講義内容詳細:監査事例研究Ⅲ

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年度/Academic Year 2022
授業科目名/Course Title (Japanese) 監査事例研究Ⅲ
英文科目名/Course Title (English) Case Study (Audit) Ⅲ
学期/Semester 前期集中 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 町田 祥弘
英文氏名/Instructor (English) MACHIDA Yoshihiro

講義概要/Course description
 AI技術の飛躍的な進歩は、監査業務や不正調査業務にも影響があると考えられており、同業務に対するAI技術の適用に関する研究も進められていますが、実用のレベルには至っていないのが現状です。仮に、AI技術が実用レベルに達したとしても、人間の役割が全くなくなるというわけではなく、人間にはAI技術を使いこなす技能の習得が求められます。
 当講義では、来るべきAI時代に向けて、監査法人でコンピュータがどのように活用されてきたのかについて理解するとともに、データ分析ツールの操作演習を通じて、監査におけるデータ分析の実践イメージを体験していただきます。
達成目標/Course objectives
この講義を通じて、コンピュータとデータを活用したデータ分析手法を理論面の理解だけではなく、操作演習を通じて、データ分析ツール(※)の操作イメージをもつことも達成目標としています。この講義を修了することで、監査におけるデータ分析の活用イメージを持つことが出来ます。
※:データ分析ツールは事前に指定し、自分が所有するWindowsパソコンにインストールして授業を受けていただきます。
履修条件(事前に履修しておくことが望ましい科目など)/Prerequisite
当講座はデータ分析ツールの操作演習を行うため、パソコンの基本操作(ソフトウエアの起動、終了、キーボード入力およびマウス操作など)ができることが必要です。
また、Windowsのノートパソコンの持参も必要です。
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class イントロダクション
 当講義における全体像を説明します。コンピュータが監査法人でどのように活用されているのかについて、コンピュータの歴史とともに解説します。
2
授業計画/Class 監査手法は監査目的とともに歴史的に変遷しています。当講義では、コンピュータを活用した監査手法であるCAATsや継続的監査(Continuous Auditing, CA)の位置づけや有効性、それぞれの課題について解説し、これからの監査手法についての考察を行います。
3
授業計画/Class オックスフォード大学のマイケル・A・オズボーン博士が2013年に発表した『未来の雇用』によると、「Accountants and Auditors」の職業は、94%の割合で人工知能(AI)やロボットに移っていくと予想されています。当講座では、人工知能(AI)が監査のどの分野に活用が期待されているのかについての解説および考察を行います。
4
授業計画/Class データ分析には分析対象となるデータの特定と入手が必要になります。このデータの特定と入手にはデータベースに関する知識が欠かせません。当講義では、データ分析に最低限必要な基礎知識(ファイルの種類やデータベースなど)の解説を行います。
5
授業計画/Class 監査におけるデータ分析の実践には、『データ分析』という概念を理解しておくことが重要になります。当講義では、『データ分析』を実践するに際して有用なフレームワーク(考え方や分析の枠組み)の解説を行います。
また、売上データなどから不正や誤謬の兆候を示す売上データを特定する手法として、統計分析手法が有効な場合があります。この講義では、統計分析手法の基本的な指標の一つである偏差値の算定方法の解説と、Excelを用いた演習問題を行います。
6
授業計画/Class データ分析演習(1)-1
「売上計上処理は深夜時刻には行わない」という仮説ものとで、データ分析ツールを使って、「深夜時刻に売上計上されたデータ」の抽出演習を行います。このデータ抽出に必要なデータ分析ツールの操作方法の解説および操作を行います。
7
授業計画/Class データ分析演習(1)-2
前回講義のデータ抽出演習の続きを行い、最後に解説を行います。
8
授業計画/Class データ分析演習(2)-1
「販売単価を恣意的に操作しているかもしれない」という仮説ものとで、データ分析ツールを使って、「年間売上取引データから、商品Noごとに販売単価が外れ値となっている売上取引データ」の抽出演習を行います。このデータ抽出に必要なデータ分析ツールの操作方法の解説および操作を行います。
9
授業計画/Class データ分析演習(2)-2
前回講義のデータ抽出演習の続きを行い、最後に解説を行います。
10
授業計画/Class データから何らかの“気づき”を得るためにはチャートなどを利用したビジュアライゼーション(視覚化)という手法が有効です。当講義では、ビジュアライゼーション(視覚化)の基礎知識を解説します。
11
授業計画/Class ビジュアライゼーション(視覚化)演習(1)
代表的なチャート(円グラフ、棒ブラフ、折れ線グラフ、散布図など)作成に必要なデータ分析ツールの事前準備に必要な操作解説と操作演習を行います。
12
授業計画/Class ビジュアライゼーション(視覚化)演習(2)
「円グラフ」および「棒ブラフ」作成に必要なデータ分析ツールの操作解説と操作演習を行います。
13
授業計画/Class ビジュアライゼーション(視覚化)演習(3)
「折れ線グラフ」、「散布図」作成および分析に有用な機能の活用に必要なデータ分析ツールの操作解説と操作演習を行います。
14
授業計画/Class データ分析演習(3)-1
売上データを対象にして、検討対象を抽出する演習問題を解いていただきます。
これまで学習してきた理論とツールを使用してデータ分析の実践を体験していただきます。
15
授業計画/Class データ分析演習(3)-2
前回講義のデータ抽出演習の続きを行い、最後に解説を行います。
 
事前学習/Preparation 事前に指示する資料を読んで理解しておいてください。
事後学習/Reviewing 講義形式が中心の講義(第1回~第5回)では、講義中に出てきたキーワードについて自分の言葉で説明できるように復習しておいてください。データ分析ツールの操作演習が中心の講義(第6回~第15回)では、学習したデータ分析ツールの操作方法およびデータ分析の視点を復習しておいてください。
授業方法/Method of instruction
区分/Type of Class 対面授業 / Classes in-person
実施形態/Class Method 通常型 / regular
補足事項/Supplementary notes第1回~第  5回:講義形式を中心に講義を進めます。第6回~第15回:CAATsツールを操作してデータ分析を実践する演習を中心に講義を進めます。
活用される授業方法/Teaching methods used
成績評価方法/Evaluation
1 レポート Report 70% 提出されたレポートの点数(100点)に左記割合を乗じた点数
2 平常点 In-class Points 30% 講義への参加状況
課題(試験やレポート等)に対するフィードバックの方法/Feedback methods for assignments (exams, reports, etc.)
提出されたレポートの全体について、総括的なコメントをします。
教科書/Textbooks
 コメント
Comments
1 テキストは、パワーポイントなどで準備します。
メッセージ/Message
これからの会計プロフェッションには、データ分析という技法を身につけることは必要不可欠になります。
当講座を受講していただくことで、データ分析の進め方やデータ分析ツールの基本操作方法を学んでいただき、監査におけるデータ分析の実践イメージを身に着けることが出来ます。
なお、当講座はパソコン初心者でもパソコンの基本操作(ソフトウエアの起動、終了、キーボード入力およびマウス操作など)ができれば、最後まで授業についていける様に配慮しながら進めていきますので、自分はパソコン初心者なので、授業についていけないのではないかと不安に思われている方は、ご安心ください。
その他/Others
●講義実施は、一般社団法人 国際コンピュータ利用監査教育協会の弓塲啓司が担当します。 

当講義を受講するためには、各受講生がノートパソコン(Windows)を持参する必要があります。
また、分析ツールの操作演習を伴うため、教室での受講が望まれます。
キーワード/Keywords
実務経験     コンピュータ利用監査技法(CAAT)     ACL Analytics     データ分析