講義内容詳細:業績管理会計論/予算管理論

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年度/Academic Year 2022
授業科目名/Course Title (Japanese) 業績管理会計論/予算管理論
英文科目名/Course Title (English) Performance Measurement And Management Control/Budgetary Control
学期/Semester 前期 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 菅本 栄造
英文氏名/Instructor (English) SUGAMOTO Eizo

講義概要/Course description
 組織内部における部下に任せた意思決定のコントロール(これをマネジメント・コントロールという)のために、経営者は様々な制度を作り、その運用プロセスの工夫を行っています。マネジメント・コントロール・システムのうち、この授業ではまず、経営計画および業績評価の各種制度のなぜを説明する理論を学際的に学んだのち、管理会計制度の影響システムとしての機能の観点から、現代予算管理論の基本コンセプト・計算方法およびケースを教示します。
 この授業では、会計的な計算方法についての解説よりも、予算管理制度も含む管理会計制度が生み出す会計データが企業の現場の人々の行動にもたらす順機能と逆機能(歪み)の側面、さらには管理会計制度を設計する側が陥りやすい落とし穴の解説に注力します。
達成目標/Course objectives
 受講生が、予算管理の理論・ケースおよび計算方法の基本的内容を学際的な視点から理解することにあります。
履修条件(事前に履修しておくことが望ましい科目など)/Prerequisite
戦略管理会計Ⅰ・Ⅱを履修済み、あるいは並行して履修していること
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class
オンライン授業(オンデマンド型)での実施
イントロダクション:
 講義内容の概要を説明したのち、①経営の全体像とマネジメント・コントロールの本質、②管理会計制度(予算管理制度)の情報収集システムと影響システムとしての機能、③インセンティブ、の概念を概括的に学習して、小リポートを授業内で作成し、最後に回収する。
事前学習/Preparation  講義内容をしっかり読んで、不明な点などを初回の授業で質問できるように準備する。
事後学習/Reviewing  授業内で説明した講義要項を踏まえて、履修登録を行うか否か、履修登録を行うのであれば、履修に際して理解しておくべき事項を再確認する。
2
授業計画/Class インセンティブ・システムと管理会計:
①多様なインセンティブの供給手段を学ぶ。
②評価報奨システムの設計と運用の考え方について学ぶ。そして成果主義のむつかしさをケースに基づいて考察する。
事前学習/Preparation 前回の授業内容の不明点などを質問できるように準備する。
事後学習/Reviewing ①授業内容を復習し、理解をさらに深める
②配付資料に記載されている紹介文献を参考にして各自発展的な勉強を行う。そのプロセスで生じた疑問点などを明らかにし、次回の授業で相談できるよう準備する。
3
授業計画/Class 戦略実行とインセンティブの種類:
二つの対照的なケースに触れて多様なインセンティブの供給手段を理解しつつ、批判的な眼でケースをとらえる。
事前学習/Preparation 前回の授業内容の不明点などを質問できるように準備する。
事後学習/Reviewing ①授業内容を復習し、理解をさらに深める
②配付資料に記載されている紹介文献を参考にして各自発展的な勉強を行う。そのプロセスで生じた疑問点などを明らかにし、次回の授業で相談できるよう準備する。
4
授業計画/Class 管理会計制度の本質と二面性(1):
①マネジメント・コントロール・システムの概念を詳細に学ぶ。
②管理会計制度の情報収集システムと影響システムとしての機能を理解し、その二面性を映像資料を通じてより深く理解する。
事前学習/Preparation 前回の授業内容の不明点などを質問できるように準備する。
事後学習/Reviewing ①授業内容を復習し、理解をさらに深める
②配付資料に記載されている紹介文献を参考にして各自発展的な勉強を行う。そのプロセスで生じた疑問点などを明らかにし、次回の授業で相談できるよう準備する。
5
授業計画/Class 計画とコントロール(1):
①計画コントロール・システムの意義を学ぶ。
②ユニ・チャームのSAPS経営のケースを考察する。
③計画コントロール・システムの設計問題を学ぶ。
事前学習/Preparation 前回の授業内容の不明点などを質問できるように準備する。
事後学習/Reviewing ①授業内容を復習し、理解をさらに深める
②配付資料に記載されている紹介文献を参考にして各自発展的な勉強を行う。そのプロセスで生じた疑問点などを明らかにし、次回の授業で相談できるよう準備する。
6
授業計画/Class 計画とコントロール(2):
①業績評価制度の設計問題を学ぶ。ABCマートのケースを通じてより深く理解する。
②業績評価制度の運用方法を学ぶ。
事前学習/Preparation 前回の授業内容の不明点などを質問できるように準備する。
事後学習/Reviewing ①授業内容を復習し、理解をさらに深める
②配付資料に記載されている紹介文献を参考にして各自発展的な勉強を行う。そのプロセスで生じた疑問点などを明らかにし、次回の授業で相談できるよう準備する。
7
授業計画/Class 戦略実行とバランス・スコアカード(1):
①バランス・スコアカードの意義と構造を理解する。
②デニーズでの取り組みをバランス・スコアカードの視点から考察する。
事前学習/Preparation 前回の授業内容の不明点などを質問できるように準備する。
事後学習/Reviewing ①授業内容を復習し、理解をさらに深める
②配付資料に記載されている紹介文献を参考にして各自発展的な勉強を行う。そのプロセスで生じた疑問点などを明らかにし、次回の授業で相談できるよう準備する。
8
授業計画/Class 戦略実行とバランス・スコアカード(2):
①バランス・スコアカードの構築について学ぶ。
②戦略実行とバランス・スコアカードの関係を論述問題を通じて学ぶ。
③成城石井のケースをバランス・スコアカードの視点から考察する。
事前学習/Preparation 前回の授業内容の不明点などを質問できるように準備する。
事後学習/Reviewing ①授業内容を復習し、理解をさらに深める
②配付資料に記載されている紹介文献を参考にして各自発展的な勉強を行う。そのプロセスで生じた疑問点などを明らかにし、次回の授業で相談できるよう準備する。
9
授業計画/Class 戦略実行とバランス・スコアカード(3):
①バランス・スコアカードによって戦略の策定と実行の成功度を評価する方法を学ぶ。
②バランス・スコアカードの運用方法について学ぶ。
③優れたバランス・スコアカードの特徴と運用上の注意点を学ぶ。
事前学習/Preparation 前回の授業内容の不明点などを質問できるように準備する。
事後学習/Reviewing ①授業内容を復習し、理解をさらに深める
②配付資料に記載されている紹介文献を参考にして各自発展的な勉強を行う。そのプロセスで生じた疑問点などを明らかにし、次回の授業で相談できるよう準備する。
10
授業計画/Class 組織構造と責任会計:
①組織構造の種類と責任会計の基本概念を学ぶ。
②京セラのアメーバ経営を支える管理会計制度である「時間当り採算制度」を考察する。
③ハイアール(Haier)のケースを考察する。
事前学習/Preparation 前回の授業内容の不明点などを質問できるように準備する。
事後学習/Reviewing ①授業内容を復習し、理解をさらに深める
②配付資料に記載されている紹介文献を参考にして各自発展的な勉強を行う。そのプロセスで生じた疑問点などを明らかにし、次回の授業で相談できるよう準備する。
11
授業計画/Class 事業部業績管理会計のコア(1):
①分権化のメリットとデメリットを学ぶ。
②事業部の財務業績尺度のうちROIについて学ぶ。
事前学習/Preparation 前回の授業内容の不明点などを質問できるように準備する。
事後学習/Reviewing ①授業内容を復習し、理解をさらに深める
②配付資料に記載されている紹介文献を参考にして各自発展的な勉強を行う。そのプロセスで生じた疑問点などを明らかにし、次回の授業で相談できるよう準備する。
12
授業計画/Class 事業部業績管理会計のコア(2):
①前回に引き続いて、各種の業績測定尺度(残余利益、経済的付加価値、売上高利益率)について学ぶ。
②事業部のライフサイクルに応じて財務業績尺度を使い分けることの考え方を学ぶ。
事前学習/Preparation 前回の授業内容の不明点などを質問できるように準備する。
事後学習/Reviewing ①授業内容を復習し、理解をさらに深める
②配付資料に記載されている紹介文献を参考にして各自発展的な勉強を行う。そのプロセスで生じた疑問点などを明らかにし、次回の授業で相談できるよう準備する。
13
授業計画/Class 事業部業績管理会計のコア(3):
①サブユニット(事業部など)そのものの業績評価とそのマネジャー(事業部長など)の業績評価の問題を区別することの意義を考察する。
②本社費・共通費の配賦問題の基本を学ぶ。
③エイジェンシー理論の基本コンセプトを理解するための下準備として、「モラルハザード」の問題を考察する。
事前学習/Preparation 前回の授業内容の不明点などを質問できるように準備する。
事後学習/Reviewing ①授業内容を復習し、理解をさらに深める
②配付資料に記載されている紹介文献を参考にして各自発展的な勉強を行う。そのプロセスで生じた疑問点などを明らかにし、次回の授業で相談できるよう準備する。
14
授業計画/Class 業績測定・報奨システム(1):
①インセンティブの創出とリスク分担のトレードオフについて学ぶ。
②インセンティブ強度と財務・非財務尺度について学ぶ。
③ベンチマークと相対業績評価について理解する。
④個人レベルとチームレベルの業績測定・報奨システムの問題を学ぶ。
事前学習/Preparation 前回の授業内容の不明点などを質問できるように準備する。
事後学習/Reviewing ①授業内容を復習し、理解をさらに深める
②配付資料に記載されている紹介文献を参考にして各自発展的な勉強を行う。そのプロセスで生じた疑問点などを明らかにし、次回の授業で相談できるよう準備する。
15
授業計画/Class 予算管理論の総括
事前学習/Preparation 前回の授業内容の不明点などを質問できるように準備する。
事後学習/Reviewing ①授業内容を復習し、理解をさらに深める
②配付資料に記載されている紹介文献を参考にして各自発展的な勉強を行う。
授業方法/Method of instruction
区分/Type of Class 対面授業 / Classes in-person
実施形態/Class Method 通常型 / regular
補足事項/Supplementary notesすべての授業を対面で実施する。
活用される授業方法/Teaching methods used
成績評価方法/Evaluation
1 平常点 In-class Points 60% 毎回の授業終了後に回収する小リポートの質
2 試験 Exam 40% 状況によっては、リポートに変更の可能性がある。
教科書/Textbooks
 コメント
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1 配付資料に基づいて講義を実施しますので、教科書を使用する予定はありません。
参考書/Reference books
 著者名
Author
タイトル
Title
出版社
Publisher
出版年
Published year
コメント
Comments
 
1 伊丹敬之・青木康晴 現場が動き出す会計 日本経済新聞社 2016年 その他の参考書については、講義中に適宜紹介します。
メッセージ/Message
 単位を簡単に修得することにのみ関心を有する学生には不向きな授業ですので、履修登録にあたって慎重に検討してください。
その他/Others
授業にしっかり参加できる学生の履修登録を期待しています。