講義内容詳細:法学・政治学演習ⅠB

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年度/Academic Year 2022
授業科目名/Course Title (Japanese) 法学・政治学演習ⅠB
英文科目名/Course Title (English) Seminar (Law, Politics) ⅠB
学期/Semester 後期 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 申 惠手
英文氏名/Instructor (English) SHIN Hae Bong

講義概要/Course description
「国際人権法を国内でどう活かすか」
人権は基本的には各国の憲法によって保障されるものであるが、今日、そうした国内法による人権保障を補うものとして重要な役割を果たしているのが国際人権法である。戦後、国連では国際人権規約、人種差別撤廃条約、女性差別撤廃条約など、またヨーロッパ審議会のような地域的組織ではヨーロッパ人権条約などの人権条約が次々と作られているが、これらの条約は、国籍にかかわらず、締約国の「管轄下」のすべての人の人権保障を目的としている。日本も、国連の人権条約の多くを批准しているが、批准の際には条約の規定に沿って国内法の整備(新たな法律の制定や既存の法律の改廃)が行われることから、人権条約は日本の国内法制に大きな影響を与えている。グローバル化が進み日本にも外国籍ないし外国出身の住民が増える中で、国の「管轄下のすべての人」の人権保障を目的とした国際人権法は一層重要性を増している。このゼミでは、具体的な問題に即して、国際人権法をどのように活かし、国内法と併せ用いていくことができるか考えていく。
後期は、グループ発表が中心となる。原則として、1つのグループに1回から2回の授業時間をあてる。選んだテーマについて、きちんと調べ、グループ内でしっかり議論をし、発表のための資料を作り、チームワーク良く発表を行うことが期待される。質疑の後、教員が講評を行う。
学期末には、個人でレポートのテーマを設定し、レポートを書いて提出するので、レポートの書き方の指導も行う。
達成目標/Course objectives
国際人権法についての基本的な知識を習得した上で、関心をもった人権問題について、関連の国内法に加えて国際人権法にも照らして検討し、そのためのリサーチ(文献探しと読み込み、考察)と成果発表( 口頭での発表、発表時の資料作り、発表後のレポート)ができるようになることである。ゼミという授業の場を通して仲間たちと共に切磋琢磨し、能力を高めあうこともねらいとしている。
履修条件(事前に履修しておくことが望ましい科目など)/Prerequisite
現実社会の様々な人権問題について、知りたい、学びたいという意欲をもち、想像力と人間的な共感をもって考えることができる人。また、ゼミという授業の性格上、毎回きちんと準備をした上で授業に参加し、受け身でなく主体的にゼミでの討論に寄与すること。なお、授業での勉強内容を補完・強化するためにも、「国際法B」は履修すること。
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class 後期授業のオリエンテーション
2
授業計画/Class 2年生のためのオープンゼミ(予定)
3
授業計画/Class グループ発表のテーマと日程の決定
4
授業計画/Class グループ発表の準備
5
授業計画/Class グループ発表の準備
6
授業計画/Class グループ発表(1)
7
授業計画/Class グループ発表(2)
8
授業計画/Class グループ発表(3)
9
授業計画/Class グループ発表(4)
10
授業計画/Class グループ発表(5)
11
授業計画/Class グループ発表(6)
12
授業計画/Class グループ発表(7)
13
授業計画/Class レポート指導(1)
14
授業計画/Class レポート指導(2)
15
授業計画/Class レポート指導(3)
 
事前学習/Preparation グループ発表や個人レポートで扱いたいテーマについて考えておくこと。
事後学習/Reviewing 授業で扱った事柄の中から、個人レポートのテーマを決め、期末レポートを執筆すること。
授業方法/Method of instruction
区分/Type of Class 対面授業 / Classes in-person
実施形態/Class Method 通常型 / regular
活用される授業方法/Teaching methods used
成績評価方法/Evaluation
1 平常点 In-class Points 60% グループ発表(口頭での発表、レジメ、質疑応答を含む)で果たした役割に加え、授業全体を通しての積極的な参加姿勢や授業への貢献度を加味する。
2 レポート Report 40% グループ発表で取り上げたテーマを題材として、レポートのテーマを設定し、発表の際に指摘された事項や追加リサーチもふまえて執筆したものを学期末に提出する。
参考書/Reference books
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1 申惠丰『友だちを助けるための国際人権法』(影書房)、『国際人権入門―現場から考える』(岩波新書)、阿部浩己ほか『テキストブック国際人権法』(日本評論社)、近藤敦『人権法〔第2版〕』(日本評論社)。このほか、前期初回のオリエンテーション時に参考文献リストを配布する。