講義内容詳細:欧州国際政治論/ヨーロッパ圏概論Ⅱ

戻る
年度/Academic Year 2022
授業科目名/Course Title (Japanese) 欧州国際政治論/ヨーロッパ圏概論Ⅱ
英文科目名/Course Title (English) International Politics in Europe/Introduction to Area Studies Ⅱ:Europe
学期/Semester 後期 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 武田 健
英文氏名/Instructor (English) TAKEDA Ken

講義概要/Course description
この授業では第二次世界大戦とその後のヨーロッパ統合の史的展開をたどります。

20世紀前半、ヨーロッパ諸国は2度の世界大戦を経験しました。第2次大戦が終わるとヨーロッパは東西に分断され、冷戦時代に入ると同時に、西側では欧州統合が開始、進展しました。さらに時が進み冷戦が終結すると、それまで東西に分かれ対峙していた国々がEUの中で一緒に協力関係を築くようになりました。

このようにヨーロッパの国際政治は20世紀の間に大きな変貌を遂げました。戦争で激しく戦い合ったり、東西に分かれて対峙したりしていた国々が、今では欧州統合の枠組みの中で互いに手を携えて協力するようになったのです。ただし欧州統合は常に順風満帆に進んできたわけではなく、様々な危機に陥ったり、内部で意見対立が激しくなったり、統合が停滞していた時期もあります。

この授業では、第2次大戦終結後のヨーロッパにおいてなぜ、どのように統合が進展してきたのか、そしてどのような停滞や危機を経験してきたのかを理解しつつ、その時々における統合の進展と停滞を生み出した諸要因について考察することを目的とします。
達成目標/Course objectives
以下の3点を目標とします。
1. ヨーロッパの国々の関係性が20世紀の間にどのように変化したのかについて理解する。
2. ヨーロッパ統合の展開上、重要であった出来事についての知識を深める。
3. その時々で統合の進展と停滞を生み出してきたと考えられる諸要因について、一つの視点にこだわりすぎずに、多角的な視点から考察することの重要性を認識する。
履修条件(事前に履修しておくことが望ましい科目など)/Prerequisite
外交史IとII、ヨーロッパ圏概論、ヨーロッパ政治論IとIIなどと併せて履修すると、よりいっそう理解が深まると期待されます。
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class 授業の内容と進め方について、担当教員が説明します。【初回の授業のみ、オンライン授業(オンデマンド型)です】
2
授業計画/Class 第2次世界大戦の始まり 【第2回目以降の授業は対面です】
3
授業計画/Class 第2次世界大戦の展開と終結
4
授業計画/Class ヨーロッパ冷戦構造の形成:第2次大戦期の動向
5
授業計画/Class ヨーロッパ冷戦構造の形成:第2次大戦後の展開
6
授業計画/Class 西ヨーロッパにおける統合の始まり:欧州石炭鉄鋼共同体
7
授業計画/Class 欧州防衛共同体の失敗から、ヨーロッパ経済統合へ:欧州経済共同体
8
授業計画/Class 中間試験
9
授業計画/Class 1960年代の統合の進展:関税同盟と共通農業政策
10
授業計画/Class 1960年代の統合の動揺:ドゴールの空席戦術とルクセンブルクの妥協
11
授業計画/Class リベラルな規範を守ろうとする欧州共同体の誕生:デモクラシー、人権、自由、法の支配
12
授業計画/Class リベラルな国際秩序の擁護者としてのEUの発展と限界
13
授業計画/Class 西欧諸国の経済的苦境と統合の停滞:1970年代から1980年代初頭まで
14
授業計画/Class 欧州統合の再出発(単一市場の形成、EUの誕生、ユーロ導入へ):1980年代から1990年代初頭にかけて
15
授業計画/Class 授業内試験
 
事前学習/Preparation 配布された指定文献を読み、前提となる知識を得たうえで授業に臨みましょう。
事後学習/Reviewing 授業内容を踏まえて、教員が提示した「問い」について自身で考えましょう(小課題)。またリアクションペーパーを求める回もあります。
授業方法/Method of instruction
区分/Type of Class 対面授業 / Classes in-person
実施形態/Class Method 通常型 / regular
補足事項/Supplementary notes担当教員による講義がメインです。履修人数にもよりますが、グループワークもしくは小課題を時折、行う予定です。中間テストと授業内の最終テストがあります。教材はCourse Powerで配布します。
活用される授業方法/Teaching methods used
成績評価方法/Evaluation
1 試験 Exam 70% 中間テスト(35%)と授業内最終テスト(35%)
2 レポート Report 20% 小課題とリアクションペーパー(20%)。
3 平常点 In-class Points 10% 授業内の議論への積極的な参加(10%)
課題(試験やレポート等)に対するフィードバックの方法/Feedback methods for assignments (exams, reports, etc.)
中間テストと小課題に評価点数とコメントを付す形で、フィードバックを行います。
教科書/Textbooks
 
1
参考書/Reference books
 著者名
Author
タイトル
Title
出版社
Publisher
出版年
Published year
ISBN価格
Price
 
1 臼井陽一郎編著 変わりゆくEU 明石書店 2020.4 4750350036 2800円+税 蔵書情報 / Library information
2 益田実, 山本健編著 欧州統合史 ミネルヴァ書房 2019.4 9784623084913 3800円+税 蔵書情報 / Library information
3 遠藤乾編 ヨーロッパ統合史 名古屋大学出版会 2014.4 9784815807672 3200円+税 蔵書情報 / Library information
キーワード/Keywords
欧州統合     欧州統合史     EU