講義内容詳細:法学・政治学演習ⅠA

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年度/Academic Year 2022
授業科目名/Course Title (Japanese) 法学・政治学演習ⅠA
英文科目名/Course Title (English) Seminar (Law, Politics) ⅠA
学期/Semester 前期 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 森本 麻衣子
英文氏名/Instructor (English) MORIMOTO, Maiko

講義概要/Course description
「平和」や「人権の保障」といった抽象的な言葉で表される理想の社会の状態は、当然ながら具体的な人間の営みにおいて、またそうした営みを通じて、実現されます。その意味で人間は誰でも、生き方次第で、それぞれが(大げさに聞こえてしまうかもしれませんが必ずしも大げさな意味ではなく)自分のまわりに大小さまざまなスケールの平和を創っていく主体となり得ます。一方で、私たちはみな自分の体を使って時間的にも空間的にも限られた経験を生きていますから、様々な他者の具体的な経験に向かって自分自身の知性や感性をいかにして開くか、ということが、生きるうえで、自分自身の幸福を追求することに加えて(あるいは、もしかしたら自分自身の幸福を追求するためにこそ)、大事な課題であると思います。

そうした知的訓練を私たち自身に課すための道具として、本ゼミでは「具体的な経験」の刻印のある文献や映像作品――社会科学においてはフィールドワークにもとづく「エスノグラフィー」、ジャーナリズムにおいては現場取材にもとづく「ルポルタージュ」、またアート、ジャーナリズム、アカデミズムを横断する映像表現としての「ドキュメンタリー」――を用います。ゼミ構成員全員で同じものを読んで/見て、そこから考えたことを交換しあう実践を通じて、世界をみる解像度をあげていきましょう。また適宜、フィールド演習や合宿の実施を(パンデミックの状況を鑑みつつ)検討します。レポートや卒論は何らかのフィールドワーク/現場取材にもとづいたもの(映像作品も含む)であっても、理論的な検討であっても、どちらでもかまいません。
達成目標/Course objectives
1)良質の(と思われる)文献や映像作品を味わい、そこに登場する他者の姿に映し出された社会の諸問題について議論する
2)作品の背後にある質的調査や現場取材の方法論を学ぶ
3)そうした方法論をフィールドに出て実践してみる
以上を通じて、法を学ぶ者としての想像力・共感力・批判力のキャパシティを広げる。
履修条件(事前に履修しておくことが望ましい科目など)/Prerequisite
ゼミ一期生として、主体的・能動的に、互いに協力しながらゼミを作り上げていく意思のある方の参加をお待ちしています。「ヒューマン・ライツの現場A」「同B」「人権法特論A 」「同B」のいずれかを履修済みであることが望ましいですが、全て未履修であれば、3年次にいずれか一つは必ず履修してください。
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class 第1回 オリエンテーション(ゼミの進め方の検討と決定)【対面授業】
事前学習/Preparation ゼミでどんなことをしたいかイメージをもってやってくる。またここまでの大学生活で考えてきたこと含め、簡単な自己紹介ができるように準備してくる。
事後学習/Reviewing 自分の担当回に向けたリサーチを始める。
2
授業計画/Class 第2回 ドキュメンタリー1
事前学習/Preparation 予習課題文献1(コースパワーで配布)を読んでくる。
事後学習/Reviewing 映像課題の感想を書いてコースパワーで提出する。
3
授業計画/Class 第3回 ドキュメンタリー1
事前学習/Preparation 感想「まとめ」を読んでディスカッションに備える。担当者は発表準備をする。
事後学習/Reviewing ディスカッションのメモをもとに、気になったことを調べる。
4
授業計画/Class 第4回 ドキュメンタリー2
事前学習/Preparation 予習課題文献2(コースパワーで配布)を読んでくる。
事後学習/Reviewing 映像課題の感想を書いて、コースパワーで提出する。
5
授業計画/Class 第5回 ドキュメンタリー2
事前学習/Preparation 感想「まとめ」を読んでディスカッションに備える。担当者は発表準備をする。
事後学習/Reviewing ディスカッションのメモをもとに、気になったことを調べる。
6
授業計画/Class 第6回 ドキュメンタリー3
事前学習/Preparation 予習課題文献3(コースパワーで配布)を読んでくる。
事後学習/Reviewing 映像課題の感想を書いてコースパワーで提出する。
7
授業計画/Class 第7回 ドキュメンタリー3
事前学習/Preparation 感想「まとめ」を読んでディスカッションに備える。担当者は発表準備をする。
事後学習/Reviewing ディスカッションのメモをもとに、気になったことを調べる。
8
授業計画/Class 第8回 ドキュメンタリー4
事前学習/Preparation 予習課題文献4(コースパワーで配布)を読んでくる。
事後学習/Reviewing 映像課題の感想を書いてコースパワーで提出する。
9
授業計画/Class 第9回 ドキュメンタリー4
事前学習/Preparation 感想「まとめ」を読んでディスカッションに備える。担当者は発表準備をする。
事後学習/Reviewing ディスカッションのメモをもとに、気になったことを調べる。
10
授業計画/Class 第10回 ルポルタージュ1
事前学習/Preparation 該当箇所を読んでくる。担当者は発表の準備をする。
事後学習/Reviewing ディスカッションのメモをもとに、該当箇所を読み直す。
11
授業計画/Class 第11回 ルポルタージュ1
事前学習/Preparation 該当箇所を読んでくる。担当者は発表の準備をする。
事後学習/Reviewing ルポルタージュの感想を提出する。
12
授業計画/Class 第12回 エスノグラフィー1
事前学習/Preparation 該当箇所を読んでくる。担当者は発表の準備をする。
事後学習/Reviewing ディスカッションのメモをもとに、該当箇所を読み直す。
13
授業計画/Class 第13回 エスノグラフィー1
事前学習/Preparation 該当箇所を読んでくる。担当者は発表の準備をする。
事後学習/Reviewing エスノグラフィーの感想を提出する。
14
授業計画/Class フィールドワーク準備1
事前学習/Preparation 予習課題文献5(コースパワーで配布)を読んでくる。
事後学習/Reviewing フィールドワークで班ごとに必要な準備をする。
15
授業計画/Class フィールドワーク準備2
事前学習/Preparation フィールドワーク準備の過程で考えたこと、ぶつかった問題などを話せるようにしてくる。
事後学習/Reviewing フィールドワーク準備を続ける。
授業方法/Method of instruction
区分/Type of Class 対面授業 / Classes in-person
実施形態/Class Method 通常型 / regular
補足事項/Supplementary notes本講義は対面授業(通常型)で実施します。

とりあげる映像や文献の候補を初回(年度の初め)に示し、ゼミ生の希望を勘案しながら何に取り組むかを決めます。世界情勢やパンデミックの状況、ゼミ生の状況に応じ、課題や進め方、フィールドワークの有無や実施時期は随時、変更の可能性があります(その場合は、余裕をもって知らせます)。
活用される授業方法/Teaching methods used
成績評価方法/Evaluation
1 平常点 In-class Points 100% 感想、発言、発表、フィールドワーク準備作業によるゼミへの貢献
参考書/Reference books
 著者名
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タイトル
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出版社
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出版年
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1 金敬黙編著 越境する平和学 法律文化社 2019.10 9784589040312 2600円+税 副読本です。 蔵書情報 / Library information
キーワード/Keywords
平和学     ドキュメンタリー     ルポルタージュ     エスノグラフィー