講義内容詳細:現代社会と法A

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年度/Academic Year 2022
授業科目名/Course Title (Japanese) 現代社会と法A
英文科目名/Course Title (English) Contemporary Society and Law A
学期/Semester 後期 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 岡田 直己/道下 知子/大垣 尚司
英文氏名/Instructor (English) OKADA Naoki/DOGE Tomoko/OHGAKI Hisashi

講義概要/Course description
「憲法入門」「民法入門」「刑事法入門」が法学科の1年次必修科目とされているように、いわゆる憲民刑は法学の基本分野であり、法学部の学びの根幹を成す法分野である。しかし、1年次における憲民刑の学びは、それぞれの法分野で用いる基本的な概念や考え方が中心となるため、それらの内容は少なからず具体性を欠き、私たちの生活や仕事、社会経済活動など現実とのつながりを感じづらいことがある。そして、そのような学びの性質ゆえに、1年次のうちに法学部における学びの意義を見失ってしまい、その後に控えている多様な法分野の授業に対する意欲が低くなってしまうこともある。

そこで、本科目は、講義科目が3年次以降に配置されている応用分野から「経済法」「金融法」「税法」を取り上げて、法学部における一般的な学びの順序をいわば「逆走」しながら、それぞれの応用分野と憲民刑との具体的なつながりを知るとともに、憲民刑という基本分野を学ぶことの意義を再確認するものとして設計されている。また、本科目の学びを通して、応用分野への関心を高めることも目的の1つとしている。
達成目標/Course objectives
いわゆる憲民刑という基本分野を学ぶことの意義を再確認するとともに、応用分野への関心を高めること。
履修条件(事前に履修しておくことが望ましい科目など)/Prerequisite
なし
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class ガイダンス【オンライン授業(オンデマンド型)】(主担当:岡田直己)
事前学習/Preparation このシラバス(講義内容詳細)を確認しておくこと。
事後学習/Reviewing ガイダンス映像(オンデマンド)の見落とし部分が無いようにすること。
2
授業計画/Class 90分間で知る「経済法」のプロフィール(岡田直己)
独占禁止法のあらましについて、本科目の目的や取扱領域との関係で説明を行います。
事前学習/Preparation コースパワーの配布資料を一読し、授業時に参照できる状態とすること。
事後学習/Reviewing 第5回授業終了後のレポート提出へ向けて、授業内容を整理・復習すること。
3
授業計画/Class 「経済法」と憲法(岡田直己)
独占禁止法を所管する公正取引委員会(行政委員会)、公正取引委員会による課徴金納付命令(行政処分)と刑事処分について、それぞれ憲法との関係を考えます。
事前学習/Preparation コースパワーの配布資料を一読し、授業時に参照できる状態とすること。
事後学習/Reviewing 第5回授業終了後のレポート提出へ向けて、授業内容を整理・復習すること。
4
授業計画/Class 「経済法」と民法(岡田直己)
独占禁止法違反行為の私法上の効力、違反行為に対する民事的救済手段(差止請求、損害賠償請求)について、それぞれ民法との関係で考えます。
事前学習/Preparation コースパワーの配布資料を一読し、授業時に参照できる状態とすること。
事後学習/Reviewing 第5回授業終了後のレポート提出へ向けて、授業内容を整理・復習すること。
5
授業計画/Class 「経済法」と刑法(岡田直己)
事前学習/Preparation コースパワーの配布資料を一読し、授業時に参照できる状態とすること。
事後学習/Reviewing 2週間後の午後1時までにレポートを提出すること。
6
授業計画/Class 「金融と法」① 金融と法のかかわり(​大垣尚司)
みなさんの人生に「お金」というものがどのように関わってくるのかを鳥瞰し、それぞれに関連する金融サービスとさまざまな法律の果たす役割について概観する。
*第6回から第10回までは、必ず紙の小六法(ポケット六法、デイリー六法等)を持参すること。授業中にスマホ等の電子媒体で条文を参照することは認めないので注意すること。
事前学習/Preparation 「大学生のための人生とお金の知恵」を読んでくる。
事後学習/Reviewing 授業で興味を覚えた金融サービスの内容についてネット等でより深く調べてみる。
7
授業計画/Class 「金融と法」② ローンと民法​(​大垣尚司)
お金を借りるための契約を題材にして、それぞれの条文に関連する民法の条文を確認しながら、パンデクテン型の民法が実際にはどのように機能しているのかを理解する。
事前学習/Preparation 民法入門の教科書を復習する。
事後学習/Reviewing 配布したローン契約書をあらためて最後まで読んで内容を理解する。
8
授業計画/Class 「金融と法」③ ローンと民法(​大垣尚司)
第7回の続き。
事前学習/Preparation 配布したローン契約書の条文を読んで、関連しそうな民法の条文を探しておく。
事後学習/Reviewing 民法の条文を最初から最後までざっと目を通しながら、授業中に参照した条文を確認して、それが契約書の規定でどのように確認・変更されていたかを思い出す。
9
授業計画/Class 「金融と法」④ 起業と会社法(​大垣尚司)
人生100年時代を迎えて誰もが何らかのかたちで「起業」を経験する時代になったことを踏まえ、起業とはどういうことか、そこで会社がどのような役割を果たすのかを説明した上で、事業資金の調達という観点からみた会社法の機能について説明する。
事前学習/Preparation 事前配布資料を読んでくる。
事後学習/Reviewing 配布した会社定款教材にあらためて目を通す。
10
授業計画/Class 「金融と法」⑤ 新しい金融ニーズと法技術の役割(​大垣尚司)
長寿化、環境制約の増大、巨大災害・コロナ禍、金融緩和政策の行き詰まりといった大きな変化の中で、さまざまな領域で新たに登場しつつある金融ニーズを鳥瞰し、そうしたニーズに応える新たなサービスの構築にあたって大学で学ぶ法律がどのように創造的に活用されるのかを説明することを通じて、法解釈学とは異なる法技術(legal engineering)の片鱗に触れてもらう。
事前学習/Preparation 事前配布資料を読んでくる。
事後学習/Reviewing 2週間後の午後1時までにレポートを提出すること。
11
授業計画/Class 90分間で知る「税法」のプロフィール(道下知子)
事前学習/Preparation 配布レジュメをざっと読む。その際、興味をもったところ、不明な箇所をチェックして、授業に臨んでください。内容の理解が深まります。
事後学習/Reviewing レジュメ(必要に応じて判例や条文)を再度読み込む。
12
授業計画/Class 「税法」と憲法(道下知子)
税法上、最も重要な原則は憲法30条・84条の租税法律主義です。この原則は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果の1つであり、この原則がなければ、課税権者である国がいつでも恣意的に課税できることとなります。この回では、この租税法律主義とその具体的な内容を学修することで、税法は、憲法が大前提となり存在しているのであるという意義を理解します。
事前学習/Preparation 配布レジュメをざっと読む。その際、興味をもったところ、不明な箇所をチェックして、授業に臨んでください。内容の理解が深まります。
事後学習/Reviewing レジュメ(必要に応じて判例や条文)を再度読み込む。
13
授業計画/Class 「税法」と民法(道下知子)
税法を適切に理解するためには、その基礎となっている民法の理解は不可欠です。民法については、近年、債権法改正・相続法改正をはじめとする一連の改正法が施行され、このことも、税法が絡む法律実務に大きな影響を及ぼしているといえます。この回では、民法の主要な制度とそれに関連する税法上の取扱いと諸問題を取り上げることで、両者の関連性と、同時に学修することの意義を理解します。
事前学習/Preparation 配布レジュメをざっと読む。その際、興味をもったところ、不明な箇所をチェックして、授業に臨んでください。内容の理解が深まります。
事後学習/Reviewing レジュメ(必要に応じて判例や条文)を再度読み込む。
14
授業計画/Class 「税法」と会社法(道下知子)
税法を適切に理解するためには、その基礎となっている会社法の理解は不可欠です。税法は実務上、会社法で規制されている会社の運営や管理の在り方に多大な影響を与えており、両者は深く関連しています。この回では、会社法の主要な制度とそれに関連する税法上の取扱いと諸問題を取り上げることで、両者の関連性と、同時に学修することの意義を理解します。
事前学習/Preparation 配布レジュメをざっと読む。その際、興味をもったところ、不明な箇所をチェックして、授業に臨んでください。内容の理解が深まります。
事後学習/Reviewing レジュメ(必要に応じて判例や条文)を再度読み込む。
15
授業計画/Class 「税法」と刑事法(道下知子)
脱税犯のような犯罪を租税犯といい、それに対する刑罰を租税罰といいます。税法においては、租税罰則法がこれらに関する法体系となっています。現在、租税犯には刑法総則の規定が一般的に適用され、一般犯罪と同じ扱いを受けていることから、二つの法律は密接に関連しています。この回では、脱税犯に焦点を当て、租税罰則法と刑法総則の法規制を理解します。
事前学習/Preparation 配布レジュメをざっと読む。その際、興味をもったところ、不明な箇所をチェックして、授業に臨んでください。内容の理解が深まります。
事後学習/Reviewing 2週間後の午後1時までにレポートを提出すること。
授業方法/Method of instruction
区分/Type of Class 対面授業 / Classes in-person
実施形態/Class Method 通常型 / regular
補足事項/Supplementary notes講義形式で行うが、受講者との質疑応答を適宜行うなど、担当教員がそれぞれの授業内容に応じて方法を工夫する。
活用される授業方法/Teaching methods used
成績評価方法/Evaluation
1 レポート Report 100% 担当教員3名がそれぞれに扱う法分野について、1通ずつのレポートを提出する(全部で3通)。1通当たりの規定字数は2,500~3,000字(A4版1.5~2頁)、提出期間は第5回・第10回・第15回授業日から2週間とする(詳細は下記参照)。

1通目は40点満点、2通目・3通目は50点満点とし(=140点満点)、これを100点満点へ換算したスコアを用いて成績評価を行う(換算率:71.5%)。なお、レポート1通の不提出は、そのレポートにつき0点とされるにとどまり、本科目の不合格(X)を確定させるものではない。

<レポートの作成・提出に関する注意事項>
○ レポート課題は、第5回・第10回・第15回授業日の午後1時から、コースパワーの当該授業ページで2週間提示する。提出期限は、課題提示日から2週間後の午後1時となる(例:第15回授業日が1月20日(金)の場合、提出期限は2月3日(金)午後1時)。
○ レポートの作成は、本科目所定のフォーマットを使って行うこと(フォーマットは第1回授業のページからダウンロード)。フォーマット以外のファイル形式による作成・提出は一切認めない。
○ レポートの提出はコースパワーで受け付ける。当該授業ページに設けられた提出画面から、フォーマットに記入したレポートを添付し提出すること。なお、添付ファイルの名称は必ず「学生番号氏名」とすること(例:「12345678岡田直己」)。
○ 下記の1~5のいずれかに該当するレポートは、原則として、採点対象から除外され無効(0点)となる。
1)フォーマット以外のファイル形式で作成し提出すること。
2)コースパワー以外の方法で提出すること。
3)課題に対応した内容でないもの(問題と解答の不一致、記載不十分など)。
4)他の受講者のレポートと内容が酷似するもの(文章表現、文章・段落の順序等の構成からみて、他の受講者のレポートを参照したとみなしうるもの。なお、「参照した」受講者と「参照させた」受講者の両者のミニレポートが無効とされる。)。
5)剽窃行為によるとみなしうるもの(書籍やウェブサイトから引用(いわゆる「コピペ」)したもの、コピペした文章の一部を編集したに過ぎないもの。)。
教科書/Textbooks
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1 授業各回の内容に応じて、担当教員がコースパワーで配布します。
授業関連情報/Class-related information
 件名/Title内容/Contents備考/Memo
1 担当教員連絡先 n_okada@als.aoyama.ac.jp 岡田直己(コーディネーター)
その他/Others
授業及びレポート課題に必要となる資料その他すべての情報は、コースパワーで配信します。また、担当教員からの連絡・指示等もコースパワーで行います。本科目に関する質問・相談等はコースパワーでお願いします。