講義内容詳細:中国文学・思想演習Ⅰ

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年度/Academic Year 2022
授業科目名/Course Title (Japanese) 中国文学・思想演習Ⅰ
英文科目名/Course Title (English) Seminar in Chinese Literature and Thought Ⅰ
学期/Semester 前期 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 髙田 宗平
英文氏名/Instructor (English) TAKADA Sohei

講義概要/Course description
 書誌学とは、bibliographyの訳語で、書籍の原本を以て実見調査し、形態や本文などのミクロ的な点、書籍の流通や蔵書家の蔵書の特徴などのマクロ的な点を解明し、書籍の成立と伝来を跡付けて、広義の歴史文化に位置付けることが目的です。我々の先人達の知的営為の多くは、書籍の形で伝わっており、書籍から知ることができます。しかし、書籍は記された内容のみでできているわけではありません。書籍は、筆で書かれたもの(写本・鈔本)と印刷されたもの(版本・刊本)があり、装訂も様々です。長い時代を経て、装訂が改められたり、本文にも手が加えられたり、形態も本文も変化する場合があります。このような書籍をめぐる諸現象を知ることは、古典を基に研究する上で、一つの手がかりとなります。また、中国文学、中国哲学・思想などの中国古典学を研究する上で、どの写本・刊本を底本(ていほん、そこほん)に選定するかは、研究の基盤となる重要なことです。底本を選ぶ際、書誌学は重要な知識となります。本授業では、書籍を「モノ」として捉え、主に漢籍を対象とし、原本調査に基づく書誌著録する上で前提となる、書誌学の知識の習得を目的としています。随時、受講生の皆さんに実際に古典籍の現物や複製を手に取って、自らの目で見て、手で触れてもらい、コメントを求めます。更に受講生の皆さんに担当の書籍を割り振り、書誌調査と著録を実践してもらい、レジュメを作成し、調査内容を発表し、議論してもらいます。
達成目標/Course objectives
1.書誌学の目的がわかる。
2.書籍(古典籍)を「モノ」として捉える意味がわかる。
3.書籍の形態、書籍の用語などの書誌学の知識の習得。
4.原本調査を行う上の心構えがわかる。
5.調査法を知り、調書を著録することができる。
6.書籍(古典籍)を文化財、人類の遺産として見ることができる。
履修条件(事前に履修しておくことが望ましい科目など)/Prerequisite
 書籍、特に漢籍(漢文で書かれた古典籍)に関心があること。江戸時代末期以前の古典籍(古い書籍。虫食いの痕などがあります)に触れることに抵抗がないこと。「モノ」としての書籍に関心があることが望ましい。
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class ガイダンス、書誌学とは
【初回はオンライン授業(オンデマンド型)】
事前学習/Preparation シラバスを読んでおいてください。
事後学習/Reviewing 授業の復習(テキストを読み直し、授業内容を確認しておく)
2
授業計画/Class 書誌学とその近接分野
事前学習/Preparation 授業の予習(テキストを読み、用語の意味を調べておく)
事後学習/Reviewing 授業の復習(テキストを読み直し、授業内容を確認しておく)
3
授業計画/Class 紙の書籍前史―出土文物―
事前学習/Preparation 授業の予習(テキストを読み、用語の意味を調べておく)
事後学習/Reviewing 授業の復習(テキストを読み直し、授業内容を確認しておく)
4
授業計画/Class 装訂の種類(1)(巻子装、折本、旋風葉など)とその変遷
事前学習/Preparation 授業の予習(テキストを読み、用語の意味を調べておく)
事後学習/Reviewing 授業の復習(テキストを読み直し、授業内容を確認しておく)
5
授業計画/Class 装訂の種類(2)(粘葉装、綴葉装〈列帖装〉、袋綴装など)とその変遷及び料紙
事前学習/Preparation 授業の予習(テキストを読み、用語の意味を調べておく)
事後学習/Reviewing 授業の復習(テキストを読み直し、授業内容を確認しておく)
6
授業計画/Class 書籍の形状に関する名称(1)(表紙、外題、見返、内題、尾題、本文款式など)
事前学習/Preparation 授業の予習(テキストを読み、用語の意味を調べておく)
事後学習/Reviewing 授業の復習(テキストを読み直し、授業内容を確認しておく)
7
授業計画/Class 書籍の形状に関する名称(2)(奥書、識語など)
事前学習/Preparation 授業の予習(テキストを読み、用語の意味を調べておく)
事後学習/Reviewing 授業の復習(テキストを読み直し、授業内容を確認しておく)
8
授業計画/Class 書籍の内容に関する種類と用語(1)(校合本、足本、抄出本、零本、補配本(取り合わせ本)、旧鈔本など)
事前学習/Preparation 授業の予習(テキストを読み、用語の意味を調べておく)
事後学習/Reviewing 授業の復習(テキストを読み直し、授業内容を確認しておく)
9
授業計画/Class 写本の内容に関する種類と用語(自筆本、寄合書、影写本、補写本など)
事前学習/Preparation 授業の予習(テキストを読み、用語の意味を調べておく)
事後学習/Reviewing 授業の復習(テキストを読み直し、授業内容を確認しておく)
10
授業計画/Class 書誌調査・著録法(1)講義
事前学習/Preparation 授業の予習(テキストを読み、用語の意味を調べておく)
事後学習/Reviewing 授業の復習(テキストを読み直し、授業内容を確認しておく)
11
授業計画/Class 書誌調査・著録法(2)実践Ⅰ
事前学習/Preparation 授業の予習(テキストを読み、用語の意味を調べておく)
事後学習/Reviewing 授業の復習(テキストを読み直し、授業内容を確認しておく)
12
授業計画/Class 書誌調査・著録法(3)実践Ⅱ
事前学習/Preparation 授業の予習(テキストを読み、用語の意味を調べておく)
事後学習/Reviewing 授業の復習(テキストを読み直し、授業内容を確認しておく)
13
授業計画/Class 書誌調査・著録法(4)発表Ⅰ
事前学習/Preparation 授業の予習(テキストを読み、用語の意味を調べておく)
事後学習/Reviewing 授業の復習(テキストを読み直し、授業内容を確認しておく)
14
授業計画/Class 書誌調査・著録法(5)発表Ⅱ
事前学習/Preparation 授業の予習(テキストを読み、用語の意味を調べておく)
事後学習/Reviewing 授業の復習(テキストを読み直し、授業内容を確認しておく)
15
授業計画/Class 総括・まとめ
事前学習/Preparation 前期授業の復習
事後学習/Reviewing 授業の復習
授業方法/Method of instruction
区分/Type of Class 対面授業 / Classes in-person
実施形態/Class Method 通常型 / regular
補足事項/Supplementary notes 受講生の皆さんに実際に古典籍の現物や複製を手に取って、自らの目で見て、手で触れてもらい、コメントしてもらいます。更に受講生の皆さんに担当の書籍を割り振り、書誌調査と著録を実践してもらい、調書レジュメを作成し、調査内容を発表し、議論してもらいます。
 なお、進み具合によって授業計画・内容に多少の変更が生じる可能性があります。
活用される授業方法/Teaching methods used
成績評価方法/Evaluation
1 平常点 In-class Points 60% 平常点は受講態度、書誌調査に基づく調書レジュメ・発表、コメントなどを勘案します。
なお、総授業日数の3分の1以上欠席した場合、単位を認定しません。
2 レポート Report 40% レポートは期末レポートとします。内容は書誌学の目的・知識などの習熟度を確認するものです。
課題(試験やレポート等)に対するフィードバックの方法/Feedback methods for assignments (exams, reports, etc.)
授業中や授業後に質問を受け付けたり、コースパワーの質問機能からも随時質問を受け付けます。コースパワーを用いてフィードバックします。
教科書/Textbooks
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1 資料を配布します。
参考書/Reference books
 コメント
Comments
 
1 授業の中で随時紹介します。
メッセージ/Message
 新型コロナウィルスの感染の状況によりますが、機会があれば、博物館や美術館の展示などで、古典籍の原本を見て、翻印や影印との違いを感じてください。