講義内容詳細:日本文学講読Ⅰ[3]

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年度/Academic Year 2022
授業科目名/Course Title (Japanese) 日本文学講読Ⅰ[3]
英文科目名/Course Title (English) Reading of Japanese Literary Works Ⅰ [3]
学期/Semester 前期 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 帆苅 基生
英文氏名/Instructor (English) HOGARI Motoo

講義概要/Course description
この授業では、「芥川賞から見る戦後日本文学史」と題し、戦後から現在までの文学やその周辺の状況を芥川賞を切り口に見ていきます。出版不況と言われる中で、現在でも芥川賞・直木賞は社会的トピックスとして様々なメディアで報じられています。
しかし芥川賞創設時からこれほどまでに大きく取り上げられていた訳ではありません。現在のように大きく取り上げられるようになった背景には、戦後の社会情勢の変化やメディア拡大というものが大きく関わっていることがうかがえます。
そこでこの授業では芥川賞受賞作・候補作・選評を足がかりにして、そこから同時代の文学(文壇)状況や社会状況を考察し、文学と社会の関わりについて考えていきます。
芥川賞という出来事とそれに関わる作品を同時代の文化的・学術的コンテクストに基づいて分析することを通して、戦後から現在に至る日本の現代文学、文化について理解を深めていきたいと思います。
達成目標/Course objectives
芥川賞受賞作・候補作それぞれの特徴を同時代の諸現象に絡めて具体的に論じられるようになる。戦後から現在にいたる日本の学術的・文化的コンテクストの理解を深め、日本現代文学史を多角的・俯瞰的に見られるようになる。
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class ガイダンスとオリエンテーション。「初回のみオンライン授業(オンデマンド)」
2
授業計画/Class 純文学と大衆文学―芥川賞のはじまり
3
授業計画/Class 1940年~50年代①―戦後派の受賞 安部公房「壁」・堀田善衛「広場の孤独」
4
授業計画/Class 1940年代~50年代②―松本清張『或る「小倉日記」伝」の受賞とその後の転換
5
授業計画/Class 1940年代~50年代③―戦後青年の登場 石原慎太郎「太陽の季節」・大江健三郎「飼育」を中心に
6
授業計画/Class 1960年代~70年代①―女性作家と芥川賞 河野多恵子「蟹」・田辺聖子「感傷旅行」を中心に
7
授業計画/Class 1960年代~70年代②―内向の世代の登場 古井由吉「杳子」を中心に
8
授業計画/Class 1960年代~70年代③―戦中の回想 林京子「祭りの場」・岡松和夫「志賀島」
9
授業計画/Class 1980年代~90年代①―戦後生まれの受賞 中上健次「岬」・村上龍「限りなく透明に近いブルー」
10
授業計画/Class 1980年代~90年代②―〈受賞作なし〉多発時代・李良枝「由熙」を中心に
11
授業計画/Class 1980年代~90年代③―現在最前線で活躍している作家たちが登場してきた時代(笙野頼子・川上弘美・平野啓一郎等)
12
授業計画/Class 90年代末~現在①―目取真俊「水滴」・藤野千夜「夏の約束」を中心に
13
授業計画/Class 2000年代~現在②―津村記久子「ポトスライムの舟」・村田沙耶香「コンビニ人間」        
14
授業計画/Class 2000年代~現在③―又吉直樹「火花」・宇佐見りん「推し、燃ゆ」を中心に
15
授業計画/Class まとめ        
 
事前学習/Preparation 配布された(CoursePowerにアップされた)テクストを読んでくること
事後学習/Reviewing 授業資料等を読み直すこと。
授業方法/Method of instruction
区分/Type of Class 対面授業 / Classes in-person
実施形態/Class Method 通常型 / regular
活用される授業方法/Teaching methods used
成績評価方法/Evaluation
1 平常点 In-class Points 60% 毎回の授業でのコメントシート
小課題(配布した資料に関するもの)等

2 レポート Report 40% 期末レポート
メッセージ/Message
毎回プリントを配布します。小説本文・資料等はCoursePowerにアップします。この授業では受賞作を始め数多くのものを読んでもらう予定でいます。

キーワード/Keywords
日本文学     近代文学     現代文学     芥川賞     戦後