講義内容詳細:コミュニティ人間科学特論H

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年度/Academic Year 2022
授業科目名/Course Title (Japanese) コミュニティ人間科学特論H
英文科目名/Course Title (English) Topics and Issues on Community Studies H
学期/Semester 後期 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 辻 吉祥
英文氏名/Instructor (English) TSUJI Yoshihiro

講義概要/Course description
ルポルタージュとジェンダーが本講義の副タイトルである。ローカリティ(地域性)はこれまで、さまざまな形での収奪の対象とされてきた。そしてそれは常に「中心」に対置、規定されてきた。地域性を再考するとはこの対置関係の構造を問い直す、ということにほかならない。本講義では、従来サブシステム化され、従属的であったがために、その存在を〈影〉とされてきた存在に眼を向ける。ルポ、写真、映像資料などを、広く社会構造の理解を得つつ、精読する。
達成目標/Course objectives
メジャーなメディアからは取りこぼされがちなテクスト、映像などを素材とし、それらを順次読み解くなかに、声なき声を聴き、中心的支配性を相対化する人間のありかた、生活、視角、テクスト、感性などを探索する。みずからもまたその例外ではない人間として問題を引き受け、理解できるような視座、思想、文章表現、感受性を獲得する。
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class はじめにーー授業およびここでの問題意識について。(9/22オンライン授業(オンデマンド型)での実施、以降もコースパワーでの連絡が必ず通じるようにしておいてください。)
2
授業計画/Class 導入として、ルポルタージュについて、また関連する文献、問題意識の所在についてさらに説明する。
3
授業計画/Class ルポルタージュの現代的古典、鎌田慧『自動車絶望工場――ある季節工の手記』を読む(1)。
4
授業計画/Class ルポルタージュの現代的古典、鎌田慧『自動車絶望工場――ある季節工の手記』を読む(2)。
5
授業計画/Class 近代における人間の劣位性について――ルポルタージュの眼差しの政治学。
6
授業計画/Class 日本におけるルポルタージュの先駆――『最暗黒の東京』について。
7
授業計画/Class 近代の困窮の構造――日清戦争と階級分解『日本の下層社会』について。
8
授業計画/Class 近代の暗黒――C・ディケンズからM・フーコー「汚辱に塗れた人々の生」へ。
9
授業計画/Class 石牟礼道子の感官がとらえたものーー『苦海浄土――わが水俣病』を読む(1)。
10
授業計画/Class 石牟礼道子の感官がとらえたものーー『苦海浄土――わが水俣病』を読む(2)。
11
授業計画/Class 石牟礼道子の感官がとらえたものーー『苦海浄土――わが水俣病』を読む(3)。
12
授業計画/Class われわれの「現在」を捉えるルポ(1)。
13
授業計画/Class われわれの「現在」を捉えるルポ(2)。
14
授業計画/Class われわれの「現在」を捉えるルポ(3)。
15
授業計画/Class まとめ――これまでの考察へのリフレクションと補遺。
 
事前学習/Preparation 前回までに考察された思想的課題、諸文献について各自の取り組みが継続されること。
事後学習/Reviewing 授業内で提示された課題について、資料の渉猟をしつづけ、思想的に繰りつづけること。
授業方法/Method of instruction
区分/Type of Class 対面授業 / Classes in-person
実施形態/Class Method 通常型 / regular
補足事項/Supplementary notes講義形式。毎回提示する資料(映像を含む)について、深く考察できるように案内します。それに基づいて、討議、もしくはコメントシートを提出してもらいます。最後の三回は、受講者自身にも自ら取り組んだルポについて簡単な発表をしてもらうことを予定しています。
状況によっては(もしくは数回分)、大学の提供するCourse Power と Webex を使用する授業形態が考えられます。その際は受講者の受講環境に配慮、相談しつつ進めます。詳細は第2回目以降の授業で指示しますのでよくご確認ください。受講者の習熟度に配慮して一部内容をさらに丁寧に説明したり、前後させる場合があります。
活用される授業方法/Teaching methods used
成績評価方法/Evaluation
1 平常点 In-class Points 100% 毎回、授業時に提起された問題に対する考察レポートを課す。クライテリアは、講義内容を前提とし、調査、社会的思考、理論的読解ができているか。文の巧拙をも含む。
課題(試験やレポート等)に対するフィードバックの方法/Feedback methods for assignments (exams, reports, etc.)
毎回大量の添削結果が提示され、それ自体が授業内での相互啓発の契機を構成する。
教科書/Textbooks
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1 授業資料はプリントで配布する。
参考書/Reference books
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1 授業テーマごとに、随時紹介します。