講義概要/Course description
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日本の将来はアジア太平洋の国際関係の動向にますます影響を受ける時代になりました。我々一人一人の人生とこの地域の国際関係が深く結びつく時代が到来したということです。 そして、そのアジア太平洋の国際関係は太平洋戦争終結後、最も激しく変化しています。軍事紛争の勃発すら予想されるほどに国家間の緊張が高まっています。 本講義の目的は、アジア太平洋の戦後国際関係の大きな流れを学習し、今日この地域が直面している課題を歴史的・理論的視野にたって理解することにあります。 初めに戦後のアジア太平洋の国際関係史を振り返りながら、太平洋戦争を経て新たな独立国が登場し、国造りを開始する過程、そして冷戦という国際的な対立の余波を受けながらも国家という枠組みの構築のためにこの地域の諸国が苦悩する歴史をたどります。次いで、70年代以降、緩やかであるが一つのまとまりをもった「東南アジア」や「アジア太平洋」という地域概念が生まれてくる過程を検討します。 また近年の「インド太平洋」という地域概念や日本をはじめとするこの地域の諸国が推進している「インド太平洋戦略」についてもお話しします。 冷戦の終結や経済のグローバル化の影響を受けて、政治・経済・社会的な変動期にあるアジア太平洋の諸国の現状を分析し、この地域の望ましい地域秩序のあり方を考えたい。授業では単に歴史をたどるだけでなく、国際政治経済現象を分析する理論的枠組みを紹介し、環太平洋の国際関係を「理論的に」考えるための手がかりを提供したい。 授業ではまた、現在進行中の新型コロナウイルスの危機がアジアの諸国と国際関係に及ぼすであろう影響についても論じたい。
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達成目標/Course objectives
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アジア太平洋の戦後の国際関係の展開を理解すること
われわれ日本の将来はますますアジア太平洋のそれと深く結びつくようになっています。皆さんが平和で豊かな生活を送るには、アジア太平洋の諸国も平和で豊かでなくてはなりません。この授業では、戦後のアジア太平洋の国際関係の経緯をたどりつつ、いまこの地域がどのような課題を抱えているのかを説明します。この授業を通じて、われわれの周辺で何が起こっているのか、それがわれわれの将来にどのような意味を持っているのかを理解して欲しいと思います。また、そうした問題について自分の考えをまとめ、それを的確に文章で表現できるようになってほしいと思います。 私自身の海外での研究、調査、共同県有、シンポジウム、セミナーなどの経験も紹介しつつ、新鮮な視点でインド太平洋の国際関係を論じるよう心掛けたいと思います。
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履修条件(事前に履修しておくことが望ましい科目など)/Prerequisite
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毎日、新聞の国際面に目を通すこと。
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授業計画/Lecture plan
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1
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授業計画/Class |
第1回目の授業はオンライン(オンデマンド)で行います。アクセスはCoursePowerで連絡します。 1、授業の概要説明、授業計画、実施方法、成績評価、参考文献の紹介など 2、履修生との質疑応答 |
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2
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授業計画/Class |
2、戦争、革命、独立、国家形成 |
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3
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授業計画/Class |
3、冷戦と戦争、分断国家 (対立するイデオロギー、地域紛争と戦争) |
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4
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授業計画/Class |
4. アジアの経済:停滞から発展へ |
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5
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6
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授業計画/Class |
6. アジア太平洋の国際関係とASEAN(東南アジア諸国連合) |
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7
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8
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9
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授業計画/Class |
9、 北朝鮮の核・ミサイル問題と国際社会・地域社会の対応 |
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10
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授業計画/Class |
10、アメリカとアジア太平洋 |
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11
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12
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13
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14
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授業計画/Class |
14、COVID-19とインド太平洋の国際関係 |
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15
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事前学習/Preparation |
1、CoursePowerで事前に配布さ入れたレジュメや資料を熟読し、質問や疑問点を整理すること。 2,講義内容に関連するニュースや論説を読む。 |
事後学習/Reviewing |
1,授業内容の確認 2,疑問点の整理 3,講義関連の論説やニュースを読む |
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授業方法/Method of instruction
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区分/Type of Class |
対面授業 / Classes in-person
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実施形態/Class Method |
ハイブリッド型ブレンド形式 / hybrid blend
補足事項/Supplementary notes 講義に関する情報や授業資料の紹介、レポートの提出などはCourse Powerを使用します。 毎回A4 3-5枚程度のレジュメを事前にポータル(CoursePower)で配布します。これをプリントアウトして授業に臨んでください。関連資料等もポータルを通じて配布します。 (なお、CoursePower上のレジュメ等は予告なく消去することがあるので、速やかにダウンロードし、自分のファイルに収めておいてください) 授業の最後に質問時間をとります。積極的に発言してください。
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活用される授業方法/Teaching methods used |
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成績評価方法/Evaluation
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1 |
平常点 In-class Points
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10%
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授業に積極的に参画(質問への回答や疑問点の提起、自分の意見の表明など)願います。
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レポート Report
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30%
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期末レポートを提出してもらいます(分量はA4 2~3枚程度)。レポートの課題は「論文批判」です。あらかじめ指示された論文から一つを選び、その内容を批判してください。「論文の読み方」は授業時に随時説明します。レポートの提出はCourse Powerで行います。
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3 |
試験 Exam
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60%
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期末試験を行います。
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教科書/Textbooks
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| コメント Comments |
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特に指定しませんが、以下の本を購入して読むこと。山影進編「新しいASEAN](アジア経済研究所、2011年12月)。この本はASEAN(東南アジア諸国連合)について総合的に分析したものですが、アジア太平洋の国際関係を理解するうえでも参考になります。
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参考書/Reference books
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| コメント Comments | |
1 |
読むべき文献類は授業の際に紹介します。また、ポータル(Course Power)を通じて履修者に配布します。
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メッセージ/Message
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履修登録条件 高校の世界史(アジアの戦後史)程度の知識を持っていることが望ましい。
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その他/Others
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1、新聞の国際面を毎日読むこと、イギリスの公共放送BBCのウエッブサイトなどで英語の国際記事を読むこと。 2、授業の際に紹介された文献、資料を事前に丹念に読むこと。
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