講義内容詳細:西洋史特講(5)

戻る
年度/Academic Year 2022
授業科目名/Course Title (Japanese) 西洋史特講(5)
英文科目名/Course Title (English) Lecture on Western History (5)
学期/Semester 前期 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 重松 尚
英文氏名/Instructor (English) SHIGEMATSU, Hisashi

講義概要/Course description
現在のグローバル経済は、ヨーロッパで確立した市場経済や資本主義にもとづく制度が世界に拡大する形で形成されてきました。したがって、現在のヨーロッパ経済、ひいてはグローバル経済を理解するうえで、近代ヨーロッパにおける市場経済と資本主義の成立とその展開の過程を知ることは重要です。この授業では、ヨーロッパ経済を歴史的観点から学びます。授業の進め方は、毎回、事前学習として、教科書の指定箇所を読んできていただきます。そして、授業中にその内容を確認します。授業の終わりには、リアクションペーパーを提出していただきます。
達成目標/Course objectives
市場経済と資本主義の成立とその展開の歴史を説明できるようになる。
履修条件(事前に履修しておくことが望ましい科目など)/Prerequisite
特になし。
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class 【イントロダクション】
ヨーロッパの経済を歴史的観点から学ぶことの意義、授業の流れ、履修にあたっての注意などについて説明します。【初回のみ、オンライン授業(オンデマンド型)で実施】
2
授業計画/Class 【経済成長とは】
経済史を学ぶうえで鍵になるのが、経済成長です。中世ヨーロッパと現代のヨーロッパを比べたとき、経済の規模がはるかに異なることは容易に想像がつくでしょう。では、経済が成長するということはどういうことなのでしょうか。この回では、経済成長について考えます。
3
授業計画/Class 【前近代と近現代】
近現代ヨーロッパ経済の特徴を考えるうえで、近代以前のヨーロッパ経済の特徴を知ることは重要です。この回では、前近代と近現代の違いについて学びます。
4
授業計画/Class 【中世ヨーロッパ経済】
中世ヨーロッパ経済の特徴の一つである封建制について、この回ではその構造や変容について学びます。
5
授業計画/Class 【〈近世〉という時代】
前近代から近現代への移行は突然起こったわけではなく、約4世紀にわたって徐々に移行していきました。では、その時代に、経済はどのように変容していったのでしょうか。この回では、〈近世〉と呼ばれる時代について考えます。
6
授業計画/Class 【絶対王政と経済】
近世には、絶対王政と呼ばれる体制が成立しました。そのもとで、経済のあり方も変容していきます。この回では、近世の国家と経済について考えます。
7
授業計画/Class 【Industrialisationと産業革命】
ヨーロッパでIndustrialisationと産業革命が起こり、時代は近代に入っていきます。この回ではIndustrialisationと産業革命について学びます。
8
授業計画/Class 【資本主義と国家】
近代に確立した資本主義の特徴とはなんでしょうか。この回では、資本主義の経済制度について学びます。加えて、〈パックス・ブリタニカ〉と呼ばれた時代の経済思想にも触れます。
9
授業計画/Class 【家と経済】
家と経済は密接な関わりをもっています。まず、家は、財やサービスが消費される場と考えられています。また、労働力を生み出す場でもあります。さらに、家事・育児・介護といった家庭内労働も経済活動として可視化される必要性が唱えられています。家のあり方は、時代を通じて大きく変容しました。この回では、家と経済について学びます。
10
授業計画/Class 【〈現代〉という時代】
現代は、しばしば「近現代」として近代と一括りに論じられるように、近代と連続性があります。しかし他方で、近代とは断絶している側面も見てとれます。この回では、現代という時代の特徴について、近代との連続と断続から考えます。
11
授業計画/Class 【グローバル経済の展開と世紀転換期】
産業革命以降の世界は相互依存的な経済を築くようになりました。それが頂点に達したのが、世紀転換期と呼ばれる
12
授業計画/Class 【第一次世界大戦と両大戦間期】
20世紀に入り、ヨーロッパは世界大戦を2度経験することになります。世界大戦は、経済にも大きな影響を与えました。この回ではまず、第一次世界大戦下と大戦後(両大戦間期)の経済について学びます。
13
授業計画/Class 【第二次世界大戦とその後】
第二次世界大戦後、ヨーロッパは東西冷戦下で戦後復興を遂げることになります。この回では、東西それぞれの経済成長とその後の停滞について学びます。
14
授業計画/Class 【第二のグローバル化と欧州統合
1970年代以降の世界では、「現代批判」とも言える動きが台頭してきました。ネオ・リベラリズムです。そしてヨーロッパでは経済統合の動きが進みます。この回では、ネオ・リベラリズムと、こんにちに続く欧州統合の流れについて見ていきます。
15
授業計画/Class 【経済成長の限界と可能性】
この授業をとおして、ヨーロッパ経済が近世以降成長し続けてきたことを学んできました。では、経済成長は今後も持続可能なのでしょうか、あるいは、経済成長には限界があるのでしょうか。この回では、経済成長の限界と可能性に触れ、未来への展望を示します。
 
事前学習/Preparation 教科書の指定箇所を読んでくる。
事後学習/Reviewing 授業内容を復習する。
授業方法/Method of instruction
区分/Type of Class 対面授業 / Classes in-person
実施形態/Class Method 通常型 / regular
活用される授業方法/Teaching methods used
成績評価方法/Evaluation
1 試験 Exam 40%
2 平常点 In-class Points 30% 授業中に各自の予習状況を確認、評価する。
3 その他 Others 30% 授業終了後に提出するリアクションペーパーの内容を評価する。

課題(試験やレポート等)に対するフィードバックの方法/Feedback methods for assignments (exams, reports, etc.)
毎回授業のはじめにリアクションペーパーの一部に対するフィードバックを行う。
試験に対するフィードバックについては、希望者に対してメールで行う。

教科書/Textbooks
 著者名
Author
タイトル
Title
出版社
Publisher
出版年
Published year
ISBN価格
Price
コメント
Comments
1 事前に購入しておく必要はありません。教科書の扱いについては初回の授業で案内します。
2 小野塚知二著 経済史 有斐閣 2018.2 9784641165151 4000円+税
3 馬場哲 [ほか] 著 エレメンタル欧米経済史 晃洋書房 2012.4 9784771023406 2800円+税
参考書/Reference books
 著者名
Author
タイトル
Title
出版社
Publisher
出版年
Published year
ISBN価格
Price
コメント
Comments
 
1 読んでくる必要があるものについては、授業のなかで案内します。
2 大塚久雄著 ; 小野塚知二編 共同体の基礎理論 他六篇〈岩波文庫〉 岩波書店 2021.12 9784003415221 1070円+税 蔵書情報 / Library information
3 奥西孝至、鴋沢歩、堀田隆司、山本千映 著 西洋経済史〈有斐閣アルマ〉 有斐閣 2010.4 9784641124042 2300円+税 蔵書情報 / Library information
4 河﨑信樹, 村上衛, 山本千映著 グローバル経済の歴史 有斐閣 2020.8 9784641221482 2800円+税 蔵書情報 / Library information
5 水島司、島田竜登 グローバル経済史 放送大学教育振興会 2018 9784595318818 2640
6 金井雄一, 中西聡, 福澤直樹編 世界経済の歴史 名古屋大学出版会 2020.8 9784815809973 2700円+税 蔵書情報 / Library information
7 杉山伸也著 グローバル経済史入門 岩波書店 2014.11 9784004315124 820円+税 蔵書情報 / Library information
8 岡崎哲二著 コア・テキスト経済史 新世社 2016.10 9784883842452 2250円+税 蔵書情報 / Library information
メッセージ/Message
毎回きちんと予習してくる必要があるので、負担が多いように感じるかもしれません。しかし、そのぶん学びも多い授業にしていきたいと思います。一緒にがんばりましょう。