講義内容詳細:宗教文化概論

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年度/Academic Year 2022
授業科目名/Course Title (Japanese) 宗教文化概論
英文科目名/Course Title (English) Religious Culture
学期/Semester 後期 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 國友 淑弘
英文氏名/Instructor (English) KUNITOMO Yoshihiro

講義概要/Course description
「宗教」と「文化」の関わりについて、目に見える具体的な個別の文化的現実を切り口として、キリスト教音楽の展開について学びます。ヘブライ文化を起源としてパレスチナからギリシア、ヨーロッパ、アメリカ、更には日本にまで伝わった「キリスト教」とその「音楽」は、各地の風土の中でどのように営まれ「文化」として反映されるようになったのか。前半は聖書にある音楽の記述から、ギリシア、ヨーロッパ全土へと広がりを見せる西洋キリスト教音楽について、後半はアメリカから日本における黒人キリスト教音楽(黒人霊歌・ゴスペル)について、それぞれの現象を学びます。主に歌、声に注目し、音楽データによる鑑賞とその考察を通史的にたどります。
達成目標/Course objectives
・キリスト教と音楽の流れを背景にある歴史・文化とともに通史的にたどることで、その多様性・重層性を捉え、歴史への客観的視野を養い、異文化理解を深めます。
・宗教改革・ルネサンス・リヴァイヴァルなどの変革期に、宗教や思想、音楽がどのような役割を果たしたかを認識します。
・人間の内面:人間性・感性への洞察を深め、それを土台として宗教・芸術文化の意味を問い総合的知を学ぶと共に思考力を養います。                                    
・宗教・芸術の本質を学ぶ中で人間の尊厳性、思想・表現の自由、文化の相対性などを捉え、今日の世界的な課題を見出し、各自の問題意識を高めます。
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class 第1回(第1回目はオンデマンド授業で実施します)講義概要、聖書の中の音楽:聖書(旧約・新約)に記述されている音楽、賛美の文化について学ぶ。
事前学習/Preparation 聖書の中の音楽に関する記述について調べておくこと。
事後学習/Reviewing レジュメと共に授業で学んだ聖書の中の音楽に関する内容を復習しておくこと
2
授業計画/Class 第2回 初期キリスト教とグレゴリオ聖歌:地中海沿岸に広がりを見せる初期キリスト教の典礼と作曲家並びにグレゴリオ聖歌について学ぶ。
事前学習/Preparation 4世紀ごろまでの初期キリスト教並びに8世紀から10世紀にかけてのローマ・カトリックの歴史を概観しておくこと。
事後学習/Reviewing レジュメと共に授業で学んだ典礼に伴う音楽について復習しておくこと。
3
授業計画/Class 第3回 中世初期からルネサンス期の教会音楽:ポリフォニーの成立と発展、フランドル楽派に至るまでの音楽並びに15世紀から16世紀のルネサンス期に作られた音楽文化について学ぶ。
事前学習/Preparation 9世紀から14世紀におけるヨーロッパの歴史とルネサンス期の文芸について概観しておくこと。
事後学習/Reviewing レジュメと共に授業で学んだ各用語と音楽内容を理解しておくこと。
4
授業計画/Class 第4回 宗教改革とその影響:宗教改革者によって異なる教会音楽の変化とそれぞれの発展について学ぶ。
事前学習/Preparation ヨーロッパで起こった宗教改革について概観しておくこと。
事後学習/Reviewing 改革と共にさまざまな形で変化していく音楽の形を理解しておくこと。
5
授業計画/Class 第5回 イングランドの教会音楽:イングランド特有の宗教改革によって大陸とは異なる発展をした教会音楽について学ぶ。
事前学習/Preparation 16世紀から18世紀にかけてのイングランドの歴史を概観しておくこと。
事後学習/Reviewing 宗教改革に翻弄されながらも作品を創り続ける作曲家について理解しておくこと。
6
授業計画/Class 第6回 バロック期の教会音楽:イタリア・ヴェネツィア楽派が各地に与えた影響からバッハ、ヘンデルに至るバロック期の教会音楽について学ぶ。
事前学習/Preparation バロック期のヨーロッパの歴史を理解しておくこと。
事後学習/Reviewing レジュメと共に作曲家の活動について理解しておくこと。
7
授業計画/Class 第7回 19世紀のキリスト教音楽:初期ロッシーニ、シューベルト、メンデルスゾーン、そして後期ワーグナーとブラームスに至る19世紀に活躍した作曲家のキリスト教音楽について学ぶ。
事前学習/Preparation 今までに学んだ19世紀の著名な作曲家たちについて調べておくこと。
事後学習/Reviewing 19世紀の作曲家のキリスト教音楽に対する姿勢を理解すること。
8
授業計画/Class 第8回 アメリカ音楽の誕生:ピルグリム、ピューリタン宗教的思想、信仰復興運動とキャンプ・ミーティングの音楽文化について学ぶ。
事前学習/Preparation 17世紀から19世紀のアメリカの歴史について概観しておくこと。
事後学習/Reviewing アメリカで展開されるキリスト教信仰とその音楽文化を理解すること。
9
授業計画/Class 第9回 黒人霊歌:黒人霊歌の成り立ちとその音楽について学ぶ。
事前学習/Preparation アフリカ系アメリカ人の歴史について理解しておくこと。
事後学習/Reviewing 南北戦争以前のアフリカ系アメリカ人の歴史とその音楽の関係を復習しておく。
10
授業計画/Class 第10回 ゴスペル・ミュージックの成立と発展:ゴスペル・ミュージックの興隆について、初期のスタイルと活躍したアーティストからその文化背景を学ぶ。
事前学習/Preparation 南北戦争以降から20世紀初期におけるアフリカ系アメリカ人の歴史を理解しておくこと。
事後学習/Reviewing レジュメと共に授業で学んだゴスペルをYouTube動画などで視聴、復習しておくこと。
11
授業計画/Class 第11回 公民権運動と音楽:アメリカ公民権運動時代におけるゴスペル・ミュージックの展開について学ぶ。
事前学習/Preparation アメリカ公民権運動について概観しておくこと。
事後学習/Reviewing レジュメと共にその時代の歌詞と音楽について復習しておくこと。
12
授業計画/Class 第12回 モダンゴスペルとソウルミュージック:モダンゴスペルとソウルミュージックの音楽文化について活躍したアーティストから学ぶ。
事前学習/Preparation ソウルミュージックとそのアーティストについて概観しておくこと。
事後学習/Reviewing 各音楽文化がどのような経緯で生まれ、展開されていったのかについて理解すること。
13
授業計画/Class 第13回 アーバンゴスペル、CCM、ヒップホップ:ワーシップソング、ゴスペルラップなどを含むCCMの発展と、教派によって異なる音楽文化について学ぶ。
事前学習/Preparation 20世紀のさまざまな音楽文化の形態について概観しておくこと。
事後学習/Reviewing 各音楽文化がどのような経緯で生まれ、展開されていったのかについて理解すること。
14
授業計画/Class 第14回 日本におけるキリスト音楽:日本における黒人キリスト教音楽(黒人霊歌・ゴスペル)の受容と普及について学ぶ。
事前学習/Preparation 日本のキリスト教の歴史を概観しておくこと。
事後学習/Reviewing 日本におけるゴスペル・ミュージックの発展とその文化について復習しておくこと。
15
授業計画/Class 第15回 2000年以降のキリスト教音楽とまとめ:2000年以降のキリスト教音楽文化を学ぶ。
事前学習/Preparation 2000年以降に起こった世界的な出来事を復習しておくこと。
事後学習/Reviewing アナロジカルに宗教文化の在り方について考えること。
授業方法/Method of instruction
区分/Type of Class 対面授業 / Classes in-person
実施形態/Class Method ハイブリッド型ブレンド形式 / hybrid blend
補足事項/Supplementary notes可能な限り対面で実施するが、状況によりオンラインとなる場合がある。その場合は事前に連絡する。
活用される授業方法/Teaching methods used
成績評価方法/Evaluation
1 レポート Report 55% 学期末の最終レポート(内容については授業の中で指示します)
2 平常点 In-class Points 45% 各授業後のリアクションペーパー
課題(試験やレポート等)に対するフィードバックの方法/Feedback methods for assignments (exams, reports, etc.)
随時、必要に応じ講義内及びコースパワー等にてフィードバックを行う。
教科書/Textbooks
 コメント
Comments
1 随時プリント資料等を配布する。
関連の文献・音楽楽曲情報は随時紹介する。
メッセージ/Message
授業内での共有フォルダに演奏資料等をアップする予定です。積極的に活用して授業理解に役立てて欲しい。
その他/Others
・毎回、出席を取ることを予定しています。
・授業日数の3分の2以上の出席がないと単位を付与しません。