講義内容詳細:入門演習

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年度/Academic Year 2022
授業科目名/Course Title (Japanese) 入門演習
英文科目名/Course Title (English) Introductory Seminar
学期/Semester 前期 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 岡上 雅美
英文氏名/Instructor (English) OKAUE Masami

講義概要/Course description
 2年生を対象に、法律学の基礎を学ぶ。次年度以降の本格的な演習に備え、勉強の仕方、レジュメの作り方、ゼミの参加の仕方などを一通り体験してもらう。担当者が刑法を専門とするため、主として刑法を題材にして学ぶことにするが、刑法解釈学そのものは、刑法A・B・C・Dの講義科目に譲るとして、ここでは、法律の「基本思想」を学ぶことに主眼を置きたい。刑法の基礎理論を取り扱う限度では、刑法Aおよび刑法Bの理解にも役立つ。
さらに後半は,以上の基礎理論に基づき,具体的なテーマとして、以下の5つの家庭・セクシュアリティに関わる刑法上のテーマを扱い、立法論も含めて自分の頭で考えるトレーニングを行う。
 なお、図書館の使い方も講義内容に含めなければならないが、これについては、各自で図書館オリエンテーションをオンラインで受講してもらうので、詳細は追って連絡する。

達成目標/Course objectives
基本的な法学の考え方および学び方を会得すること。次年度以降の本格的な演習に備えて、基礎的な学力をしっかり身につけること。
選んだテーマには、何か特定の「正解」があるわけではない。○×式の思考方法を抜け出し、具体的な問題点について、多角的な観点から問題を発見し、考察を加えることができるようにする。
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class 初回ガイダンス:刑法の基礎1:犯罪とは何か。犯罪=悪いこと?
2
授業計画/Class 刑法の基礎2:刑法の基本思想 日本の刑事裁判
3
授業計画/Class 刑法と家庭・セクシュアリティの諸問題。司法におけるジェンダーバイアス
4
授業計画/Class 〔プレゼンテーション1〕ドメスティックバイオレンス
5
授業計画/Class DVについての解説・ディスカッション
6
授業計画/Class 〔プレゼンテーション2〕児童虐待
7
授業計画/Class 児童虐待についての解説・ディスカッション
8
授業計画/Class 〔プレゼンテーション3〕強制性交(強姦)
9
授業計画/Class 強制性交(強姦)についての解説・ディスカッション
10
授業計画/Class 〔プレゼンテーション4〕ストーカー犯罪
11
授業計画/Class ストーカー犯罪についての解説・ディスカッション
12
授業計画/Class 〔プレゼンテーション5〕わいせつ文書/ポルノグラフィー
13
授業計画/Class わいせつ文書/ポルノグラフィーについての解説・ディスカッション
14
授業計画/Class 〔プレゼンテーション6〕リプロダクティヴライツ
15
授業計画/Class リプロダクティヴライツについての解説・ディスカッション
 
事前学習/Preparation  第1回から第3回までは講義形式の授業になる。予習課題は、その都度指示する。
 第4回以降は、学生からのプレゼンテーションとディスカッションが中心になるので、そのための予習・準備が必要である。自分はどう考えるかをまとめ、それを表現することが課題となる。
事後学習/Reviewing  事後学習も、次週に必要なものであるので、次週の予習課題が当該週の事後学習になる。その都度、自分で考察を深めてもらいたい。
授業方法/Method of instruction
区分/Type of Class 対面授業 / Classes in-person
実施形態/Class Method 通常型 / regular
補足事項/Supplementary notes 授業は、大きく分けて2部構成である。第1回から第3回までは刑法学の基本思想を学ぶこととし、講義形式になるが、後半はプレゼンテーションとして、ゼミ報告のやり方を学んでもらう。刑法には、いろいろな問題がある。ここで取り上げる問題は、いずれも現代社会が直面する解決困難なものばかりであるが、それらに対処するのに、「刑法」が適切な道具なのかも含めて、根源的な問題から考え直す。これを考えるには、「法律」とは、どのような性格の道具なのかも学ぶ必要がある。
担当については、こちらでグループを作り,テーマも割り当てることにする。プレゼンテーションは,6つのテーマがあるので,2~3人のグループになる。1つのテーマにつき,2回で扱い,初回は学生によるプレゼンテーション,第2回は私の側で問題を整理し,全員によるディスカッションを行う。各回で課題を課すので、それについて、調べたり考えたり、準備をしてきてほしい。レジュメやレポートの書き方の指導も兼ねて、期末にはレポートを提出してもらう。
活用される授業方法/Teaching methods used
成績評価方法/Evaluation
1 平常点 In-class Points 80%  予習課題,プレゼンテーション,ディスカッションでの発言等を総合判断する。なお,欠席・遅刻の回数はマイナス評価する。
2 レポート Report 20%  自分の報告した課題について、レポートを提出してもらう。体裁その他は,追って指示する。
メッセージ/Message
法律を題材にとりながら、ドメスティックバイオレンスや児童虐待、ストーカーなど、現代的諸問題にどのような対策がよいのかを考えていく授業です。まず、刑法では、どのように処罰されているのかから出発し、刑法以外の対策の可能性も考えつつ、いろいろな社会現象を見てゆくことになります。「性」の問題を大人の目で取り扱うこともあるので、この辺の議論をきちんと調べ、考察を加えることのできる人を歓迎します。とにかく、発言して自分の考えを発信しましょう。
キーワード/Keywords
性犯罪     ジェンダーと刑法