講義概要/Course description
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本講義においては心理相談を,対人援助及び支援を目的としたカウンセリング・心理療法と定義します。その基盤となる精神分析の諸理論,具体的には技法論・人格理論・発達理論について理解し,心理療法の臨床実践について学び,それらを通じて「人間のこころに触れるとは,どういう行為なのか」ということについて思索することを主な目標とします。 構造化された心理療法は,自ら体験することなくして理解することはできません。しかし学部生の段階では,その機会は非常に限定されています。ほとんどの方が未経験ではないかと思います。 授業では臨床事例を読み込むことによって,人間のこころに触れる現実に少しでも迫ることを試みます。しかしながら臨床事例を用いる方法によって,どこまで心理療法を理解することができるのか,本当のところは分かりません。もしかすると全く不可能かもしれませんし,上手くいけば入り口まで辿り着けることがあるのかもしれません。そのようなチャレンジをする授業だと考えていていただいた方が,授業の実際に即していると思います。
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達成目標/Course objectives
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心理相談の基本的な考え方について学び,そして本質的な人間理解に迫るアプローチに触れながら,自己理解や他者理解がどのように生まれているのか,体験的に理解することを目指します。
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授業計画/Lecture plan
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1
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授業計画/Class |
後期授業のガイダンス 初回のみ,オンデマンド型のオンライン授業を行います。 |
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授業計画/Class |
精神分析的心理療法を導入することについて |
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6
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授業計画/Class |
引き続き,自閉スペクトラム症について |
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授業計画/Class |
患者(クライエント)のニードとその変化について,プレ・サイコセラピーについて
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授業計画/Class |
心理療法家への臨床教育について |
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授業計画/Class |
精神分析(精神分析的心理療法)のエビデンスについて |
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事前学習/Preparation |
coursepower上に呈示されている「参考資料(臨床事例)」を読んでおくこと。
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事後学習/Reviewing |
授業内で扱われた臨床事例の考察部分で使われている専門用語を調べてみること。 |
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授業方法/Method of instruction
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区分/Type of Class |
対面授業 / Classes in-person
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実施形態/Class Method |
ハイブリッド型ブレンド形式 / hybrid blend
補足事項/Supplementary notes授業時間はそれぞれ,「前回の授業の質問に答える時間」,「臨床概念を解説する時間」,「臨床事例を読む時間」,「(受講生が)質問を記述して提出する時間」に分かれています。授業後に提出される質問には,授業内容の理解度,新たに生成された疑問などが表現されていますので,それを反映して次回以降の授業を行います。よって,シラバスで示された内容が改変されることがあります。 *初回の授業はオンデマンド型のオンライン授業を行います。 *授業形態は,対面形式を基本としますが,感染状況を鑑みてオンライン形式を併用します。 *オンライン授業の実施については,CoursePowerによる通知および授業で指示します。
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活用される授業方法/Teaching methods used |
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成績評価方法/Evaluation
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試験 Exam
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60%
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試験あるいはレポートによって評価します。
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平常点 In-class Points
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40%
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授業後に提出されるリアクション・ペーパーによって評価します。
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参考書/Reference books
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| コメント Comments | |
1 |
講義のなかで,適宜,参考書を紹介します。また,必要に応じて講義内容に関する資料,及び補足資料等を配布します。
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メッセージ/Message
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科目履修にあたっては,受講者に初回のオリエンテーションに参加して下さい。様々な臨床事例を目にすることで,こころが揺さぶられる体験が生じます。そのとき,どのようなこころの状態に置かれるのか,関心をもつとよいと思います。
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キーワード/Keywords
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臨床心理学
心理療法
精神分析
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