講義内容詳細:海外研修F/海外研修(イギリス)

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年度/Academic Year 2022
授業科目名/Course Title (Japanese) 海外研修F/海外研修(イギリス)
英文科目名/Course Title (English) Overseas Training F/Overseas Trainin(UK)
学期/Semester 後期集中 単位/Credits 2/4
教員名/Instructor (Japanese) 松本 英実/熊代 拓馬
英文氏名/Instructor (English) MATSUMOTO Emi/KUMASHIRO Takuma

講義概要/Course description
〔基礎的情報〕
 本講義は、2022年8月から1か月(8月7日出発、9月4日帰国予定)、東京大学、立教大学と共同で実施する海外研修である。オクスフォード大学が世界に誇る二つの学問、「西洋古典学(Classics)」と「法学(Common Law)」を、直接、現役教員から少人数で学ぶとともに、チュートリアル(チューター1名対学生2名)、英語でのプレゼンテーションやエッセイライティング、ロンドンの法律事務所・裁判所などの見学を通じて、「知的にタフ」になることを目指す。
 英語を学ぶことが目的ではなく、英語で何を獲得するかを重視するセミナーである。受講者は法学2科目、古典学2科目を選択し聴講する。オクスフォードやケンブリッジを拠点として活躍する研究者を中心に、第一線の学者が法学・古典学を教えてくれることが、本セミナーの最大の特徴である。ただし、オクスフォード大学の正規のプログラムではないため、同大学による単位認定や修了証明書発行等はない。
 本研修については本年度後期に単位付与を行う。そのため、4年生も単位を取得することが可能である。
〔スケジュール〕
 1か月にわたる本セミナーは、3週間のオクスフォード滞在期間と1週間のケンブリッジ・エディンバラ滞在期間に大別できる。オクスフォードの学寮滞在期間中、最初の2週間で法学と古典学の少人数授業(1クラス8名程度)を受講し、3週目は、ロンドンの裁判所や弁護士会、弁護士事務所等で見学・研修を行いつつ、各自の設定するテーマで自由研究し、かつ現役オクスフォード大学学生によるチュートリアルを受ける(チューター1対学生2)。4週目はケンブリッジ大学、エディンバラ大学学寮に居を移し、スコットランド議会、エディンバラ大学等を見学し(シンポジウム出席を含む)、最後にプレゼンテーションを行う(引率教員とイギリス人講師が評価)。さらに、集中講義の講師が科目ごとに出題するテーマのうち一つを選んでエッセイを書いて提出し、講師の講評を得る。
〔現地教員〕
 参考までに、2021年夏季実施プログラムは、法学ではJohn Cartwright教授、Sandy Steel博士、Samuel Williams博士(以上オクスフォード)、Ernest Metzger教授(グラスゴー大学)、古典学ではFrancois Lissarrague教授(パリ社会科学高等研究院)、Bernardo Ballesteros Petrella博士(オクスフォード大学)、Gunther Martin教授(ベルン大学)らが講義を担当された。加えて特別講演がProfessor Robert Parker (ギリシア史、宗教)、Sir Adam Roberts(国際関係論)、Dr. Oswyn Murray(歴史学)(いずれもオクスフォード大学)によって行われた。本年度もこれらの先生にお願いする予定である。以上の講師について検索してみてほしい。また、古典学に加えて、英語で学ぶ仏文学・フランス政治の授業も用意されている。

達成目標/Course objectives
 特別な環境に身を置き、英語を駆使しながら、世界の水準を知り、広く世界をみる視点を新たに得てほしい。
 コモン・ローを日本語を経由せずに理解すること、西洋を理解するために最も重要な古典学がどのような学問かを、あらゆる感覚と能力を駆使して理解することが目標である。
履修条件(事前に履修しておくことが望ましい科目など)/Prerequisite
・募集要項などはポータルで配信されるため、ポータルの情報をよく確認すること。

・説明会を開催または配信するため、これに参加または視聴し、引率教員との面接を受け、所定の手続で応募すること。

・英語力による選別は行わない。科目としての英語の成績よりも、英語を使って理解する力をつけようという気概と努力(ガッツ)が必要です。なお、歴代の参加者で(英語力が理由で)落伍した人は一人もいません。

・関連する授業として、青山スタンダード「日本の法と社会B」(葛西康徳先生が担当)の受講を強く勧める。日本との比較の視点を具体的にもつためである。また、イギリス法、アメリカ法の授業を聴講することも望ましい。松本の担当する「近代西洋法史/近代法史B」、「西洋法史学/法史学A・B」も本セミナーと有機的な関連をもつ。

授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class 説明会:4月に、海外研修(合同)説明会を行うか、海外研修の各担当教員が収録した説明会映像をWebexで配信する。ポータルに注意されたい。参加希望者は、募集要項に従い、応募書類を教務課に提出すること。
2
授業計画/Class 事前準備授業1(研修全般)青山学院大学にて 4月23日(土)17時ー19時
事前準備授業2(コモン・ロー)立教大学にて 5月28日(土)15時-18時
事前準備授業3(古典学) 東京大学にて   6月25日(土)15時-18時
3
授業計画/Class 研修開始 8月6日(土)東京発 7日(日)ロンドン着、オクスフォードへ移動
オクスフォード大学ジーザス・コレッジJesus College着、入寮、オリエンテーション

4
授業計画/Class 講義(第1週~第2週) 
コモン・ロー I(Contract)1日目(3時間)
※他の選択科目(ローマ法)もあり。Advancedコースも設定:Advanced Contract, Advanced Torts, Advanced Roman Law)
1科目は 3時間x3日=9時間
5
授業計画/Class 講義(第1週~第2週) 
コモン・ロー I(Contract)2日目(3時間)

6
授業計画/Class 講義(第1週~第2週) 
コモン・ロー I(Contract)3日目(3時間)

7
授業計画/Class 講義(第1週~第2週) 
コモン・ロー II(Torts)1日目 (3時間)
※他の選択科目(ローマ法)もあり。Advancedコースも設定:Advanced Contract, Advanced Torts, Advanced Roman Law) 
1科目の授業は3時間x3日=9時間
8
授業計画/Class
講義(第1週~第2週) 
コモン・ロー II(Torts)2日目 (3時間)
9
授業計画/Class 講義(第1週~第2週) 
コモン・ロー II(Torts)3日目 (3時間)
10
授業計画/Class 講義(第1週~第2週) 
古典学 I 1日目 (3時間)(例:「ホメロス」、「詩歌と社会」、「神話」、「ギリシア美術」、「悲劇」、「喜劇」、「古代ギリシア法」、「人類学と古典学」等(これまで設けられた授業科目を参考までに挙げます。本年度の授業科目はこれとは異なる場合もあります。) 1科目の授業は3時間x3日=9時間
11
授業計画/Class 講義(第1週~第2週) 
古典学 I 2日目 (3時間)
12
授業計画/Class 講義(第1週~第2週) 
古典学 I 3日目 (3時間)
13
授業計画/Class 講義(第1週~第2週) 
古典学 II  1日目 (3時間)
上記科目の他にも「ラテン文学」「2nd Sophistique」「モラリスト」「(イギリスから見た)フランスの社会と文化」等
1科目の授業は3時間x3日=9時間
14
授業計画/Class 講義(第1週~第2週) 
古典学 II 2日目 (3時間)
15
授業計画/Class 講義(第1週~第2週) 
古典学 II  3日目 (3時間)
16
授業計画/Class 8月13日(土)オクスフォード郊外コッツウォルズ研修(countryとは何か)
17
授業計画/Class ゲスト・スピーカーによる講演(国際関係論、歴史学、宗教史、コンピュータ・サイエンス等)1時間のレクチャーと質疑応答 研修中に3から4回程度。
参考までに、これまでの講師は、Sir Adam Roberts, Professor Robert Parker, Dr. Oswyn Murray, Professor Richard Rutherford, Professor John Cartwright, Professor Peter Parsons, Judge Donald Cryan他。
18
授業計画/Class 8月17日(水)Legal London Tour 法曹学院、裁判所、Law firm等訪問・見学、バリスタによる解説
8月24日(水)ロンドン法律事務所Mayer Brown、シンクタンクPwC London訪問研修
19
授業計画/Class チュートリアル1(法学) 現地学生(オクスフォード等)によるチュートリアル(原則としてチューター1名に対して学生2名)  エッセイ、プレゼンテーションについても相談 1回1時間(+準備30分)x3回(異なる専門の3人のチューター)実施予定(8月22日(月)、24日(水))
20
授業計画/Class チュートリアル2(古典学)現地学生(オクスフォード等)によるチュートリアル(原則としてチューター1名に対して学生2名)  エッセイ、プレゼンテーションについても相談 1回1時間(+準備30分)x3回(異なる専門の3人のチューター)実施予定(8月22日(月)、24日(水))
21
授業計画/Class チュートリアル1(一般、英国大学事情)現地学生(オクスフォード等)によるチュートリアル(原則としてチューター1名に対して学生2名)  エッセイ、プレゼンテーションについても相談 1回1時間(+準備30分)x3回(異なる専門の3人のチューター)実施予定(8月22日(月)、24日(水))
22
授業計画/Class 8月23日(火)ロンドン研修 PwC(PricewaterhouseCoopers, 会計事務所、経営コンサルティング)セミナー
23
授業計画/Class 8月23日(火)ロンドン研修 Mayer Brown (Law firm, Solicitor弁護士事務所)セミナー
24
授業計画/Class ケンブリッジ(ケンブリッジ大学)研修
8月25日(木) オクスフォードからケンブリッジにバスで移動、King’s College宿泊、ケンブリッジ各コレッジ見学

25
授業計画/Class ケンブリッジ(ケンブリッジ大学)研修
8月26日(金) Cambridge-Tokyo Research Seminar on Law and Classics聴講
26
授業計画/Class エジンバラ(エジンバラ大学)研修
8月29日(月) ケンブリッジからエジンバラへ移動/エジンバラ見学
9月1日(水) スコットランド議会等見学
27
授業計画/Class 9月1日(木)、エディンバラ大学にてEdinburgh-Tokyo Research Seminar on Humanities and Lawに参加し、聴講する。
28
授業計画/Class 9月2日(木)プレゼンテーション大会:エジンバラ大学にて最終プレゼンテーション。
各自で設定したテーマに従って一人5分~10分程度のプレゼンテーションを行い、質疑を行う。英国人審査員による質疑、審査と評価・表彰を行う。研修の最終ディナーは表彰式を兼ねる。
9月3日(金)エジンバラ発(グラスゴー空港から)
9月4日(土)日本着
29
授業計画/Class 最終レポート執筆
集中講義のうち一つの科目を選び、講師が出した課題についてEssayを提出し、講師の評価を受ける。3000ワード、提出締め切りは9月9日(金)。
30
授業計画/Class プログラム参加者(三大学)が全員集まって、研修の総括を行う。
プログラム全体の総合成績優秀者の表彰を行う(Mayer Brown (London), PwC Japan (Tokyo)でのインターンシップ候補者も選出)。
 
事前学習/Preparation 古典学の予習としては、教材として配布する『古典の挑戦』および『オデュッセウスの記憶』を各自読み進め、イメージをつかんでおくこと。『古典の挑戦』は本プログラムのために作られた最新の教科書である。
法学(コモン・ロー)については教科書『コモン・ロー入門』を準備しているので、これを配布する。
法学、古典学双方について、前年度講義の資料を提供するので、これに基づいて授業のイメージをつかみ、必要な準備を整えること。
また、2022年4月23日(土)、5月28日(土)、6月25日(土)に事前準備授業を行うので、全て出席して、本プログラム、イギリスの制度、コモン・ロー、古典学についての理解を深めてほしい。
事後学習/Reviewing 授業後、理解できた点、疑問点を整理し、授業資料、教科書を読み返すこと。基本概念、基本タームは英語で理解する回路を自らの頭の中に作り上げてほしい。
授業方法/Method of instruction
区分/Type of Class 対面授業 / Classes in-person
実施形態/Class Method ハイブリッド型ハイフレックス形式 / hybrid high flex
補足事項/Supplementary notes本授業は原則として対面式で行う研修である。ただし、コロナ禍の状況をふまえ、オンライン授業(リアルタイム型を原則としてオンデマンド型も用いる可能性がある)を用いる可能性も検討中である。その場合、2021年度は全面オンラインで実施したので、この経験を踏まえ、できる限り現地研修の場合と同様の内容をオンラインで提供したいと考える。現地対面研修とオンライン研修の併用もその可能性として考えたい。詳細については説明会・事前準備会等で説明する。

対面式の研修としては、日本で事前準備を行ったのち、イギリスに1か月滞在して学び、帰国後エッセイを提出する。
集中講義は1科目9時間(1.5時間x6コマ)。法学は”contract”, ”torts”, ”Roman law”等から2科目選択、古典学は『古典学入門:ホメロス』『ギリシア・ローマ神話』『ラテン文学』『古典とドラマ』『ギリシア悲劇と殺人』『ギリシア喜劇と家族・相続』『ギリシア美術』等から選択。この他に、英国からヨーロッパを見る(英語による)『フランス政治』『フランス文学』等も選択科目として予定している。各受講者は合計で4科目を履修する。事前準備は引率教員による授業を行い、本研修のコンセプト、イギリス大学事情、コモン・ロー入門、古典学入門等を提供する予定。
活用される授業方法/Teaching methods used
成績評価方法/Evaluation
1 100% 事前準備、授業・研修参加積極性、プレゼンテーション、最終レポート(エッセイ)を総合評価する。
単位の付与は本年度後期となる
課題(試験やレポート等)に対するフィードバックの方法/Feedback methods for assignments (exams, reports, etc.)
 英語によるエッセー(小論文)は、本研修内の授業科目を担当したオクスフォード大学等に所属する現地講師が出題し、当該講師が評点、コメント等のフィードバックを行います。
教科書/Textbooks
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1 フランソワ・アルトーグ著 ; 葛西康徳, 松本英実訳 オデュッセウスの記憶 東海大学出版部/東海教育研究所 2017.3/2021 9784486019503 4800円+税 教材として配布する。 説明会の折に詳細を説明する。
新装版ISBNは 9784924523197
2 葛西康徳, ヴァネッサ・カッツァート編 古典の挑戦 知泉書館 2021.3 9784862853363 5000円+税 教材として配布する。 説明会の折に詳細を説明する。
3 TOPS (Tokyo Oxford Programme of Summer) Lecture Material 2019 オリジナル教材。参加者説明会(事前授業)で教材として配布する。
4 TOPS (Tokyo Oxford Programme of Summer) Presentation and Essay 2019 オリジナル教材。参加者説明会(事前授業)で教材として配布する。
5 ジョン・ベイカー、葛西康徳編 コモン・ロー入門 東京大学出版会 2022予定
参考書/Reference books
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1 John Cartwright Contract law Hart 2016. 9781509902910 蔵書情報 / Library information
2 Tony Weir An introduction to Tort law Oxford University Press 2006. 0199290377 蔵書情報 / Library information
3 Tony Honoré About law Clarendon Press 1995. 0198763875 蔵書情報 / Library information
4 Catherine Barnard, Janet O'Sullivan and Graham Virgo [editors] ; with contributions by Mark Elliott, Kevin Gray, Tony Weir What about law? Hart Publishing 2011. 9781849460859 蔵書情報 / Library information
5 池田潔著 自由と規律 岩波書店 1963.6 4004121418 660円 蔵書情報 / Library information
6 イザヤ・ベンダサン著 日本人とユダヤ人 山本書店 1970.5 4841400001 640円 蔵書情報 / Library information
メッセージ/Message
セミナーを通して広い世界を知り、将来の活躍の場を広げてほしい。例えば海外のロースクール、大学院留学を希望している学生には最適な準備となると思う。また、優秀な成績を収めた学生にはインターンシップのチャンスが与えられる場合がある。
英語力による選別はしない。科目としての英語の成績よりも、英語を使って理解する力をつけようという気概と努力が必要である。ガッツが求められる。なお、歴代の参加者で(英語力が理由で)落伍した人は一人もいない。
関連サイトもチェックしてください。
オクスフォード大学ジーザス・コレッジ https://www.jesus.ox.ac.uk/  (本年度滞在予定)
Mayer Brown:   https://www.mayerbrown.com/    (ロンドン訪問先)
PwC:   https://www.pwc.co.uk/   (同上)
その他/Others
 4月初旬、海外研修の説明会を実施するか、説明会映像をWebexで配信する。まずこれに参加、ないしは視聴し、関心のある人は、松本・熊代との面接を受けてください。手続としてはポータル、説明会で配布する募集要項に従い、教務課に申請書類を提出してください。
 参考までに2021年度の説明動画を参考に供します。実施日程等は説明会や事前授業も含め昨年のものですので、間違いのないようにお願いします。
https://youtu.be/AAilq24cfi4
https://youtu.be/Q4V0s6R6igc
 また、費用については、参考までにこれまでの実績を記しますと、対面式による研修は75万円程度(食費を除く)、リモート式は約20万円でした。
 参加希望者や質問等のある学生は法学部松本英実まで連絡してください。
 2022年度事前準備授業は①4月23日(土)17時より青山学院大学、②5月28日(土)15時より立教大学、③6月25日(土)15時より東京大学を予定。3回ともすべて出席すること。初回の青山学院大学での準備授業には、まだ参加を決めかねている人も歓迎します。
キーワード/Keywords
オクスフォード     イギリス法     イングランド法     スコットランド法     法学     古典学     西洋古代     西洋法文化