講義内容詳細:戦略管理会計Ⅱ

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年度/Academic Year 2022
授業科目名/Course Title (Japanese) 戦略管理会計Ⅱ
英文科目名/Course Title (English) Strategic Management Accounting Ⅱ
学期/Semester 後期 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 菅本 栄造
英文氏名/Instructor (English) SUGAMOTO Eizo

講義概要/Course description
 今年度の戦略管理会計Ⅱの講義では、まず戦略管理会計Ⅰでは取り上げることのできなかった内容を前半の数回の授業で学習したのち、戦略的コスト・マネジメントの内容に焦点を絞って学習します。
 現代のコスト・マネジメントは、生産活動における適用段階とロス概念の違いから、原価企画・原価維持・原価改善の3つに分けられるとする考え方が主流となっています。この3つは一体となってコスト・マネジメント活動を形成し、コストの観点から全社的な利益目標を達成するものです。本講義ではこれらコスト・マネジメントの基本的なコンセプトを学習します。
 さらに本講義では、日本企業の各種のコスト・マネジメント活動や自分の周りのコスト・マネジメント実践といった各種ケースも積極的に織り交ぜたリアリティーの高い講義を実施したいと考えています。
達成目標/Course objectives
 この講義の学習内容の応用できる対象が、産業組織に限定されるのではなく、われわれの日常生活にも有益な示唆を与えてくれるものであることを受講生に実感させることを最重要目的とします。
履修条件(事前に履修しておくことが望ましい科目など)/Prerequisite
経営学部1年次必修科目A群(専門基礎科目)であるアカウンティング基礎ⅠⅡ・マネジメント基礎ⅠⅡ・マーケティング・ベーシックスⅠⅡのいずれかを履修済みであるか、並行して履修していること。
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class オンライン授業(オンデマンド型)での実施
ビジネスモデルと戦略管理会計(1):
 講義内容を説明したのち、パーク24のケースを取り上げて、戦略管理会計Ⅰで学んだ重要なキーワードを復習する。最後に小リポートを回収する。
事前学習/Preparation 講義内容をしっかり読んで、不明な点を初回の授業で質問できるように準備する。
事後学習/Reviewing  授業内で説明した講義内容を踏まえて、履修登録を行うか否か、履修登録を行う場合、履修に際して理解していくべき事項を再確認する。
 ハンドアウトの内容およびそこに記入されている文献を中心に独学を行い、その学習プロセスで生じた疑問点などを次回の授業で質問できるよう準備する。
2
授業計画/Class ビジネスモデルと戦略管理会計(2):
①幸楽苑の創業者・新井田傳氏とハイディ日高の創業者・神田正氏の2名の経営者に注目して、比較ケース分析を行う。
②最後に小リポートを回収する。
事前学習/Preparation 前回の授業内容の不明点などを質問できるよう準備する。
事後学習/Reviewing ①授業内容を復習し、理解をさらに深める。
②ハンドアウトの内容およびそこに記入されている文献を中心に独学を行い、その学習プロセスで生じた疑問点などを次回の授業で質問できるよう準備する。
3
授業計画/Class 分業の種類と分業システムの設計:今回から戦略的コスト・マネジメントの内容を学ぶ。
①分業の種類を学習する。
②各種分業のメリットとデメリットについての知識を獲得する。
③コンセプトの理解を踏まえ、各ケースを考察する。白鳳堂(化粧筆の製造・販売会社)およびケースデンキのケースを取り上げる。
④最後に小リポートを回収する。
事前学習/Preparation 前回の授業内容の不明点などを質問できるよう準備する。
事後学習/Reviewing ①授業内容を復習し、理解をさらに深める。
②ハンドアウトの内容およびそこに記入されている文献を中心に独学を行い、その学習プロセスで生じた疑問点などを次回の授業で質問できるよう準備する。
4
授業計画/Class 分業の種類(2)と比較優位
①各種分業のメリットとデメリットについての知識を獲得する(前回の続き)。
②分業システムの設計問題をさらに理論的に考察するため、もともと国家間の分業(国際貿易)を考える理論の中核概念である「比較優位」の概念を映像資料を通じて理解する。
③(時間が許せば)次回取り上げる「カイゼン」活動について予備的な学習を行う。
④最後に小リポートを回収する。
事前学習/Preparation 前回の授業内容の不明点などを質問できるよう準備する。
事後学習/Reviewing ①授業内容を復習し、理解をさらに深める。
②ハンドアウトの内容およびそこに記入されている文献を中心に独学を行い、その学習プロセスで生じた疑問点などを次回の授業で質問できるよう準備する。
5
授業計画/Class カイゼン(原価改善)とムダとり(1):
①原価管理の体系を理解する。
②原価管理の体系のうち、原価改善とムダとりの概念を学んだのち、映像資料によって理解を深める。
③最後に小リポートを回収する。
事前学習/Preparation 前回の授業内容の不明点などを質問できるよう準備する。
事後学習/Reviewing ①授業内容を復習し、理解をさらに深める。
②ハンドアウトの内容およびそこに記入されている文献を中心に独学を行い、その学習プロセスで生じた疑問点などを次回の授業で質問できるよう準備する。
6
授業計画/Class カイゼン(原価改善)とムダとり(2):
①カイゼン概念を復習したのち、前回とは異なるカイゼンとムダとりの映像資料を視聴して理解を深める。
②ムダ(無駄)の概念化を行い、トヨタ生産方式の7つのムダ(無駄)を学び、自分の身の周りのムダ(無駄)の存在を理解する。
③原価改善活動のベースとしての5Sの基本を理解し、映像資料を通じてその意義を考察する。
④最後に小リポートを回収する。
事前学習/Preparation 前回の授業内容の不明点などを質問できるよう準備する。
事後学習/Reviewing ①授業内容を復習し、理解をさらに深める。
②ハンドアウトの内容およびそこに記入されている文献を中心に独学を行い、その学習プロセスで生じた疑問点などを次回の授業で質問できるよう準備する。
7
授業計画/Class ボトルネックのマネジメント(1):
①ボトルネックのマネジメントが重要であることを学ぶ。
②『ザ・ゴール』という本を素材にして、本物の知識を獲得する。
③トヨタ生産方式(カンバン方式)と制約理論(TOC)の適用範囲が広いことを理解する。
④最後に小リポートを回収する。
事前学習/Preparation 前回の授業内容の不明点などを質問できるよう準備する。
事後学習/Reviewing ①授業内容を復習し、理解をさらに深める。
②ハンドアウトの内容およびそこに記入されている文献を中心に独学を行い、その学習プロセスで生じた疑問点などを次回の授業で質問できるよう準備する。
8
授業計画/Class ボトルネックのマネジメント(2):
①前回の復習とつづき
②カイゼン(原価改善)効果の測定を学ぶ。
③TOCとスループット会計の基本的内容を理解する。
④最後に小リポートを回収する。
事前学習/Preparation 前回の授業内容の不明点などを質問できるよう準備する。
事後学習/Reviewing ①授業内容を復習し、理解をさらに深める。
②ハンドアウトの内容およびそこに記入されている文献を中心に独学を行い、その学習プロセスで生じた疑問点などを次回の授業で質問できるよう準備する。
9
授業計画/Class タイムベース競争戦略と業績管理会計:
①前回に続いて、トヨタ生産方式(カンバン方式)とTOCの理論化と外延拡張(具象化)を行う。併せて、プロ経営者の経営改革のコンセプトを学ぶ。
②京セラのアメーバ経営システムの一部を映像資料に基づいて考察する。
③最後に小リポートを回収する。
事前学習/Preparation 前回の授業内容の不明点などを質問できるよう準備する。
事後学習/Reviewing ①授業内容を復習し、理解をさらに深める。
②ハンドアウトの内容およびそこに記入されている文献を中心に独学を行い、その学習プロセスで生じた疑問点などを次回の授業で質問できるよう準備する。
10
授業計画/Class 戦略実行と業績管理会計:
①ヤマト運輸の少数精鋭の意味を学ぶ。
②京セラのアメーバ経営を自社流に展開している㈱DISCOの管理会計制度「WILL会計」について映像資料に基づいて考察する。
③星野リゾートでのユニット制を考察する。
④最後に小リポートを回収する。
事前学習/Preparation 前回の授業内容の不明点などを質問できるよう準備する。
事後学習/Reviewing ①授業内容を復習し、理解をさらに深める。
②ハンドアウトの内容およびそこに記入されている文献を中心に独学を行い、その学習プロセスで生じた疑問点などを次回の授業で質問できるよう準備する。
11
授業計画/Class ホワイトカラーの生産性向上(タイム・マネジメント):
①昨今注目されている残業禁止、ワーク・ライフ・マネジメント、タイム・マネジメント(時間管理)の映像資料を通じて、ホワイトカラーの生産性について学ぶ。
②間接費削減プログラムであるOVAの概要を学ぶ。
③最後に小リポートを回収する。
事前学習/Preparation 前回の授業内容の不明点などを質問できるよう準備する。
事後学習/Reviewing ①授業内容を復習し、理解をさらに深める。
②ハンドアウトの内容およびそこに記入されている文献を中心に独学を行い、その学習プロセスで生じた疑問点などを次回の授業で質問できるよう準備する。
12
授業計画/Class 原価企画(1):
①前回考察したタイム・マネジメントについて別のケースを映像資料を通じて考察する。
②内容を一転して、コスト・マネジメント(原価管理)の体系のうち、製造前段階のコスト・マネジメントである「原価企画」について、そのコンセプトとケースを学ぶ。
③最後に小リポートを回収する。
事前学習/Preparation 前回の授業内容の不明点などを質問できるよう準備する。
事後学習/Reviewing ①授業内容を復習し、理解をさらに深める。
②ハンドアウトの内容およびそこに記入されている文献を中心に独学を行い、その学習プロセスで生じた疑問点などを次回の授業で質問できるよう準備する。
13
授業計画/Class 原価企画(2):
①ライフサイクル・コスティングについて学ぶ。
②VE(価値工学)やファンクショナル・アプローチの考え方と技術を学ぶ。
③最後に小リポートを回収する。
事前学習/Preparation 前回の授業内容の不明点などを質問できるよう準備する。
事後学習/Reviewing ①授業内容を復習し、理解をさらに深める。
②ハンドアウトの内容およびそこに記入されている文献を中心に独学を行い、その学習プロセスで生じた疑問点などを次回の授業で質問できるよう準備する。
14
授業計画/Class 日本電産・永守流経営を学ぶ:
①原価企画における価格決定をGUとイケアのケースに基づいて学ぶ。
②日本電産㈱の永守流経営(3Q6Sなど)の神髄に迫る。
③最後に小リポートを回収する。
事前学習/Preparation 前回の授業内容の不明点などを質問できるよう準備する。
事後学習/Reviewing ①授業内容を復習し、理解をさらに深める。
②ハンドアウトの内容およびそこに記入されている文献を中心に独学を行い、その学習プロセスで生じた疑問点などを次回の授業で質問できるよう準備する。
15
授業計画/Class 価格戦略のタイプ+コスト戦略の実行:
①価格戦略のうち、「価格差別」のコンセプトとケースを学ぶ。
②西松屋のケースを観察し、コスト戦略の実行について学ぶ。
③最後に小リポートを回収する。
事前学習/Preparation 前回の授業内容の不明点などを質問できるよう準備する。
事後学習/Reviewing ①授業内容を復習し、理解をさらに深める。
②ハンドアウトの内容およびそこに記入されている文献を中心に独学を行う。
授業方法/Method of instruction
区分/Type of Class 対面授業 / Classes in-person
実施形態/Class Method 通常型 / regular
補足事項/Supplementary notes すべての授業を対面で実施する。
 コンセプトの理解とケース(企業事例)を通じた学習が中心です。ケースを用いるのは処方箋を書くためではありません。基本コンセプトをより深くそして確実に理解するためです。
活用される授業方法/Teaching methods used
成績評価方法/Evaluation
1 平常点 In-class Points 60% 毎回の授業終了後に回収する小リポートの質
2 試験 Exam 40% 状況によっては、リポートに変更する可能性がある。
教科書/Textbooks
 コメント
Comments
1  配付資料に基づいて講義を実施しますので、教科書を使用する予定はありません。
参考書/Reference books
 コメント
Comments
 
1  講義中に適宜紹介します。
メッセージ/Message
 単位を簡単に修得することにのみ関心を有する学生には不向きな授業ですので、履修登録にあたって慎重に検討してください。
その他/Others