講義概要/Course description
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西洋の学問の基本である Classics(古典学)と法学の交錯するところで、できるだけ「生」に近い資料に触れながら、「西洋法の特徴は何か(日本法も含む)」、「西洋法はどのように世界に広がったのか」、そして「法とは何か」といった問いについて考察を進める。夏期にイギリス・セミナーで扱っている内容と呼応する形で演習を展開する。以下のようなテーマが具体的には考えられるが、詳細は受講生と相談して決定する。 1.「法廷弁論を読もう!」これは、昨年度から引き続き掲げるテーマで、古代ギリシア、近世フランス、20世紀イギリスなどの有名法廷弁論を、弁論の最初から最後まで全部読むことから出発し、その背景にある時代、法制度、法の考え方を考察する。弁論は翻訳のあるものも、ないものもあり、受講者の状況に合わせて対象作品を選定していく。法廷演劇を試みるかもしれない。 2.「Common Law and Classics」Common Law(イングランド発祥で世界中に広がった法)を加えると、Law and Classics の景色が俄然変わってくる。Common Law からのローマ法、教会法へのアプローチ等を検討する。 【応募条件・資格】 海外に広く関心を持つ積極性を求める。ゼミでは英語、フランス語等使用可能な言語能力をフルに発揮して参加することが望まれる。新しい言語を習得する意欲のある学生も歓迎する(セルビア語やアフリカーンスなど!)。 【教科書・参考文献】 葛西康徳・V.カッツァート編『古典の挑戦』知泉書館、2021 J.H.ベイカー・葛西康徳編『コモン・ロー入門』東京大学出版会、2022公刊予定、 デモステネス『弁論集5』京都大学学術出版会、2019 フランソワ・アルトーグ『オデュッセウスの記憶』東海大学出版会、2016 Richard du Cann, The art of the Advocate, revised version, Penguin books, 1993 Peter Birks and Grand McLeod, Justinian’s Institutes, Duckworth, 1994 【サブゼミ情報】 サブゼミはない。担当教員の関わる様々なプロジェクト、研究会等との連携をはかり、いろいろな機会を提供したいと思う。ぜひ積極的に参加して、刺激を受けてほしい。海外研修 F(イギリス・セミナー)とも様々な機会をシェアしたいと思う。
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達成目標/Course objectives
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西洋の学問の基本である Classics(古典学)と法学の交錯するところで、できるだけ「生」に近い資料に触れながら、「西洋法の特徴は何か(日本法も含む)」、「西洋法はどのように世界に広がったのか」、そして「法とは何か」といった問いについて思索を深める。
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履修条件(事前に履修しておくことが望ましい科目など)/Prerequisite
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【選考・レポート課題】 葛西康徳・V.カッツァート編『古典の挑戦』知泉書館、2021(大学図書館に所蔵されている)の中から一つの章を選び、その要旨と感想をA4用紙2枚(2000字程度)にまとめ教務課設定のコースパワーへ提出のこと。
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授業計画/Lecture plan
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1
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2
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3
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授業計画/Class |
テーマ例1.「法廷弁論を読もう!」これは、昨年度から引き続き掲げるテーマで、古代ギリシア、近世フランス、20世紀イギリスなどの有名法廷弁論を、弁論の最初から最後まで全部読むことから出発し、その背景にある時代、法制度、法の考え方を考察する。弁論は翻訳のあるものも、ないものもあり、受講者の状況に合わせて対象作品を選定していく。法廷演劇を試みるかもしれない。 |
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4
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授業計画/Class |
テーマ例 2.「Common Law and Classics」Common Law(イングランド発祥で世界中に広がった法)を加えると、Law and Classics の景色が俄然変わってくる。Common Law からのローマ法、教会法へのアプローチ等を検討する。 |
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5
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授業計画/Class |
テーマ例3.『オデュッセウスの記憶』をフランス語、英語、日本語で熟読する。 |
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6
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授業計画/Class |
テーマ例4.モンテネグロ一般財産法典起草者ボギシッチの実証的研究。フランス語、ロシア語、セルビア語、英語資料の解読と検討 |
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7
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授業計画/Class |
以上の例のようなテーマをめぐって、受講者と相談しながら研究対象と方法を絞っていく。 |
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8
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授業計画/Class |
各自の関心に従って文献を購読する。 |
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9
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授業計画/Class |
資料調査、収集と整理、記録、分析を行う。 |
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授業計画/Class |
各自の関心に即した発表を行う。 |
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11
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14
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授業計画/Class |
進捗状況の自己評価と今後の計画 |
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15
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事前学習/Preparation |
必要な文献を読む。 |
事後学習/Reviewing |
演習内容を振り返り、アウトプットに向けた準備を行う。 |
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授業方法/Method of instruction
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区分/Type of Class |
対面授業 / Classes in-person
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実施形態/Class Method |
ハイブリッド型ブレンド形式 / hybrid blend |
活用される授業方法/Teaching methods used |
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成績評価方法/Evaluation
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1 |
平常点 In-class Points
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100%
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参考書/Reference books
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| 著者名 Author | タイトル Title | 出版社 Publisher | 出版年 Published year | ISBN | 価格 Price | コメント Comments | |
1 |
Peter Birks and Grand McLeod
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Justinian’s Institutes
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Duckworth
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1994
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Richard du Cann
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The art of the Advocate, revised version
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Penguin books
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1993
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3 |
フランソワ・アルトーグ著 ; 葛西康徳, 松本英実訳
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オデュッセウスの記憶
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東海教育研究所
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2021.4
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9784924523197
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4800円+税
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蔵書情報 / Library information
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4 |
葛西康徳、木曽明子訳
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デモステネス『弁論集5』
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京都大学学術出版会
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2019
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図書館サイトの検索ではピンポイントでは出てこないようです。
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5 |
葛西康徳, ヴァネッサ・カッツァート編
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古典の挑戦
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知泉書館
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2021.3
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9784862853363
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5000円+税
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2021 J.H.ベイカー・葛西康徳編『コモン・ロー入門』東京大学出版会、2022公刊予定
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蔵書情報 / Library information
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6 |
ジョン・ベイカー、葛西康徳編
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コモン・ロー入門
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東京大学出版会
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2022
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公刊予定
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その他/Others
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Law and Classicsは法学部海外研修F/イギリス・セミナーとも共通するテーマです。
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キーワード/Keywords
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Law and Classics
西洋古典学
コモン・ロー
法のdiffusion
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