講義内容詳細:史学特講A(3)

戻る
年度/Academic Year 2022
授業科目名/Course Title (Japanese) 史学特講A(3)
英文科目名/Course Title (English) Lecture on History A (3)
学期/Semester 前期 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 古川 江里子
英文氏名/Instructor (English) FURUKAWA Eriko

講義概要/Course description
 日本の歴史の中で、近代は近代化の成功による植民地化の回避という成功と太平洋戦争による国家存亡の危機という失敗の激動の時代なので、その時代を見つめなおすことは今日の政治、社会生活を豊かにする上での有益なヒントを得ることができます。
 本講義では、特に知識人に焦点を当てて、日本の近代の特質を考えます。それは植民地化の回避という課題を背負ったために、前近代とは全く異なるとなる西欧をモデルとする体制への移行の必要があったため、人々にそのビジョンを示す役割を果たした知識人の存在がとりわけ重要であったことによります。
 まず、前期のこの授業では、日本の近代化のビジョンを提示した明治の代表的知識人の福沢諭吉を取り上げます。
啓蒙思想家として知られる福沢諭吉は、近代化の意義を人々に説き、日本の近代化を促進する役割を果たしました。その反面で、近代化達成以後は、「脱亜論」を説き、アジアとの決裂を説き、それがアジアとの対立、しいては日中戦争から太平洋戦争へ導いていく布石を敷いてしまうことになります。
 福沢の思想は、近代の栄光と影を体現したものと言えますので、その陰影を帯びた歩みをたどることにより、私たちは今日を考えていくための多くのヒントを得ることができるといえます。
  今日をより良き方向に導く思考とは何かを、これからの時代の担い手となる皆さんと一緒に考えることを目的とします。
達成目標/Course objectives
近代化の成功から敗戦という激動の近代日本の政治・社会、そこで懸命に生きた人々の歩みを見つめ直すことにより、現代の私たちがよりよき時代を築いていくための知恵を共に考え、得ていくことを目的とします。
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class 第1回オリエンテーション(自己紹介・講義の概要・受講上の注意・成績評価の基準の説明)

★この回は、オンデマンド型(音声とプリント)で授業を行います。コースパワーで配布したプリントを参照しながら、音声ファイルを聞いて、授業を受けてください。授業後にコースパワーを通してのアンケートを行いますので、忘れないで、ご提出ください。
2
授業計画/Class 第2回 歴史を学ぶ意味と方法(1)-歴史とは何か?
3
授業計画/Class 第3回 歴史を学ぶ意味と方法⑵ー歴史研究の方法
4
授業計画/Class 第4回 知識人とは何か?ーその存在と近代日本における意義について
5
授業計画/Class 第5回 明治の代表的知識人、福沢諭吉の人物像
6
授業計画/Class 第6回 機会の平等ー『学問のすゝめ』の意義
7
授業計画/Class 第7回 『学問のすゝめ』の主張とは?
8
授業計画/Class 第8回 主張の背景としての半生①生まれから少年期
9
授業計画/Class 第9回 主張の背景としての半生⑵ー青年期
10
授業計画/Class 第10回 主張の背景としての当時の日本の状況⑴植民地化の危機
11
授業計画/Class 第11回 主張の背景としての当時の日本の状況⑵近代化の阻害要因としての民衆
12
授業計画/Class 第12回 福沢の思想的営為の検証ー光の部分
13
授業計画/Class 第13回 福沢の時代の理解のための映像資料の鑑賞ー『映像の世紀』明治編
14
授業計画/Class 第14回 福沢の思想的営為の検証ー影の部分 「オリエンタリズム」
15
授業計画/Class まとめー未来を切り開く発想の検証=福沢の思想的特性
 
事前学習/Preparation 授業前にコースパワーを通して配布したプリントを一読しておくこと。
事後学習/Reviewing 授業後に授業プリントや資料プリントを復習してください。
授業方法/Method of instruction
区分/Type of Class 対面授業 / Classes in-person
実施形態/Class Method ハイブリッド型ブレンド形式 / hybrid blend
補足事項/Supplementary notes
 本講義は、対面授業(通常型)もしくは、オンラインで実施します。感染状況に問題がなければ、対面授業を行う方針ですが、状況次第でオンライン授業(音声とプリントによる)の導入となる場合もあります。

講義の要点をまとめたレジメや史料プリントをコースパワーを通して配布し、パワーポイントを使いながら授業を進めていきます。例年でしたら、プリント類を授業において配布していましたが、今年度はコロナ感染防止の観点から、授業内でのプリント類の配布はできませんので、各自で事前にコースパワーからプリント類をプリントして、授業を受けてください。

 文献史料の他、写真・音声・映像などの視聴覚資料(映像は対面の場合のみ)も活用し、みなさんの興味や理解を深める工夫をしていきたいと考えています。

また、今年度もコロナの状況によるシラバスの変更などもありますので、その点をご理解ください。
活用される授業方法/Teaching methods used
成績評価方法/Evaluation
1 100% 評価については、学期末のレポートか試験かで70点、残りの30点は平常点で(授業内で鑑賞するビデオの感想やコースパワー上のパスワードによる出席登録など)によって行います。学期末での評価がレポートか試験、どちらになるかは感染状況や受講者の人数などで決めます。
教科書/Textbooks
 コメント
Comments
1 特定のものは使いません。参考文献を授業中に適時、指示します。
メッセージ/Message
 授業への理解を深めて欲しいので、みなさんからの質問や要望は大歓迎です。積極的にしてください。
 パンデミックという先の見えない状況ですので、不安なことも多くあると思いますが、皆さんが不安なく受けられるように最大限の配慮をしていくつもりです。

 

その他/Others
日本史を高校で選択していない人は、教科書や概説書などを読んでおくことを勧めます。
キーワード/Keywords
日本近代の歴史考察によって今日や未来の発展につながる知恵の模索