講義内容詳細:日本語教育概論Ⅱ

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年度/Academic Year 2022
授業科目名/Course Title (Japanese) 日本語教育概論Ⅱ
英文科目名/Course Title (English) Introduction to Japanese Education Ⅱ
学期/Semester 後期 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 田中 祐輔
英文氏名/Instructor (English) TANAKA Yusuke

講義概要/Course description
 教科書を用いた日本語の授業を行うために必要な知識や技術について学ぶ科目です。日本語教育の実践、または、その研究において、「教材」と「評価」は重要であり、それらに関する知識や技術は日本語教育に携わる者に不可欠な要素の一つであると言えます。また、効果的な授業を行うにはそれらの理論的枠組みについて実例を通して理解し、自らの実践や研究に取り入れる力が欠かせません。そこで本科目では、「授業計画」に示したテーマを主軸として、受講生が日本語の教育に関する理論的・実践的知見を習得し、自らの実践と研究に活用することを目的とします。
 具体的には、受講生は上記に関する基礎的な知識と理論を学びながら、自身の実践や研究、またその準備のための活動に取り組み、理論と実践の両輪から教科書を用いた日本語の授業を行うために必要な知見と実践力を養います。
達成目標/Course objectives
1.教科書を用いた日本語の授業を行うために必要な知識や技術について理解できるようになる。
2.教科書を用いた授業の教案や配布資料、試験の作成方法について理解できるようになる。
3.日本語授業のデザインに関する理論的枠組みを学び自身の実践と研究テーマへの応用について考察できるようになる。
以上を通して、受講生が自身の日本語教育の実践や研究、その準備に際し日本語授業デザインの理論的・実践的知見を活用し、取り組む力を養うことを目標とします。
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class 評価(1)【オンライン授業(オンデマンド型)】
・評価の前提と目的
・到達度テストと熟達度テスト
・集団基準準拠評価と目標基準準拠評価
事前学習/Preparation 日本語のテストについて調べる
事後学習/Reviewing 配布資料と授業の振り返り
2
授業計画/Class 評価(2)
・個別的要素テスト・クローズテスト・コミュ二カティブテスト・パフォーマンステスト
・バックワードデザイン・Can-Doリスト
・パフォーマンス評価・ルーブリック・CEFRの目標基準と自己診断リスト
事前学習/Preparation 日本語の評価基準について調べる
事後学習/Reviewing 配布資料と授業の振り返り
3
授業計画/Class 目的別のクイズとテストの作成(1)―リーディング―
・リーディングテストのデザインフローと主な形態
・リーディングテストの手法と実例
・フィードバックとテスト分析
・学習と授業のポートフォリオ
事前学習/Preparation リーディングテストについて調べる
事後学習/Reviewing 配布資料と授業の振り返り
4
授業計画/Class 目的別のクイズとテストの作成(2)―ライティング―
・ライティングテストのデザインフローと主な形態
・ライティングテストの手法と実例
・フィードバックとテスト分析
・学習と授業のポートフォリオ
事前学習/Preparation ライティングテストについて調べる
事後学習/Reviewing 配布資料と授業の振り返り
5
授業計画/Class 目的別のクイズとテストの作成(3)―リスニング―
・リスニングテストのデザインフローと主な形態
・リスニングテストの手法と実例
・フィードバックとテスト分析
・学習と授業のポートフォリオ
事前学習/Preparation リスニングテストについて調べる
事後学習/Reviewing 配布資料と授業の振り返り
6
授業計画/Class 目的別のクイズとテストの作成(4)―スピーキング―
・スピーキングテストのデザインフローと主な形態
・スピーキングテストの手法と実例
・フィードバックとテスト分析
・学習と授業のポートフォリオ
事前学習/Preparation スピーキングテストについて調べる
事後学習/Reviewing 配布資料と授業の振り返り
7
授業計画/Class グループワーク(1)
・グループワークの前提と目的
・構成的グループエンカウンター
事前学習/Preparation グループワークについて調べる
事後学習/Reviewing 配布資料と授業の振り返り
8
授業計画/Class グループワーク(2)
・グループワークの手法と日本語教育実践
・グループワークトレーニングとソーシャルスキルトレーニング
・インプロを取り入れた実践事例
事前学習/Preparation グループワークの事例について調べる
事後学習/Reviewing 配布資料と授業の振り返り
9
授業計画/Class 教材の開発(1)
・教材開発の歩み
・開発のための理論的枠組み
事前学習/Preparation 教材開発の理論について調べる
事後学習/Reviewing 配布資料と授業の振り返り
10
授業計画/Class 教材の開発(2)
・日本語授業で用いる各種教材の作成と実例
・試用と改善のプロセス
事前学習/Preparation 教材開発の実践例について調べる
事後学習/Reviewing 配布資料と授業の振り返り
11
授業計画/Class 教科書や授業形態の幅を広げる(1)
・日本語教科書を用いた授業コンセプトや利用主体の変化 
・教材に関する各種媒体と使用形態
eラーニング教材・アプリケーション型教材・特定の端末教材・インフラ事業
事前学習/Preparation 教材の各種媒体について調べる
事後学習/Reviewing 配布資料と授業の振り返り
12
授業計画/Class 教科書や授業形態の幅を広げる(2)
・アクティブラーニングのための教材と実践
反転授業・ブレンド型授業
事前学習/Preparation 各種媒体の教材利用について考える
事後学習/Reviewing 配布資料と授業の振り返り
13
授業計画/Class 教師としての自己成長(1)
・自己成長のための実践フロー
・参考になる資料と利用法
事前学習/Preparation 日本語教師になるための課題について考える
事後学習/Reviewing 配布資料と授業の振り返り
14
授業計画/Class 教師としての自己成長(2)
・自身の実践と研究テーマに基づいた授業構想を立てる
事前学習/Preparation 日本語教師としての自身の強みについて考える
事後学習/Reviewing 課題発表の準備
15
授業計画/Class プレゼンテーション
事前学習/Preparation 課題発表の準備
事後学習/Reviewing 講評について振り返り
授業方法/Method of instruction
区分/Type of Class 対面授業 / Classes in-person
実施形態/Class Method 通常型 / regular
活用される授業方法/Teaching methods used
成績評価方法/Evaluation
1 平常点 In-class Points 50% 授業内の質疑応答やアクティビティ(指定教科書を利用した課題)への参加態度・パフォーマンスなどを評価します。
2 試験 Exam 50% 期末試験として、本科目で学んだ理論的枠組みを受講生自身の日本語教育実践、あるいは、研究にいかに活用するかに関するレポート形式の試験を実施します。
教科書/Textbooks
 著者名
Author
タイトル
Title
出版社
Publisher
出版年
Published year
ISBNコメント
Comments
1 田中祐輔(編著)/川端祐一郎・庵功雄・前田直子・牛窪隆太・陳秀茵・張玥(著) 『日本語で考えたくなる科学の問い〔文化と社会篇〕』 凡人社 2022 9784893589958 第1回の授業までに丸善雄松堂(青山学院大学7号館 AGU Book Café)などで購入し、授業時にお持ちください。
2 田中祐輔(編著)/陳秀茵・牛窪隆太・森篤嗣・小口悠紀子・張玥(著) 『《書き込み式》表現するための語彙文法練習ノート【上】―語/慣用句/コロケーション/文型/文法/構文―』 凡人社 2022 9784893589965 第1回の授業までに丸善雄松堂(青山学院大学7号館 AGU Book Café)などで購入し、授業時にお持ちください。
メッセージ/Message
やむを得ない事情を除き、⽋席が3分の1(5回)を超えた場合は、成績評価の対象となりません。