講義内容詳細:現代社会の諸問題(個別科目)

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年度/Academic Year 2022
授業科目名/Course Title (Japanese) 現代社会の諸問題(個別科目)
英文科目名/Course Title (English) Problems in Modern Society (Independent Courses)
学期/Semester 前期 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 河見 誠
英文氏名/Instructor (English) KAWAMI Makoto

講義概要/Course description
テーマ:多文化共生と平等-グローバル時代の日本社会のゆくえ

 21世紀に入り、時代はますます大きく動いています。様々なあらわれ方(コロナ禍もその一つですが)をしているそのうねりをひと言で表すならば、グローバリズムと言えるでしょう。その波は益々大きくなり、留まることを知りません。
 私達の身のまわりにも、世界中のモノや文化的情報が満ち溢れています。しかしモノや情報だけでなく、隣に外国の人、外国につながる人が住んでいること、働いていることも珍しくなくなってきています。日本社会は社会自体として「内なるグローバル化」「内なる国際化」の時代に入ってきていると言えるでしょう。その人たちと「共に生きる」こと(「多文化共生」と言われています)ができるか。それが日本社会の将来を否応なく左右することになってきています。
 この講義では日本社会の多文化共生の現実(現在)を見ていきます。そして今後の日本社会において「共に生きる」あり方=多文化共生はどのようなものであるべきなのか(未来)、探っていきたいと考えています。
 その際、まずこれまでの歴史(未だ「過去」になっていませんが)からヒントを得るため、在日韓国朝鮮人の日本社会でのあり方、生きざまに目を向けることから始めます。そして多文化共生も人間関係である以上、人間関係を貫く基本原理である「平等」という法原理(憲法14条)を軸に据えます。そのうえで、今現在の多文化共生の様々な現実に切り込んできます。
 世界では移民排斥の動きも起こっています。しかし私達は「社会的動物」です。社会がそして私達一人ひとりが、グローバル時代の波に振り回されずに、むしろその中でもより豊かに生きていくことにつながる、「共に生きる」あり方を「多文化共生と平等」という観点をもとに探ってみたいと思います。
達成目標/Course objectives
1)日本社会の「内なるグローバル化」に伴う問題を当事者の観点から見つめることができるようになること。
2)日本の法・制度、社会・文化がどのように作用して「内なるグローバル化」にまつわる問題状況を生み出しているか、理解できるようになること。
3)「多文化共生」という概念について理解すること。
4)「平等」という法原理と「多文化共生」のつながりを理解すること。
5)「多文化共生」社会実現のための鍵を見いだすこと。
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class はじめに-日本文化は多様・多元的?【オンライン(オンデマンド型)】※課題を出します。下記「メッセージ」を参照。
2
授業計画/Class 日本社会は多様・多元的?
3
授業計画/Class 同じと違い-平等について考える
4
授業計画/Class 日本社会の外国人に対するスタンスを探る-在日韓国朝鮮人の歴史
5
授業計画/Class 三つの平等、三つの多元主義-違いに向き合う在日の若者に学ぶ
6
授業計画/Class 在日韓国朝鮮人の現状は? 
7
授業計画/Class 現在の日本社会の外国人に対するスタンスを探る-技能実習生
8
授業計画/Class 外国人(労働者)受け入れの歴史-なお「移民」ではない?
9
授業計画/Class 定住者とは共生しているか
10
授業計画/Class なぜ「同じ」に扱えない?-憲法のマジック
11
授業計画/Class なぜ「同じ」に扱えない?-生活現場の声
12
授業計画/Class 「違い」に向き合う共生の試み-高齢化する日本人と若い外国人、団地の試み(ゲスト講師を予定)
13
授業計画/Class 「違い」に向き合う共生の試み-外国につながる子どもたちも共に学ぶ小学校
14
授業計画/Class 外国人労働者への向き合い方・再考:来日してくる人たちの側から考える-途上国(カンボジア)の若者・子どもたちの状況(ゲスト講師を予定)
15
授業計画/Class まとめ-日本社会の課題と、多文化共生によって開かれる可能性:私達はどこへ向かうべきか
 
事前学習/Preparation 各回のテーマに関し、事前配布資料などを参考にしながら、自分なりに検討をして授業に臨むこと。
事後学習/Reviewing 授業を通して気づいたこと、考えたことを、毎回まとめること。
授業方法/Method of instruction
区分/Type of Class 対面授業 / Classes in-person
実施形態/Class Method 通常型 / regular
活用される授業方法/Teaching methods used
成績評価方法/Evaluation
1 試験 Exam 80%
2 平常点 In-class Points 20% 授業への参加度合い
教科書/Textbooks
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1 指定しませんが、下記<参考書>参照。
参考書/Reference books
 著者名
Author
タイトル
Title
出版社
Publisher
出版年
Published year
ISBN価格
Price
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1 河見誠著 現代社会と法原理 成文堂 2019.9 9784792306533 3400円+税 この授業では本書の5章のみを扱うので、教科書として指定しませんが、手元に置いて随時参照すれば理解に役立つでしょう。 蔵書情報 / Library information
メッセージ/Message
第1回目はオンデマンド動画の中で、本来の授業日の翌日4/6までに提出の(小さな)課題を出します。
キーワード/Keywords
多文化共生     平等     日本社会     グローバリズム     在日外国人     移民