講義内容詳細:環境法B

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年度/Academic Year 2022
授業科目名/Course Title (Japanese) 環境法B
英文科目名/Course Title (English) Environmental Law B
学期/Semester 後期 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 勝田 悟
英文氏名/Instructor (English) KATSUDA Satoru

講義概要/Course description
 われわれの周りには、百あまりの元素が、いろいろと結合を変えて存在しているだけであり、人間もその6種類ぐらいの元素で形作られている。この事実から地上におけるわれわれ人間の存在は、非常に微妙な物質平衡に基づいて築かれていることをまず理解しなければならない。化学物質は、これら元素の基本的な粒子である原子が極めて複雑に結合したものであり、各々に様々な性質を持っている。人間にとって不可欠なものもあれば、生体内で破壊的な反応を示すものもある。
 地上に存在する化学物質の種類は、研究でのみに使用されるものも含めると約70000万物質以上存在し、いまだに絶えず新しい物質が作り出されている。そのほとんどは、環境中での正確な性質は明白になっていない。また、石油や鉱物など地下深くから多くの化学物質が掘り出されており、地上に拡散している。現在、地上の環境のバランスは、今まで体験したことがない状態へ急激に変化していると考えられる。多くの人間が幸福の目標としている物質文明は、生体にとっては新たな危険な状態への変化ともいえる。
 経済活動の拡大や研究・技術開発の進展は、無限な金銭的欲望や知的欲求の結果生じるものだが、地球は有限な存在であることを認識しなければならない。自然科学は、地球に存在する化学物質を分析・解析し、コントロールをしようとしているが、複雑な人間社会を、自然科学の法則によって、解析、コントロールすることはできない。この制御を実現するには、強制力をもった規制や社会的な誘導を目的とした規制による社会秩序の形成が必要となる。すなわち、人間にとって必要な環境を維持するには、自然科学に基づく社会科学的な制度が不可欠といえる。
 本講義では、これら状況を踏まえ環境問題の基礎から環境法のあり方を考えていく。
達成目標/Course objectives
 環境保護のための法律や条約、業界規制など制度は、人間社会をコントロールして、環境の物質バランスをマクロの面から制御して、一定の環境を作り出そうとする試みであり、まだ歴史は浅い。
本講義では、環境保護のための制度を、資源利用の効率化、有害物質の拡散防止、及び情報整備の面からの考察を試みる。環境問題は、身近なものでは労働現場や住居での汚染があり、生態系が自然システムを支えている地域環境から大気の物質バランスを変化させてしまう地球環境と規模が大きく異なり、メカニズムも違う。しかし、環境の変化が、人間及びその他生物または生態系にダメージを与えているということはまぎれもない事実である。環境分野は、労働や建設、運輸、食品など多岐の分野に渡り密接に関連しており、人の生活全般の問題を取り扱っている。環境法に関連するテリトリーも広範囲に及ぶ。
 まず、環境問題を広くとらえ、全般的に取り上げ、その影響のメカニズムと規制の概要を述べる。その後、環境効率、資源生産性の向上を考えた規制を中心に考え、物質の循環、エネルギーの効率的利用及び再生可能エネルギーの利用を論じる。近年環境問題の中で世界的に注目を集めている地球温暖化対策については、エネルギー生産性向上の面から取り上げる。生体に直接影響を及ぼす有害物質については、急性的影響が問題となった過去の公害問題から何年も経過した後または経世代で発症するような慢性的な環境問題まで環境媒体毎に影響と規制システムを論じ、問題物質が副次的に影響を及ぼすオゾン層の破壊問題、並びに事故によって発生する汚染についても取り上げる。有害物質対策としては、国際的に検討が進む関連情報の整備と公開について検討する。最後に今後の法律による政策策定、及び未然防止対策について論じる。
 本講義の到達目標は、全てのビジネスの戦略の重要な視点となっている環境保護制度の基礎的な内容を習得し、環境法に関する社会的な動向を分析できるような知識を身につけることである。
履修条件(事前に履修しておくことが望ましい科目など)/Prerequisite
 特になし
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class 1 環境法進展の経緯 「国連環境と開発に関する会議」以降 SDGsへ
 第一回講義のみオンデマンド型オンライン授業です。

事前学習/Preparation  教科書の該当箇所を事前に予習する。
事後学習/Reviewing  講義の内容について関連情報を確認する。
2
授業計画/Class 2 資源利用の効率化 廃棄物処理
事前学習/Preparation  教科書の該当箇所を事前に予習する。
事後学習/Reviewing  講義の内容について関連情報を確認する。
3
授業計画/Class 3 資源利用の効率化 消費資源の減量化
事前学習/Preparation  教科書の該当箇所を事前に予習する。
事後学習/Reviewing  講義の内容について関連情報を確認する。
4
授業計画/Class 4 エネルギー資源の効率化 地球温暖化
事前学習/Preparation  教科書の該当箇所を事前に予習する。
事後学習/Reviewing  講義の内容について関連情報を確認する。
5
授業計画/Class 5 エネルギー資源の効率化 エネルギーの安定化(1)
事前学習/Preparation  教科書の該当箇所を事前に予習する。
事後学習/Reviewing  講義の内容について関連情報を確認する。
6
授業計画/Class 6 エネルギー資源の効率化 エネルギーの安定化(1)
事前学習/Preparation  教科書の該当箇所を事前に予習する。
事後学習/Reviewing  講義の内容について関連情報を確認する。
7
授業計画/Class 7 有害物質の汚染回避 汚染回避のための直接規制 大気汚染
事前学習/Preparation  教科書の該当箇所を事前に予習する。
事後学習/Reviewing  講義の内容について関連情報を確認する。
8
授業計画/Class 8 有害物質の汚染回避 汚染回避のための直接規制 水質汚濁 土壌汚染 悪臭
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事後学習/Reviewing  講義の内容について関連情報を確認する。
9
授業計画/Class 9 有害物質の汚染回避 有害物質の越境移動 海洋汚染防止
事前学習/Preparation  教科書の該当箇所を事前に予習する。
事後学習/Reviewing  講義の内容について関連情報を確認する。
10
授業計画/Class 10 有害物質の汚染回避 事故による汚染対策
事前学習/Preparation  教科書の該当箇所を事前に予習する。
事後学習/Reviewing  講義の内容について関連情報を確認する。
11
授業計画/Class 11 有害物質の汚染回避 遺伝子操作・病原体の汚染防止
事前学習/Preparation  教科書の該当箇所を事前に予習する。
事後学習/Reviewing  講義の内容について関連情報を確認する。
12
授業計画/Class 12 情報整備 SDS(MSDS)
事前学習/Preparation  教科書の該当箇所を事前に予習する。
事後学習/Reviewing  講義の内容について関連情報を確認する。
13
授業計画/Class 13 情報整備 PRTR
事前学習/Preparation  教科書の該当箇所を事前に予習する。
事後学習/Reviewing  講義の内容について関連情報を確認する。
14
授業計画/Class 14 解決すべき課題 環境権
事前学習/Preparation  教科書の該当箇所を事前に予習する。
事後学習/Reviewing  講義の内容について関連情報を確認する。
15
授業計画/Class 15 まとめ
事前学習/Preparation  講義内容、及び該当教科書部分内容を再度確認する
事後学習/Reviewing  各講義で提示し提出した課題の解答を送付しますので再度確認し学習する。
授業方法/Method of instruction
区分/Type of Class 対面授業 / Classes in-person
実施形態/Class Method 通常型 / regular
補足事項/Supplementary notes 本講義は初回はオンライン授業(オンデマンド型)で実施、2回目以降は対面で実施します。1週間掲示します。その後は閲覧、ダウンロードはできませんので注意してください。講義掲示後の個別履修者への資料配付などは不公平になりますのでいたしません。
活用される授業方法/Teaching methods used
成績評価方法/Evaluation
1 100%  講義で毎回課題を出し、その合計で評価します。
課題(試験やレポート等)に対するフィードバックの方法/Feedback methods for assignments (exams, reports, etc.)
 毎回出された課題の解答は、最終講義で解答等を示します。
教科書/Textbooks
 著者名
Author
タイトル
Title
出版社
Publisher
出版年
Published year
ISBN価格
Price
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1 勝田 悟 環境保護制度の基礎 第4版 法律文化社 2020年 9784589040527 2600  前期と同じ教科書です。後半部分です。
参考書/Reference books
 著者名
Author
タイトル
Title
出版社
Publisher
出版年
Published year
ISBN価格
Price
 
1 勝田 悟 環境概論 第二版 中央経済社 2017年 9784502228216 2600円+税
2 勝田 悟 グリーンサイエンス 法律文化社 2012年 9784589034595 2500円+税
3 勝田 悟 生活環境とリスク 私たちの住む地球の将来を考える 産業能率大学出版部 2015年 9784382057258 2000円+税
4 勝田悟 ESGの視点 環境、社会、ガバナンスとリスク 中央経済社 2018年 9784502282317 2600円+税
5 勝田悟 環境責任 中央経済社 2016 9784502198113 2600円+税
メッセージ/Message
 生活、周辺環境の変化や問題にも注目してみて下さい。新聞、インターネット等で環境問題のニュースをみて自分なりに分析する。
その他/Others
 政府系、都市銀行シンクタンク研究所、行政・産業界の検討委員会の委員で実施した法政策の検討・課題を適宜解説します。
キーワード/Keywords
環境法政策についての実務経験