講義内容詳細:人権調査論

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年度/Academic Year 2022
授業科目名/Course Title (Japanese) 人権調査論
英文科目名/Course Title (English) Human Rights Research
学期/Semester 夏休集中 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 坂上 香
英文氏名/Instructor (English) SAKAGAMI Kaori

講義概要/Course description
本集中講義では、ヒューマンライツをより多面的、かつ身近な課題として捉えるために、暴力、とりわけ犯罪というイシューを扱う。同時に、暴力を学び落とす(unlearn)方法についても、具体的な国内外の事例を通して学ぶ。フィールド・スタディでは、都内近郊の関連団体を訪れ、活動を実際に見聞きすることによって、よりイシューやヒューマンライツについて身近に感じられるようになることを目指す。ただし、 新型コロナ拡大の状況によっては、直接の訪問が許可されない場合もあるため、リモートで関係者から話を聞くという可能性もあることを了承してほしい。
例えば犯罪や差別をめぐる当事者の体験や視点に耳を傾ける。そのうえで、具体的な脱暴力のアプローチの一つを体験的に学び、立場性を超えたヒューマンライツ実現の可能性について考察する。(注意)授業計画に施設訪問が記されているが、先方の都合で日程が変更になることもある。また、コロナ禍の影響で全面的にオンライン授業になる場合は、実際の訪問がなくなり、よって内容が大幅に変わる可能性がある。
達成目標/Course objectives
4日間の集中講義を通して、不可視化された暴力の問題、ヒューマンライツの捉え方の違いやその実現の困難性について気づく。また、暴力に対するオルターナティブな対応方法の存在や取組みを学ぶことによって、立場性を超えたヒューマンライツの可能性を模索する。このプロセスのなかで、問いを立て、異なる立場の人と対話し、思考を深める力も養っていく。
履修条件(事前に履修しておくことが望ましい科目など)/Prerequisite
学外授業を含め、集中講義のすべてに出席できること。「ヒューマンライツの現場A」を履修済みであることが望ましい。講義以外は原則、現地集合、現地解散。公共交通機関で移動する。詳細は初日に授業でアナウンス。なお、フィールド・スタディにかかる交通費(都内近県なので5000円以内)は各自で負担。フィールド・スタディに一部でも参加できない場合は履修不可。
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class イントロダクション —— ヒューマンライツへの接近法
2
授業計画/Class 犯罪のイメージ(1)編集のトリック&マジック1
3
授業計画/Class 犯罪のイメージ(2)編集のトリック&マジック2
4
授業計画/Class 暴力をめぐる諸相 ——  研究方法1(篠原義裕氏・日本ダルク代表)*薬物依存症者の回復施設
5
授業計画/Class 暴力をめぐる諸相 ——  レクチャーとの映像視聴
6
授業計画/Class 暴力をめぐる諸相 —— 薬物裁判所について
7
授業計画/Class 暴力をめぐる諸相  ——  刑罰と更生を考える
8
授業計画/Class 暴力をめぐる諸相 —— レクチャー(暴力の連鎖と新たな処遇)とのディスカッション
9
授業計画/Class 暴力をめぐる諸相 —— DV、虐待の被害者支援 仲村久代氏(サバイバルネットライフ創設者)
10
授業計画/Class 暴力をめぐる諸相 —— 仲村久代氏とのディスカッション
11
授業計画/Class 暴力をめぐる諸相 —— 修復的司法について
12
授業計画/Class 暴力をめぐる諸相 —— 市原千代子氏による講義(犯罪被害者遺族)
13
授業計画/Class 暴力をめぐる諸相 —— 山下英三郎氏(修復的対話の専門家)による講義
14
授業計画/Class 暴力をめぐる諸相 —— 山下英三郎氏との修復的対話を使ったサークル
15
授業計画/Class 暴力をめぐる諸相  —— 全体のまとめ
 
事前学習/Preparation リーディング課題や映像課題を出すことがある。
事後学習/Reviewing その日の講義、もしくはフィールド実習のまとめを書く。
授業方法/Method of instruction
区分/Type of Class 対面授業 / Classes in-person
実施形態/Class Method 通常型 / regular
補足事項/Supplementary notes講義、ゲストによる講話、ワークショップ、フィールドワーク(現地訪問)の形式をとった、参加型授業。ただし、新型コロナ拡大の状況によってはオンラインの可能性もある。
活用される授業方法/Teaching methods used
成績評価方法/Evaluation
1 平常点 In-class Points 60% ジャーナル(20%x3=60%)
2 レポート Report 40% ワークシート(集中講義最終日に提出)
参考書/Reference books
 著者名
Author
タイトル
Title
出版社
Publisher
出版年
Published year
ISBN価格
Price
 
1 上岡陽江, 大嶋栄子著 その後の不自由 医学書院 2010.9 9784260011877 2000円+税 蔵書情報 / Library information
2 前田忠弘 [ほか] 著 刑事政策がわかる 法律文化社 2014.10 9784589036261 2300円+税 蔵書情報 / Library information
3 師岡康子著 ヘイト・スピーチとは何か 岩波書店 2013.12 9784004314608 760円+税
メッセージ/Message
人権をめぐるフィールドスタディーは、真摯に取り組めば、貴重な体験になることは間違いない。しかし同時に、強い衝撃を受けるようなことや、自らの立場性を問われて、つらくなることもきっとあるだろう。履修生には、揺れることを恐れず、柔軟に考える姿勢を期待したい。
その他/Others
集中講義の日程は9/6〜9/9の4日間を予定している。

履修予定人数の上限は14名。履修希望者は下記に従って、履修希望書を提出すること。
希望者が上限を超えた場合は、履修希望書により選抜します。

Web履修登録システムの制限科目申請から応募登録。
応募期間:4月5日(火)9:30〜4月7日(木)20:00

課題レポートをCoursePowerで「人権調査論レポート提出フォルダ」へ提出。
提出期間:4月5日(火)9:00〜4月7日(木)20:00
課題:本科目の履修希望理由を400字〜800字程度にまとめる。
※原則ワープロ書き

キーワード/Keywords
人権     ヒューマンライツ     暴力     虐待     DV     性暴力     ヘイトスピーチ     多文化共生     排除     包摂     犯罪     加害・被害     刑事政策     死刑     回復     更生     修復的司法     治療共同体     ドラッグコート     当事者