講義内容詳細:相談心理学

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年度/Academic Year 2022
授業科目名/Course Title (Japanese) 相談心理学
英文科目名/Course Title (English) Consulting Psychology
学期/Semester 通年 単位/Credits 4
教員名/Instructor (Japanese) 富田 悠生
英文氏名/Instructor (English) TOMITA Yuuki

講義概要/Course description
 本講義においては心理相談を,対人援助及び支援を目的としたカウンセリング・心理療法と定義します。その基盤となる精神分析の諸理論,具体的には技法論・人格理論・発達理論について理解し,心理療法の臨床実践について学び,それらを通じて「人間のこころに触れるとは,どういう行為なのか」ということについて思索することを主な目標とします。
 構造化された心理療法は,自ら体験することなくして理解することはできません。しかし学部生の段階では,その機会は非常に限定されています。ほとんどの方が未経験ではないかと思います。
 授業では臨床事例を読み込むことによって,人間のこころに触れる現実に少しでも迫ることを試みます。しかしながら臨床事例を用いる方法によって,どこまで心理療法を理解することができるのか,本当のところは分かりません。もしかすると全く不可能かもしれませんし,上手くいけば入り口まで辿り着けることがあるのかもしれません。そのようなチャレンジをする授業だと考えていていただいた方が,授業の実際に即していると思います。
達成目標/Course objectives
 心理相談の基本的な考え方について学び,そして本質的な人間理解に迫るアプローチに触れながら,自己理解や他者理解がどのように生まれているのか,体験的に理解することを目指します。
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class オリエンテーション:心理相談の定義,オンライン授業の進め方(PC環境,インターネット環境,使用するwebサイトなどの確認作業を含む)
*初回のみ,オンデマンド型のオンライン授業を実施します。
2
授業計画/Class 心理療法の設定,セットアップについて
3
授業計画/Class アセスメント面接,見立てについて
4
授業計画/Class 見立て,治療契約,治療同盟について
5
授業計画/Class 治療者/患者(クライエント)がもつ期待と不安について
6
授業計画/Class 転移,変化を起こす解釈について
7
授業計画/Class 引き続き,転移について
8
授業計画/Class 心理療法の進展について
9
授業計画/Class 転移と逆転移について
10
授業計画/Class 治療者と患者(クライエント)との心的交流について
11
授業計画/Class here and nowについて
12
授業計画/Class 行動化について
13
授業計画/Class コンテイニング,α機能について
14
授業計画/Class 心的変化について
15
授業計画/Class 前期授業のまとめ
16
授業計画/Class 後期授業のガイダンス
初回のみ,オンデマンド型のオンライン授業を行います。
17
授業計画/Class 精神分析的心理療法を導入することについて
18
授業計画/Class コンサルテーションについて
19
授業計画/Class 投影同一化について                
20
授業計画/Class 共感について
21
授業計画/Class パーソナリティ障害について
22
授業計画/Class 精神病について
23
授業計画/Class 自閉スペクトラム症について
24
授業計画/Class 引き続き,自閉スペクトラム症について
25
授業計画/Class 神経症について
26
授業計画/Class 治療の終結と中断について
27
授業計画/Class 患者(クライエント)のニードとその変化について,プレ・サイコセラピーについて
28
授業計画/Class 心理療法家への臨床教育について
29
授業計画/Class 精神分析(精神分析的心理療法)のエビデンスについて
30
授業計画/Class 後期授業のまとめ
 
事前学習/Preparation coursepower上に呈示されている「参考資料(臨床事例)」を読んでおくこと。
事後学習/Reviewing 授業内で扱われた臨床事例の考察部分で使われている専門用語を調べてみること。
授業方法/Method of instruction
区分/Type of Class 対面授業 / Classes in-person
実施形態/Class Method ハイブリッド型ブレンド形式 / hybrid blend
補足事項/Supplementary notes授業時間はそれぞれ,「前回の授業の質問に答える時間」,「臨床概念を解説する時間」,「臨床事例を読む時間」,「(受講生が)質問を記述して提出する時間」に分かれています。授業後に提出される質問には,授業内容の理解度,新たに生成された疑問などが表現されていますので,それを反映して次回以降の授業を行います。よって,シラバスで示された内容が改変されることがあります。
*初回と第16回の授業はオンデマンド型のオンライン授業を行います。
*授業形態は,対面形式を基本としますが,感染状況を鑑みてオンライン形式を併用します。
*オンライン授業の実施については,CoursePowerによる通知および授業で指示します。
活用される授業方法/Teaching methods used
成績評価方法/Evaluation
1 試験 Exam 60% 試験あるいはレポートによって評価します。
2 平常点 In-class Points 40% 授業後に提出されるリアクション・ペーパーによって評価します。
参考書/Reference books
 コメント
Comments
 
1 講義のなかで,適宜,参考書を紹介します。また,必要に応じて講義内容に関する資料,及び補足資料等を配布します。
メッセージ/Message
科目履修にあたっては,受講者に初回のオリエンテーションに参加して下さい。様々な臨床事例を目にすることで,こころが揺さぶられる体験が生じます。そのとき,どのようなこころの状態に置かれるのか,関心をもつとよいと思います。
キーワード/Keywords
臨床心理学     心理療法     精神分析