Evaluation
1 試験 Exam 50% 前期の授業内容全体を範囲として定期試験期間に60分で持ち込み不可の期末試験を行う
通年科目の履修者の成績評価方法では25%とする
2 平常点 In-class Points 50% 以下により総合的に判断する。
1.毎週オンラインで課す復習小テストの結果
2.毎週事後学習としてオンラインで提出を課すリアクションペーパーの内容
3.その他、随時課す課題
通年科目の履修者の成績評価方法では25%とする
教科書/Textbooks
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1 教室でプリント教材を配布する
参考書/Reference books
 著者名
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タイトル
Title
出版社
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1 猿谷要 『物語 アメリカの歴史』 中公新書
2 ロナルド・タカキ 『多文化社会アメリカの歴史』 明石書店
3 野村達朗 『「民族」で読むアメリカ』 講談社現代新書
4 本田創造 『アメリカ黒人の歴史』 岩波新書
5 W.T.ヘーガン 『アメリカ・インディアン史』 北海道大学図書刊行会
6 鈴木透 『実験国家アメリカの履歴書』 慶應義塾大学出版会
7 笹田直人・堀真理子・外岡尚美 『概説 アメリカ文化史』 ミネルヴァ書房
8 その他、教室で適宜紹介します
その他/Others
海外からのゲストスピーカーのレクチャーは、暫定的に第12回授業に設定してありますが、ゲストの都合によって他の回に変更になる可能性があります。また、コロナ禍の状況に応じて、海外からではなく国内のゲストスピーカーによるレクチャーなど実施可能な内容に変更する場合があります。