講義内容詳細:社会調査論B

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年度/Academic Year 2022
授業科目名/Course Title (Japanese) 社会調査論B
英文科目名/Course Title (English) Methodology of Social Research B
学期/Semester 後期 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 森本 麻衣子
英文氏名/Instructor (English) MORIMOTO, Maiko

講義概要/Course description
社会調査は「量的調査」と「質的調査」に分かれるとされています(両者がそんなにすっぱりと分けられるものなのかどうかも、一緒に考えていく予定ですが)。本講義では、そのうち「質的調査」と呼ばれるものを概観していきます。習うより慣れろ、というところもあり、実際にやってみるのが一番の学びにはなるかもしれませんが、実践編は他の講義に譲ることとします。ここでは、質的社会調査の定義や簡単な歴史、参与観察やインタビューといった質的社会調査の技法や、どうやって問いを立て、現場に入り、調査対象者との人間関係を構築するかーーちなみに、私の専門である文化人類学ではかつて、調査対象となる人々を英語で「informants=情報提供者」と呼んでいましたが、今では「interlocutors=対話の参加者」と呼ぶのが一般的です。ここに表れた非常に大事な調査観の変化についても、授業で触れる予定です――といったプロセスについて、座学で学べることを学んでいきましょう。といっても、調査「方法」だけみていても何のことか分からないと思いますので、質的調査の実際の「成果」としての優れた(と講師が考える)調査報告※を、社会学や文化人類学の足跡のなかからピックアップし、一緒に評論していきましょう。また受講生は、自分で立てた問いに応じた社会調査の企画書を作成して冬休み前までにコースパワー上で発表し、クラスメートのフィードバックを受ける機会も得ます。

※これらは「副読本」としてリストをオリエンテーションで提示し、一部分をコースパワーを通じて配布します。そのうえで、各自が「期末レポート」の題材に選んだ一冊をそれぞれ何らかの方法で入手してもらうこととなります。なお、それとは別に「教科書」は下に指定してあります。
達成目標/Course objectives
1)「質的調査」と呼ばれるものの代表的な技法を知る
2)「質的調査」のプロセスを思い浮かべられるようになる
3) 自分自身の調査計画を作成し、他の人からフィードバックを受ける経験をする
4) 社会学や文化人類学などの質的調査の成果を味わい、論評できるようになる
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class オリエンテーション 【この回のみ、オンデマンド】
2
授業計画/Class 質的社会調査とは何か?どのようにして生まれ、発展してきたか?1
3
授業計画/Class 質的社会調査とは何か?どのようにして生まれ、発展してきたか?2
4
授業計画/Class 質的調査の技法1 フィールドワーク
5
授業計画/Class 質的調査の技法2 参与観察
6
授業計画/Class 質的調査の技法3 インタビュー
7
授業計画/Class 質的調査の技法4 生活史
8
授業計画/Class 質的調査のプロセス1 問いを立てる・調査技法を選ぶ
9
授業計画/Class 質的調査のプロセス2 現場に入る・調査技法を再検討する
10
授業計画/Class 質的調査のプロセス3 現場に入る・データを集める
11
授業計画/Class 質的調査のプロセス4 データを分析し、まとめる
12
授業計画/Class 社会調査の倫理と立場
13
授業計画/Class 調査企画バーチャル発表会
14
授業計画/Class バーチャル発表会講評
15
授業計画/Class まとめ
 
事前学習/Preparation 教科書/副読本の該当箇所(授業中に指示、必要に応じて一部をコースパワー上で配布)を読んでくる。
事後学習/Reviewing 授業、教科書、副読本について感想・質問・意見(400字程度)をコースパワーで提出する。全体で4回提出すればよい。ただし、第13回(調査企画バーチャル発表会)については、全員、掲示板上でクラスメート数人の調査企画を選び、コメントする。
授業方法/Method of instruction
区分/Type of Class 対面授業 / Classes in-person
実施形態/Class Method 通常型 / regular
活用される授業方法/Teaching methods used
成績評価方法/Evaluation
1 平常点 In-class Points 30% 授業への参加(質問、感想提出、クラスメートの仕事へのフィードバックなど)を通じた貢献を評価する。
2 その他 Others 30% 自分で立てた問いに応じて質的調査を設計し、その企画書を書く。コースパワー上で発表してクラスメートのフィードバックを受ける。
3 レポート Report 40% 期末読書レポート。授業中にとりあげた副読本(リストは初回で提示、それぞれの一部分を必要に応じてコースパワーで配布する)を調査技法やプロセスに注目して批判的に論評する内容とする。
教科書/Textbooks
 著者名
Author
タイトル
Title
出版社
Publisher
出版年
Published year
ISBN価格
Price
1 岸 政彦、石岡 丈昇他 質的社会調査の方法 -- 他者の合理性の理解社会学 有斐閣 2016 4641150370 2090円
その他/Others
履修者数や習熟度などに応じて、課題内容や進め方を見直す場合があります。
キーワード/Keywords
フィールドワーク、参与観察、インタビュー、生活史、ライフヒストリー、エスノグラフィー