講義概要/Course description
|
地球社会共生学部はタイやマレーシアを中心としたアジア地域への留学を学部の柱としていますが、第二次世界大戦後、貧困と停滞の地として語られてきた同地域は、1970年代以降「東アジアの奇跡」と呼ばれるほどの急速な経済成長を遂げました。 アジアの中で最も早く経済成長を達成した国は日本ですが、その後韓国、台湾、香港、シンガポールを中心としたアジアNIEs、続いてマレーシア、タイ、インドネシア、フィリピンを中心としたASEAN、そして中国やベトナム、最近ではカンボジア、ミャンマー、ラオスへと成長の波は広がって行きました。 90年代までのアジアの発展は所得格差の拡大をそれほど伴わなかったものとして国際的に注目され、それを支えたのが開発主義的国家によるキャッチアップ型工業化戦略でした(詳しくは、「特殊講義B(I)」を履修のこと)。 そして特に21世紀に入り、(1)アジアの「世界の工場」化と欧州を超えるほどのマーケットの拡大や、(2)アジア発のイノベーションが生じました。しかし一方で、「圧縮した工業化」の結果、これまで先進国で固有に見られた現象が後発国にも生じてしまう状況が生まれました。例えば、社会保障制度の枠外にあるインフォーマル経済での就業、少子高齢化、経済格差の拡大、外国人労働者の受け入れ、環境問題などがあげられます。
本講義では、遠藤・以東・大泉・後藤編(2018)『現代アジア経済論』有斐閣での議論を経済史の観点から読み直し、21世紀から新たな局面をむかえたアジアについて、「生産するアジア」「消費するアジア」「移動するアジア」、そして「老いるアジアと疲弊したアジア」など様々な視点から、21世紀が「アジアの世紀」となる所以について解説します。
なお本講義は前期に開講する「特殊講義B(I)」の続編に位置づけられるものなので、同科目もあわせて履修するのが理想です(しかし本科目の履修条件ではありません)。またアジア地域内における企業活動の実態については、前期開講の「アジアンビジネス論」で詳しく解説します。これら3つの科目を履修することで、アジア地域の経済・経営について丸ごと理解できるようになります。
|
達成目標/Course objectives
|
現代のアジアが抱える諸問題について、その原因を経済史的観点から理解し、解決策について自らの考えを持つことができるようになる。 21世紀が「アジアの世紀」となる意味について理解できる。
|
履修条件(事前に履修しておくことが望ましい科目など)/Prerequisite
|
【前期】特殊講義B(I)、アジアンビジネス論
|
授業計画/Lecture plan
|
1
|
授業計画/Class |
イントロダクション オンライン授業(オンデマンド型) |
|
2
|
|
3
|
|
4
|
授業計画/Class |
オンライン オンデマンド教材での復習 |
|
5
|
|
6
|
|
7
|
授業計画/Class |
オンライン オンデマンド教材での復習、及び中間レポートの作成・提出 |
|
8
|
|
9
|
|
10
|
授業計画/Class |
オンライン オンデマンド教材での復習 |
|
11
|
|
12
|
|
13
|
授業計画/Class |
オンライン オンデマンド教材での復習 |
|
14
|
|
15
|
授業計画/Class |
オンライン オンデマンド教材での復習と最終レポート作成・提出 |
|
|
事前学習/Preparation |
あらかじめ配布したレジュメを熟読する。 |
事後学習/Reviewing |
授業内容を振り返り、理解不足な部分は積極的に質問し理解を深める。 |
|
|
授業方法/Method of instruction
|
区分/Type of Class |
対面授業 / Classes in-person
|
実施形態/Class Method |
ハイブリッド型ブレンド形式 / hybrid blend |
活用される授業方法/Teaching methods used |
|
|
成績評価方法/Evaluation
|
1 |
レポート Report
|
100%
|
100〜90点 AA 80〜89点 A 70〜79点 B 60〜69点 C 59点以下 不可
|
|
教科書/Textbooks
|
| コメント Comments |
1 |
特になし。コースパワーへアップしたレジュメを中心に講義を行います。
|
|
参考書/Reference books
|
| 著者名 Author | タイトル Title | 出版社 Publisher | 出版年 Published year | |
1 |
遠藤・以東・大泉・後藤編
|
現代アジア経済論
|
有斐閣
|
2018
|
|
|