講義内容詳細:文学研究法Ⅰ

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年度/Academic Year 2022
授業科目名/Course Title (Japanese) 文学研究法Ⅰ
英文科目名/Course Title (English) Seminar in Methods for Studying Japanese Literature Ⅰ
学期/Semester 前期 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 小松 靖彦
英文氏名/Instructor (English) KOMATSU Yasuhiko

講義概要/Course description
日本文学研究の基礎を学ぶ
 日本文学科では、日本文学・日本語学を通じて学んだものを、論文という形で〈表現〉します。その出発点が「文学研究法」で、到達点が卒業論文です。
 この「文学研究法Ⅰ」では、日本文学研究の基礎を学びます。日本文学・日本語の研究とは何か、その研究方法とはどのようなものかを講義し、論文で〈表現〉するために基礎作りをします。そのために、以下の6つのポイントを設定します。
 ⑴〈本文〉とは何か【文学作品の〈本文〉は生き物である】
 ⑵ 書物の姿・文字の姿【「姿」も文学作品である】
 ⑶ 文学作品の分析【詩歌・小説・物語・説話を分析する】
 ⑷ 先行研究の利用【先行研究とどう向き合うか】
 ⑸ 用例の収集と分析【ことば一つ一つにこだわる】
 ⑹ 時代背景【時代の中に作品を置き直してみると見えてくるもの】
達成目標/Course objectives
1.日本文学科における学びとは何かを考える。
2.日本文学・日本語の基本的研究法を身に付ける。
3.日本文学・日本語について、自分自身の考えを持てるようになる。
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class イントロダクション【オンライン授業(オンデマンド型)での実施】
事前学習/Preparation 自分が日本文学科で何を学びたいかと明確にしておく。
事後学習/Reviewing 受講の目標を明確にする。
2
授業計画/Class 日本文学科で何を学ぶのか
事前学習/Preparation 4年間の日本文学科での学びをイメージする。
事後学習/Reviewing 今まで読んだことのある文学作品についての疑問点を挙げ、その解答を導き出す方法を考える。
3
授業計画/Class 日本文学・日本語研究の特徴を考えよう
事前学習/Preparation 課題の文章に目を通し、興味を覚えた点と疑問点をまとめておく。
事後学習/Reviewing 資料教材に挙げた詩について、自分自身で気づいたことをまとめる。
4
授業計画/Class 作品の〈本文〉を集めて比較しよう
事前学習/Preparation 〈本文〉についての情報を集める。
事後学習/Reviewing 同じ作品の〈本文〉の違いを説明する。また、同じ作品でありながら〈本文〉の異なる作品を探す。
5
授業計画/Class かたちにこだわってみよう(1):「書物」の姿
事前学習/Preparation 「書物」についての情報を集めておく。
事後学習/Reviewing 変体仮名で書かれた和歌を翻字する。また、和歌の書の姿を分析する。
6
授業計画/Class かたちにこだわってみよう(2):変体仮名で書かれた和歌を味わう(『継色紙』)
事前学習/Preparation 変体仮名についての情報を得ておく。
事後学習/Reviewing 変体仮名で書かれた和歌を翻字する。また、散書(ちらしがき)を分析する。
7
授業計画/Class 詩歌を分析してみよう(1):近代詩
事前学習/Preparation 関心のある作品・資料について情報を得ておく。
事後学習/Reviewing 自分の好きな近現代詩を分析する。
8
授業計画/Class 授業前半のまとめと後半に向けての展望
事前学習/Preparation 授業前半の資料教材を読み直し、自分自身の研究課題をまとめる。
事後学習/Reviewing 教材を読み直し、学んだことを整理する。
9
授業計画/Class 詩歌を分析してみよう(2):古典詩歌
事前学習/Preparation 関心のある作品・資料についての情報を得ておく。
事後学習/Reviewing 自分の好きな古典詩歌を分析する。
10
授業計画/Class 小説を分析してみよう
事前学習/Preparation 関心のある作品・資料について情報を得ておく。
事後学習/Reviewing 授業で取り上げた小説について、自分自身で気づいたことをまとめる。
11
授業計画/Class 物語・説話を分析してみよう
事前学習/Preparation 関心のある作品・資料について情報を得ておく。
事後学習/Reviewing 授業で取り上げた物語・説話について、自分自身で気づいたことをまとめる。
12
授業計画/Class 辞書を使おう/用例を調べてみよう
事前学習/Preparation 辞書を使うこと・用例を調べることの意義を考える。
事後学習/Reviewing リストの中からことばを1つ選び、辞書で意味を調べるとともに、用例をピックアップし、分類する。
13
授業計画/Class 先行研究を集めてみよう
事前学習/Preparation 先行研究を調べてみたいテーマを明確にしておく。
事後学習/Reviewing 自分が関心のある作品・作家・ことばを1つ選び、それに関する先行文献の情報を、データベースを使って収集する。
14
授業計画/Class 時代背景を調べてみよう
事前学習/Preparation 自分が関心のある作品・資料の時代背景を知るための資料を探す。
事後学習/Reviewing 指定された作品から1つを選び、指定された資料を調査し、その作品の時代背景を調べる。
15
授業計画/Class まとめと後期に向けて
事前学習/Preparation これまでの授業の中で疑問に思ったことをまとめておく。
事後学習/Reviewing 第1回の課題回答に記した受講目標が達成されたか、自己評価する。
授業方法/Method of instruction
区分/Type of Class 対面授業 / Classes in-person
実施形態/Class Method ハイブリッド型ハイフレックス形式 / hybrid high flex
補足事項/Supplementary notes 
活用される授業方法/Teaching methods used
成績評価方法/Evaluation
1 試験 Exam 40% 学期末にレポートを提出。基本的研究法が身付いているかどうかを評価の基準とします。
2 レポート Report 30% 毎回の授業の課題。
3 平常点 In-class Points 30%
課題(試験やレポート等)に対するフィードバックの方法/Feedback methods for assignments (exams, reports, etc.)
毎回の課題回答からピックアップしてまとめ、質問への回答、TAのアドバイス、担当教員のコメントを記した資料教材をコースパワーにアップする。
教科書/Textbooks
 著者名
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タイトル
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出版社
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出版年
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ISBN価格
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1 伊地知鐵男編 仮名変体集(増補改訂) 新典社 1966 9784787904102 385 「かたちにこだわってみよう」の回(第5回・第6回)で使います。必ず手元に置いてください。
メッセージ/Message
授業は、教材(PDF)をプリントアウトして書き込んでゆくか、または授業用ノートを作って学んでください。その他に、自分自身の研究のための小型ノートも準備してください(A5判〈6号〉推奨)。この小型ノートが自分の研究の基本を作ってくれます。
キーワード/Keywords
日本文学