講義内容詳細:哲学史A

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年度/Academic Year 2022
授業科目名/Course Title (Japanese) 哲学史A
英文科目名/Course Title (English) History of Philosophy A
学期/Semester 前期 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 佐藤 拓司
英文氏名/Instructor (English) SATOH Takuji

講義概要/Course description
 哲学史を学ぶことは、それ自体が「哲学」そのものである。そしてそれはつねに「現代の哲学」でもある。
 偉大な哲学者、およびその哲学も、そのときどきの社会的環境、時代の政治・制度のもとで生まれたものである。そして同時に後世の政治・制度を形成していく動因でもある。それゆえ哲学史を学ぶことは必然的に歴史を学ぶことであり、そしてそれは「現代」に過去の哲学をよみがえらせることにもつながる。
 私たちは哲学の歴史を学ぶとき、つねにその哲学が時代の産物であったことを意識していなければならない。そしてその時代の問題意識と現代との差異に注意する必要がある。新たな問題意識が新たな哲学をつくりだす。だから哲学史を学ぶことは自ら「哲学する」ことにもなる。
 この講義では、以上の視点のもとに、古代ギリシアから近世初期までの哲学史を概観する。
達成目標/Course objectives
 この講義では、哲学の歴史を学びながら、同時にそれが今にどうつながっているかの考察を求めていく。この考察を自ら行うことができ、将来教壇に立つ者として恥ずかしくない哲学的素養を身につける。これを達成目標とする。
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class 導入:哲学史を学ぶということ
オンライン授業(オンデマンド型)での実施
2
授業計画/Class 古代ギリシアの概観―哲学の生まれた背景①
3
授業計画/Class 悲劇を読む―哲学の生まれた背景②
4
授業計画/Class 自然と驚き―ソクラテス以前の哲学
5
授業計画/Class ソクラテスの登場―プラトン①
6
授業計画/Class 当時のアテナイと『国家』―プラトン②
7
授業計画/Class プラトン対アリストテレス①-イデア論批判
8
授業計画/Class プラトン対アリストテレス②-時代の変化と求められる学問
9
授業計画/Class ヘレニズムの時代―エピクロス派とストア派に見る時代の変遷
10
授業計画/Class すべての道はローマへ通じる―キケロからセネカまで
11
授業計画/Class 新プラトン派、そしてグノーシス
12
授業計画/Class キリスト教の哲学①
13
授業計画/Class キリスト教の哲学②-中世とスコラ哲学
14
授業計画/Class ルネサンスとは何だったのか―「新時代」の幕開けと「古き良き時代」の終わり
15
授業計画/Class 終わりの始まり。
 
事前学習/Preparation 講義プリント(箇条書き版)がcoursepower上にて公開される。そのプリントにおける理解必須事項を教科書および参考文献をもとに調べておく。
事後学習/Reviewing 講義公開時間に合わせて別の講義プリント(文章解説版)が公開される。教科書および参考文献とともにそれを熟読して講義内容を復習する。
授業方法/Method of instruction
区分/Type of Class 対面授業 / Classes in-person
実施形態/Class Method 通常型 / regular
補足事項/Supplementary notes・対面授業。ただし初回のみオンライン(オンデマンド型)で行う。
・疑問点などがある場合はcoursepowerの質問、および掲示板システムを利用する。
・レポートを数回提出してもらう。
・教科書を指定してあるが、講義はけっしてそのとおりに進むわけではない。教科書はあくまで基礎をおさえるための自習用と考えてよい。
活用される授業方法/Teaching methods used
成績評価方法/Evaluation
1 レポート Report 70% レポートを1~2回提出してもらう。レポートは基本としてcoursepowerで行う。判定基準は①哲学史の正しい知識(30%)、②それぞれの哲学思想が生まれた背景、その時代に生きている人々への理解を有していること(20%)、③哲学史を現代に生きる自分に基づいて語ること(20%)。
2 平常点 In-class Points 30% 授業態度。質問および掲示板の内容など。
課題(試験やレポート等)に対するフィードバックの方法/Feedback methods for assignments (exams, reports, etc.)
・各回ごとにcoursepower上にて掲示板を公開。講義内容にかかわる質問、感想、意見などを記す。
・レポート提出もcoursepower上にて行う。
教科書/Textbooks
 著者名
Author
タイトル
Title
出版社
Publisher
出版年
Published year
1 岩崎武雄 西洋哲学史(再訂版) 有斐閣 1975
参考書/Reference books
 著者名
Author
タイトル
Title
出版社
Publisher
出版年
Published year
ISBNコメント
Comments
 
1 バートランド・ラッセル[著] ; 市井三郎訳 西洋哲学史 全3巻 みすず書房 1970 問題点もありますが、20世紀に生きた一人の哲学者による哲学史全体の概説書としてすぐれたものであり、おおいに有用です。個々の問題については講義内で触れる予定。
2 ヘーゲル著 ; 武市健人訳 哲学史序論 岩波書店 1967.5 4003362985 こちらは序論だけを一冊にまとめた文庫版です。全訳もべつに出版されています。 蔵書情報 / Library information
3 ヘーゲル著 : 長谷川宏訳 歴史哲学講義 上下巻 岩波書店 1994
4 クラウス・リーゼンフーバー 西洋古代・中世哲学史 平凡社 2000年 458276357x
5 萩野弘之 哲学の原風景 NHK出版 1999
6 萩野弘之 哲学の饗宴 NHK出版 2003
メッセージ/Message
 テストと単位のためだけでなく、「時代の哲学」を味わうという意識で講義に参加してほしいと思ってます。