| 著者名 Author | タイトル Title | 出版社 Publisher | 出版年 Published year | ISBN | 価格 Price | コメント Comments | |
1 |
D.ハラウエイ[ほか]著
|
「特集 人新世;地質年代が示す人類と地球の未来」『現代思想』第45巻第22号
|
青土社
|
2017.12
|
9784791713561
|
1400円+税
|
「人新世」をめぐるさまざまな視点からの論考をまとめた特集号。
|
|
2 |
塩田弘 [ほか] 編
|
エコクリティシズムの波を超えて
|
音羽書房鶴見書店
|
2017.5
|
9784755304019
|
3800円+税
|
「人新世」という概念からの登場を受けて、文芸批評の領域ではどうすればいいのかという問題意識に基づく論文集。
|
蔵書情報 / Library information
|
3 |
篠原雅武著
|
人新世の哲学
|
人文書院
|
2018.1
|
9784409030967
|
2300円+税
|
「人新世」という概念の登場が人間の思想に何をもたらすのかについての哲学の視点からの考察。
|
蔵書情報 / Library information
|
4 |
ガイア・ヴァンス著;小坂恵理訳
|
人類が変えた地球;新時代アントロポセンに生きる
|
化学同人
|
2015.7
|
9784759815986
|
3888円(税込み)
|
「人新世」の到来により地球に何が起こっているのか、世界各地を訪ね明らかにしたルポルタージュ。
|
|
5 |
クリストフ・ボヌイフ, J.B.ブレソズ著;野坂しおり訳
|
人新世とは何かー〈地球と人類の時代〉の思想史
|
青土社
|
2018.3
|
9784791770465
|
3456円(税込み)
|
「人新世」がどのように捉えられているのかについてのフランス語での概観を日本語に訳したもの。英訳もある。
|
|
6 |
ジョー・グルディ, D・アーミテイジ著 ; 平田雅博, 細川道久訳
|
これが歴史だ!
|
刀水書房
|
2017.9
|
9784887084292
|
2500円+税
|
長期的視野の復権と新しいテクノロジーの利用によって、公共の未来に資する歴史学を創り出すことをグルデイとアーミテイジは主張しているのですが、その中で「人新世」にも注目しています。歴史学にとっての「人新世」について考えるに当たっての有益な指摘がなされている一冊です。
|
蔵書情報 / Library information
|
7 |
ヴァイバー・クリガン=リード著;水谷淳[ほか]訳
|
サピエンス異変;新たな時代「人新世」の衝撃
|
飛鳥新社
|
2018.12
|
9784864106627
|
1950(税込み)
|
「人新世」という概念をめぐる議論がどこまで広がっているのかを象徴する一冊。
|
|
8 |
J.G.オッグ, G.M.オッグ, F.M.グラッドシュタイン著 ; 鈴木寿志訳
|
要説地質年代
|
京都大学学術出版会
|
2012.3
|
9784876985999
|
3400円+税
|
地質学での年代区分に関する概念や用語をカラーの図表を使って整理していて、この授業での議論の基礎。用語の適切な日本語表記を確定しようとする重要な試み。ただし、「人新世」は本書では簡単に言及されているだけです。
|
蔵書情報 / Library information
|
9 |
ミシュレ 著 ; 大野一道訳
|
山
|
藤原書店
|
1997.2
|
4894340607
|
3914円
|
『フランス革命史』で知られる19世紀を代表する歴史家による人間と地球環境の関わりを物語った博物誌四部作の一冊。『海』と共にフランスでの議論の大前提。
|
蔵書情報 / Library information
|
10 |
フェーヴル著 ; 飯塚浩二 [原訳] ; 田辺裕訳
|
大地と人類の進化
|
岩波書店
|
1971.7
|
4003345118
|
|
フランスのアナール学派の始祖による地球と人類の歴史についての長期的視野からの歴史。地理学者である飯塚氏による岩波文庫の二巻本。ある程度、定期的に復刊されることがある。
|
蔵書情報 / Library information
|
11 |
フェルナン・ブローデル 著 ; 浜名優美訳
|
環境の役割
|
藤原書店
|
1991.11
|
4938661373
|
8800円
|
20世紀後半の歴史研究に決定的な影響を与えたフランスの歴史家ブローデルの主著『フェリペ二世の時代の地中海の歴史』の第1巻。人間の歴史における自然環境の役割が「長期持続」という概念を通じて強調されている。
|
蔵書情報 / Library information
|
12 |
エマニュエル・ル=ロワ=ラデュリ 著 ; 稲垣文雄訳
|
気候の歴史
|
藤原書店
|
2000.6
|
4894341816
|
9240円
|
現代のアナール学派を代表する歴史家による「気候」の歴史。ミシュレ以来の問題意識がどのように継承されているのかがわかる。
|
蔵書情報 / Library information
|
13 |
ジョン・R・マクニール著
|
20世紀環境史
|
名古屋大学出版会
|
2011.9
|
9784815806774
|
5600円+税
|
20世紀の環境問題を歴史的概観した名著。日本語版序文では3.11にも言及されている。なお、著者は『世界史』のマクニールの息子で、20世紀後半から「人新世」に突入したとする論客の一人であるのだが、本書では「人新世」にはふれられていない。
|
蔵書情報 / Library information
|
14 |
デヴィッド・クリスチャン, シンシア・ストークス・ブラウン, クレイグ・ベンジャミン著 ; 石井克弥, 竹田純子, 中川泉訳
|
ビッグヒストリー
|
明石書店
|
2016.11
|
9784750344218
|
3700円+税
|
宇宙の誕生から「人新世」までのきわめて長い期間を対象とするスケールの大きな歴史。
|
蔵書情報 / Library information
|
15 |
ジャレド・ダイアモンド著 ; 楡井浩一訳
|
文明崩壊
|
草思社
|
2005.12
|
4794214642
|
2100円
|
ダイアモンドの3部作のうち、この授業での議論ともっとも関連深いもの。二巻本の草思社文庫版も出ている。
|
蔵書情報 / Library information
|
16 |
J.E.ラヴロック著 ; スワミ・プレム・プラブッダ訳
|
地球生命圏
|
工作舎
|
1984.10
|
4875020988
|
2400円
|
ガイア論の提唱者の著書の最初の日本語訳。ガイア論をめぐる議論の出発点。
|
蔵書情報 / Library information
|
17 |
荒俣宏著
|
大博物学時代
|
工作舎
|
1982.12
|
4875020902
|
3200円
|
ヨーロッパ諸国で地質学や古生物学をめぐる議論がどのようになされてきたのかを人物中心に紹介した一冊。博覧強記ということの意味について考えさせられる一冊。カバー以外には原色図版がないのは残念。
|
蔵書情報 / Library information
|
18 |
スティーヴン・J・グールド著 ; 渡辺政隆訳
|
時間の矢・時間の環
|
工作舎
|
1990.1
|
4875021623
|
2600円
|
進化学者・古生物学者・名エッセイストとして知られる著者による、地質学をめぐる古典の名著三冊を取り上げた研究。古典を読むということの意味を考えさせる一冊でもある。なお、「人新世」をめぐる議論が本格化する以前に著者は亡くなっている。
|
蔵書情報 / Library information
|
19 |
レイチェル・カーソン著 ; 青樹簗一訳
|
沈黙の春
|
新潮社
|
1974.2
|
4102074015
|
260円
|
環境問題をめぐる議論の原点とも言える名著の翻訳。文庫での再版が繰り返されており、研究文献も多い。
|
蔵書情報 / Library information
|
20 |
石牟礼道子著
|
苦海浄土
|
河出書房新社
|
2011.1
|
9784309709680
|
4100円+税
|
環境と人間をめぐる議論の日本語での原点の一つ、『苦海浄土』3部作を収めた一冊。『苦海浄土』は様々な形での出版が繰り返されている名著であり、解説を比較するのも興味深い。なお、池澤夏彦個人編集『世界文学全集』に選ばれた日本の作品は本書のみ。
|
蔵書情報 / Library information
|
21 |
大門正克著
|
語る歴史、聞く歴史
|
岩波書店
|
2017.12
|
9784004316930
|
860円+税
|
現在の歴史はいかにしたら語りうるのかという問題へのオーラルヒストリーの視点からの思索の書。
|
蔵書情報 / Library information
|
22 |
Dipesh Chakrabarty
|
The Crises of Civilization; Exploring Global and Planetary
|
Oxford University Press
|
2019.2
|
9780199486731
|
5904円
|
この授業での議論の根幹をなす論文が収録されている論文集で歴史や文明をめぐる議論と「人新世」をめぐる議論の橋渡しが試みられている。日本語訳はまだない。
|
|
23 |
J.Zalasiewics, C.N.Waters, M. Williams, C.Summerhayes編
|
The Anthropocene as a Geological TIme Unit
|
Cambridge University Press
|
2019.1
|
9781108475235
|
7433円(税込み)
|
Anthropoceneをめぐる議論を地質学の観点から再検討した論文集。
|
|
24 |
edited by Jason W. Moore
|
Anthropocene or capitalocene?
|
PM Press
|
2016.6
|
9781629631486
|
2603円(税込み)
|
Anthropocene(人新世)とCapitalocene(資本新世)のどちらがより妥当な概念であるのかをめぐる論文集。
|
蔵書情報 / Library information
|
25 |
J.R.McNeill, P.Engelle著
|
The Great Acceleration; An Environmental History of the Anthropocene since 1945
|
Belknop Press
|
2016.4
|
9780674545038
|
2338円
|
世界は、20世紀後半から「大加速の時代」を迎え、「人新世」と呼ばれる段階に突入したのだとする観点から書かれた環境史。
|
|
26 |
Simon Lewis, Mark A.Maslin
|
The Human Planet; How We Created the Anthropocene
|
Penguin Books
|
2018.7
|
9780241280881
|
1386円(税込み)
|
Pelican Intoroductionの一冊として出版された概説書。Ellisの主張の妥当性を検証する上で必要な一冊。
|
|
27 |
岸田一隆著
|
「青学発」岸田教授のエネルギー文明論
|
エネルギーフォーラム
|
2019.12
|
9784885555053
|
1500円+税
|
この授業で取り上げる課題に対する別のベクトルからの議論で、刺激的。
|
蔵書情報 / Library information
|
28 |
岡田昌彰
|
美しい英国の産業景観
|
創元社
|
2018.12
|
9784422701172
|
5500円+税
|
イギリスで始まった産業革命を担ってきた工場・橋・水道施設・鉱山などなどが、それぞれの役割を終えた後、それぞれの場所の景観の中で再生を遂げた姿を美しい写真で表現した一冊。
|
|
29 |
日経サイエンス編集部
|
別冊日経サイエンス、アントロポセン 人類の未来
|
日経サイエンス
|
2019.2
|
9784532512316
|
2000円+税
|
「アントロポセン(人新世)」という言葉を手がかりに、地球と人類の未来を巡る様々な課題をビジュアルに解き明かし、ポジティブな展望を開こうとする意欲的な一冊。
|
|
30 |
徳仁親王
|
水運史から世界の水へ
|
NHK出版
|
2019.4
|
9784140817728
|
1600円+税
|
ご即位される直前に、皇太子時代になさった水の惑星としての地球とそこに生きる人々の歴史と現在をめぐるご講演を、一冊にまとめ、出版されたもの。「人新世」を生きることの意味を考える上でも示唆深い。
|
|
31 |
成田龍一・長谷川貴彦編
|
〈世界史〉をいかに語るかーグローバル時代の歴史像
|
岩波書店
|
2020.2
|
9784000613897
|
2900円+税
|
現在、世界史、あるいはグローバル・ヒストリーがどのように捉えられているのか、望ましい歴史像とはどのようなものであるのかについての最新の議論の姿を示す論文集。
|
|
32 |
石坂匡身・大串和紀・中道宏
|
人新世の地球環境と農業は
|
農文協
|
2020.3
|
9784540192128
|
1800円+税
|
地球環境問題を解決し、生物大絶滅の危機を回避するための鍵を握るのが、日本の農業であることを説いた一冊。地球環境問題にはどのようなものがあり、日本政府や国際社会がどのように取り組んできたのかについても明確に説明されている。
|
|
33 |
大村敬一・湖中真哉
|
「人新世」時代の文化人類学
|
放送大学教育振興会
|
2020.3
|
9784595331917
|
3300円+税
|
「人新世」という概念の登場が、文化人類学という学問において、どのような新たな展望を開いたのかを明解に示したもの。放送大学でのオンライン授業のための教科書。オンライン授業の在り方を考えるための参考書でもある。
|
|
34 |
石弘之
|
感染症の世界史
|
角川ソフィア文庫
|
2018.1
|
9784044003678
|
1080円+税
|
人類と感染症の闘いを果てしない「軍拡競争」に喩える著者による環境史の視点からの歴史的研究。人類が地球環境を著しく改変したことが、感染症をもたらすウィルスの変異を促し、20世紀後半以降、感染症の流行が激増しているも指摘されている。
|
|
35 |
Erle C.Ellis
|
Anthropocene: A Very Short Introduction
|
Oxford University Press
|
2018.5
|
9780198792987
|
1365円(税込)
|
「人新世」をめぐる、さまざまな領域での議論を整理した、現時点で、もっとも目配りの効いた解説書。日本語訳がないことが惜しまれる。
|
|
36 |
トマス・E・グレーデル、ポール・J・クルッツェン著;松野太郎監修
|
気候変動:21世紀の地球とその後
|
日経サイエンス社
|
1997.10
|
4532520630
|
3500円+税
|
「人新世」を提唱する以前にクルッツェンがグレーデルとの共著として著した気候変動の変化と地球環境についての概説書の日本語訳。
|
|
37 |
教皇フランシスコ著;瀬本正之・吉川まみ訳
|
回勅ラウダート・シー:ともにに暮らす家を大切に
|
カトリック中央協議会
|
2016.8
|
9784877501990
|
1400円+税
|
ローマ教皇フランシスコが地球環境と人類が直面している危機に対する認識を示し、その克服を訴えた2015年の文書の日本語訳。ローマ教皇がSDGsと同様の現状認識に立っていたことがわかる。
|
|
38 |
エリザベス・コルバート著;鍛原多恵子訳
|
6度目の大絶滅
|
NHK出版
|
2015.3
|
9784140816707
|
2400円+税
|
人類が生物種の6度目の大絶滅を引き起こしつつあることを警告した書物。
|
|
39 |
蟹江憲史著
|
SDGs(持続可能な開発目標)
|
中央公論新社
|
2020.8
|
9784121026040
|
920円+税
|
SDGsの理念と内容についての基本を抑えた概説書。
|
蔵書情報 / Library information
|
40 |
南博, 稲場雅紀著
|
SDGs
|
岩波書店
|
2020.11
|
9784004318545
|
820円+税
|
SDGsが国連で採択されるまでの経緯と自治体やNPOでどのような取り組みがなされているかを、パンデミックに直面した危機の時代の羅針盤という観点からまとめた一冊。
|
蔵書情報 / Library information
|
41 |
村上芽, 渡辺珠子著
|
SDGs入門
|
日本経済新聞出版社
|
2019.6
|
9784532114084
|
900円+税
|
SDGsについての企画提出を、ビジネス現場で上司から急遽、命じられたら・・・という事態を想定した実践的な観点からの概説書。
|
蔵書情報 / Library information
|
42 |
柿埜真吾
|
自由と成長の経済学
|
PHP新書
|
2021.8
|
9784569850146
|
930円+税
|
斎藤氏の議論に対して資本主義と自由の有効性を主張し、反論を試みているのだが、足尾銅山鉱毒事件以来の環境被害の存在を視野の外においているなど、問題点が多く楽観的すぎる一冊。
|
|
43 |
セルジュ・ラトゥーシュ著 ; 中野佳裕訳
|
脱成長
|
白水社
|
2020.11
|
9784560510407
|
1200円+税
|
「脱成長」について斎藤氏とは違う観点から論じていて、斎藤氏よりも妥当性があるように思える概観。
|
蔵書情報 / Library information
|
44 |
ウィリアム・モリス作 ; 川端康雄訳
|
ユートピアだより
|
岩波書店
|
2013.8
|
9784003590317
|
1140円+税
|
マルクスの『資本論』第一巻のフランス語版を熟読することからモリスが紡ぎ出した未来社会像が語られている一冊。斎藤氏が言及されていないのは不可解。
|
蔵書情報 / Library information
|
45 |
ナオミ・クライン著 ; 中野真紀子, 関房江訳
|
地球が燃えている
|
大月書店
|
2020.11
|
9784272330997
|
2600円+税
|
クラインの気候変動や環境問題に関する論考を集めたもので、斎藤氏とは別の選択肢が提示されている。
|
蔵書情報 / Library information
|
46 |
小松左京
|
復活の日
|
角川文庫
|
2020.5
|
9784041065815
|
760円+税
|
1964年に初版が出たSF小説で、現在のパンデミックを予言しているようだとして話題になっているものの新版。初版のあとがきが再録されている。
|
|
47 |
ビュフォン [著] ; 菅谷暁訳
|
自然の諸時期
|
法政大学出版局
|
1994.9
|
4588004565
|
|
ヨーロッパでの地球の歴史についての捉え方を聖書の呪縛から解き放った革命的な研究の日本語訳。
|
蔵書情報 / Library information
|
48 |
エンゲルス著 ; 一條和生, 杉山忠平訳
|
イギリスにおける労働者階級の状態
|
岩波書店
|
1990.2
|
4003412907
|
570円
|
エンゲルスによるイギリスの労働者階級についての古典的なルポルタージュ。エンゲルスが資本主義をどのように捉えるところからスタートしたのかがわかる一冊。
|
蔵書情報 / Library information
|
49 |
ブルーノ・ラトゥール [著] ; 川村久美子訳・解題
|
地球に降り立つ
|
新評論
|
2019.12
|
9784794811325
|
2200円 (税別)
|
「人新世」に批判的でSDGsとも脱成長とも別の道を提唱している研究です。
|
蔵書情報 / Library information
|
50 |
Dipesh Chakrabarty
|
the Climate of history in a planetary age
|
The University of Chicago Press
|
2021.3
|
9780226732862
|
3709円(税込み)
|
Chakrabartyの「人新世」をめぐる最新の論文集。日本語訳はまだない。
|
|