講義内容詳細:史学特講B(1)

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年度/Academic Year 2022
授業科目名/Course Title (Japanese) 史学特講B(1)
英文科目名/Course Title (English) Lecture on History B (1)
学期/Semester 前期 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 山下 真吾
英文氏名/Instructor (English) YAMASHITA Shingo

講義概要/Course description
本講義では、中東・イスラーム地域の古典時代の歴史を中心に概説します。また、この地域が歴史的に培ってきた伝統文化(思想・科学・音楽・文学・美術・建築)などにも触れながら、現代における基本的な民族・文化的構成がどのように成立したのかを探っていきます。
達成目標/Course objectives
受講者が中東・イスラーム地域の古典史や伝統文化、および現代における影響に関する基本的知識を習得し、それらを筋道だった形で表現できることを目標とします。
履修条件(事前に履修しておくことが望ましい科目など)/Prerequisite
毎回配布される質問用紙に質問・意見・感想等を記すなど、双方向的な講義の構築に向けた講義への積極的な参加を履修の条件とします。
なお、高等学校の「世界史 」の授業で「中央ユーラシア史」「中東・イスラーム地域」の歴史を学んでいない、もしくは学んだが知識に自信がない場合も理解できるように講義を進めていくので、その点は問題ありません。
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class イスラーム以前の西・中央ユーラシア世界:歴史的展開と理論的諸前提 (初回のみオンライン授業(オンデマンド型)での実施)

2
授業計画/Class イスラームの誕生:預言者ムハンマドの生涯

3
授業計画/Class ムスリム共同体の発展:正統カリフの時代

4
授業計画/Class アラブ帝国からイスラーム帝国へ:ウマイヤ朝からアッバース朝時代

5
授業計画/Class イスラーム科学の時代:アッバース朝期学芸の発展1)

6
授業計画/Class カリフ鼎立と諸王朝:アッバース朝期学芸の発展2)

7
授業計画/Class カリフとスルタン:セルジューク朝とアタベク政権

8
授業計画/Class エジプトの政治と経済:アイユーブ朝からマムルーク朝へ

9
授業計画/Class モンゴルの時代:イル・ハン朝とマムルーク朝

10
授業計画/Class ティムール朝と東西交易の諸相

11
授業計画/Class イスラーム期の古典音楽:楽器・音楽形式・演奏の実例

12
授業計画/Class イスラーム期の古典文学:韻文と散文の諸形式

13
授業計画/Class イスラーム期の工芸と芸術:様式・技術・作例

14
授業計画/Class イスラーム期の伝統建築:建築様式と装飾

15
授業計画/Class 前期のまとめ

 
事前学習/Preparation 以下に示す参考資料のいずれかを読んでおくことが望ましい。
事後学習/Reviewing 授業で配布した資料に掲載されている参考資料のいずれかを読んでおくことが望ましい。
授業方法/Method of instruction
区分/Type of Class 対面授業 / Classes in-person
実施形態/Class Method 通常型 / regular
補足事項/Supplementary notes本講義は初回を除き、対面授業(通常型)で実施します。

講義内容をまとめたレジュメを毎回の授業時に配布し、それに基づいて講義形式で進めていきます。また、スライド(PowerPoint)で図画史料を適宜、提示します。

毎回、質問用紙を配布するので、質問・意見・感想 等を記入してください。
活用される授業方法/Teaching methods used
成績評価方法/Evaluation
1 レポート Report 60%
2 平常点 In-class Points 40%
課題(試験やレポート等)に対するフィードバックの方法/Feedback methods for assignments (exams, reports, etc.)
授業で提出いただいた質問用紙への感想・質問について各回の授業冒頭で紹介・回答を行います。
教科書/Textbooks
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1 教科書は使用しません。毎回の授業でレジュメおよび資料を配付します。
参考書/Reference books
 著者名
Author
タイトル
Title
出版社
Publisher
出版年
Published year
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1 大塚和夫 [他] 編集 岩波イスラーム辞典 岩波書店 2002.2 4000802011 蔵書情報 / Library information
2 小松久男編 中央ユーラシア史 山川出版社 2000.10 463441340X 新版世界各国史 蔵書情報 / Library information
3 永田雄三編 イラン・トルコ 山川出版社 2002.8 4634413906 新版世界各国史 蔵書情報 / Library information
4 佐藤次高編 アラブ 山川出版社 2002.3 4634413809 新版世界各国史 蔵書情報 / Library information
5 東長靖著 イスラームとスーフィズム 名古屋大学出版会 2013.2 9784815807214 蔵書情報 / Library information
6 森本一夫編著 ペルシア語が結んだ世界 北海道大学出版会 2009.6 9784832967120 蔵書情報 / Library information
7 ハワード・R.ターナー著 ; 久保儀明訳 図説科学で読むイスラム文化 青土社 2001.1 4791758641 蔵書情報 / Library information
8 ハミルトン・A・R・ギブ著 ; 井筒豊子訳 アラビア文学史 人文書院 1982.3 蔵書情報 / Library information
9 黒柳恒男著 ペルシア文芸思潮 近藤出版社 1977.9 蔵書情報 / Library information
10 ジョナサン・ブルーム, シーラ・ブレア著 ; 桝屋友子訳 イスラーム美術 岩波書店 2001.3 4000089250 蔵書情報 / Library information
11 深見奈緒子著 イスラーム建築の世界史 岩波書店 2013.7 9784000281812 蔵書情報 / Library information
12 飯野りさ アラブ古典音楽の旋法体系 スタイルノート 2017.2 4799801581
メッセージ/Message
本講義で主に扱う中東・イスラーム地域は、豊かな歴史と伝統を誇るだけでなく、現代国際情勢の焦点となることもしばしばです。本講義では、こうした中東・イスラーム地域について、古典時代の歴史を中心に扱いながら、イスラーム教の成立とその政治的・文化的影響を俯瞰していきます。それと同時にこの地域を舞台に活躍したアラブ・ペルシア・トルコという主要民族の来歴と諸王朝の建設についても解説します。こうした点を理解することは、一見複雑に見える現代の中東情勢を理解する上でも非常に役に立つでしょう。また欧米のみならずその他の諸地域との交流がますます盛んになっている日本において、従来あまりなじみのない中東・イスラーム地域が培ってきた伝統文化を理解することも現代において非常に重要になってきていると言えるでしょう。
その他/Others


キーワード/Keywords
イスラーム     西アジア     中央ユーラシア     中東     イスラーム地域     歴史     文学     宗教     文化     アラブ     トルコ     イラン     ペルシア     音楽     科学     美術     建築