講義内容詳細:ヨーロッパ政治論Ⅰ

戻る
年度/Academic Year 2022
授業科目名/Course Title (Japanese) ヨーロッパ政治論Ⅰ
英文科目名/Course Title (English) European Politics Ⅰ
学期/Semester 前期 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 武田 健
英文氏名/Instructor (English) TAKEDA Ken

講義概要/Course description
この授業では、欧州統合およびEUEuropean Union)の政治について学びます。

念頭に置くのは以下の問いです。
1.ヨーロッパではどのような諸形態で「統合(integration)」が進んできたのか。
2.なぜヨーロッパにおいて統合が進む時、進まない時があるのか。
3.EUの制度、法、政策にはどのような特徴があり、なぜ、そのような特徴が出ているのか。
4.昨今の危機(ユーロ危機、難民・移民危機、コロナ危機)に対して、EUはどのように対応し、また、なぜそのような対応になっているのか。
5.それらの危機は、統合を進める効果をもたらしたのか、それとも統合を停滞、もしくは後戻りさせるような効果をもたらしたのか。

この授業の狙いは、これらの問いを考察するために必要とされる知識と学術的な物事の見方を学ぶことである。

授業の序盤では、欧州統合のこれまでの展開についての基本的な知識を獲得する。中盤では、EUの制度、法、政策の特徴を捉え、なぜそのような特徴を持つようになっているのかについての考察を進める。終盤に入ると、過去10数年の間にEUが直面した様々な危機のうち、ユーロ危機、難民・移民危機、Covid-19の危機を取り上げて考察を行う。
達成目標/Course objectives
目標は以下の5点です。
1. どのような形態で欧州統合が進められてきたのかを理解する。
2.  EUの制度、法、政策についての基本的な知識を習得する。
3.  欧州統合の発展を後押ししたと考えられる諸要因は何かについて、学術上の議論・論争を理解する。
4.  近年の危機(ユーロ危機、難民・移民危機、コロナ危機)に対して、EUがどのように対応したのかを把握するとともに、なぜそのような対応になったのかを考察する。
5.それらの危機は、一部のメディアや著作物で指摘されたように、統合を「後退」させたり、EUを「崩壊」させるような効果を持ったのかどうかを考察する。
履修条件(事前に履修しておくことが望ましい科目など)/Prerequisite
ヨーロッパ圏概論と欧州国際政治論も併せて履修すると、EU・ヨーロッパの政治についてよりいっそう理解が深まると考えられます。
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class 担当教員が授業の内容と進め方について説明します。【初回のみ、オンライン授業(オンデマンド型)】
2
授業計画/Class 欧州統合のこれまでの展開  【第2週目以降は教室での対面授業】
3
授業計画/Class EUの制度的な特徴
4
授業計画/Class EU法の特徴
5
授業計画/Class EUの政策の特徴
6
授業計画/Class 欧州統合の理論
7
授業計画/Class 前半のまとめと中間テスト
8
授業計画/Class 単一通貨ユーロ
9
授業計画/Class ユーロ危機
10
授業計画/Class 難民・移民危機の発生
11
授業計画/Class EUの難民・移民危機への対応
12
授業計画/Class 様々な危機のEUへの影響:政治力学、制度、政策の変化
13
授業計画/Class Covid-19の危機
14
授業計画/Class EUのパンデミックへの対応
15
授業計画/Class 総括と授業内の最終テスト
 
事前学習/Preparation 毎回、指定文献をしっかりと読みこみ、短めに要約してきましょう。
事後学習/Reviewing 授業内容を踏まえて復習し、課題に取り組み、さらに理解を高めましょう。
授業方法/Method of instruction
区分/Type of Class 対面授業 / Classes in-person
実施形態/Class Method 通常型 / regular
補足事項/Supplementary notes第1週目のみオンライン授業(オンデマンド型)で、第2週目以降は対面型を予定しております。
活用される授業方法/Teaching methods used
成績評価方法/Evaluation
1 試験 Exam 70% 中間試験(35%)と最終試験(35%)
2 レポート Report 20% 小課題とリアクションペーパー
3 平常点 In-class Points 10% 授業への積極的な参加(議論、教員からの問いかけへの応答、質問など)。
課題(試験やレポート等)に対するフィードバックの方法/Feedback methods for assignments (exams, reports, etc.)
中間試験とレポート(小課題)はコースパワー上で提出し、それに対して教員から評点とコメントを付したフィードバックが与えられます。
参考書/Reference books
 著者名
Author
タイトル
Title
出版社
Publisher
出版年
Published year
ISBN価格
Price
コメント
Comments
 
1 中村民雄 EUとは何か(第3版) 信山社 2019 4797236272 1800円+税 第3版が最新版です。
2 坂井一成, 八十田博人編著 よくわかるEU政治 ミネルヴァ書房 2020.4 9784623088249 2700円+税 蔵書情報 / Library information
メッセージ/Message
積極的な質問を歓迎します。
キーワード/Keywords
EU     欧州統合     ヨーロッパ     ユーロ危機     コロナ危機     Covid-19     難民     移民