講義内容詳細:子どもの貧困と社会的ケア

戻る
年度/Academic Year 2022
授業科目名/Course Title (Japanese) 子どもの貧困と社会的ケア
英文科目名/Course Title (English) Child Poverty and Social Care
学期/Semester 後期 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 横堀 昌子
英文氏名/Instructor (English) YOKOBORI Masako

講義概要/Course description
子どもたちの生活と権利~子どもや家庭への社会的支援・社会的養護の意義と方法の理解
達成目標/Course objectives
 OECDによると我が国の子どもの相対的貧困率は加盟国の中でも高く、OECD平均を上回る状態が続いている。我が国では、子ども約7人に1人が相対的貧困の状態にある。子ども食堂や学習支援等の活動に注目が集まる中、一見「見えにくい」困難や孤立、要支援状態を生きる子どもたちの存在がある。横たわるひとり親家庭の生活課題や女性の貧困の問題もある。社会問題としての貧困を背景とし、子ども虐待や複雑多様な家庭の事情により、家族と離れ、施設や里親家庭で育つ子どもたちもいる。そこで、そうした子どもたちにとって必要な理解・援助内容・支援の方法論を、権利保障の意義やその価値とともに学ぶ。
 子ども家庭福祉は、現在、すべての子どもの社会的養育を模索している。よって、学校その他の関連機関や地域の社会資源と連携・協働し、未来を生きる子どものいのちと生きるチャンスを保障し、将来の選択肢を広げる責任がある。そこで、拠点型福祉施設における養育や支援の実際についても社会的養護、ソーシャルワークの文脈で学びながら、社会的にケアを必要とする子どもの自立を支援することの意味を、受講者の生活とも関連づけながら考察する。

履修条件(事前に履修しておくことが望ましい科目など)/Prerequisite
関連科目として、「地域福祉論」「子ども家庭福祉論」がある。本科目履修前に、あるいはあわせて履修されるとよい。
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class 子どもの貧困と私たちの社会~授業オリエンテーション(第1回は「オンライン授業(オンデマンド型)」での実施)
事前学習/Preparation シラバスを読み、授業について理解する。
事後学習/Reviewing 資料を読み、授業内容をふり返る。
課題があれば取り組む。
2
授業計画/Class 子どもと家族をめぐる諸相(1)~家族の抱える生活課題と子どもの福祉
事前学習/Preparation 前回授業の資料を読み、内容をふり返っておく。
事後学習/Reviewing 資料を読み、授業内容をふり返る。
課題があれば取り組む。
3
授業計画/Class 子どもと家族をめぐる諸相(2)~ひとり親家庭の抱える生活課題と福祉の取り組み
事前学習/Preparation 前回授業の資料を読み、内容をふり返っておく。
事後学習/Reviewing 資料を読み、授業内容をふり返る。
課題があれば取り組む。
4
授業計画/Class 学校が向き合う子どもの貧困~反貧困教育の取り組みと学校づくり、居場所カフェ
事前学習/Preparation 前回授業の資料を読み、内容をふり返っておく。
事後学習/Reviewing 資料を読み、授業内容をふり返る。
課題があれば取り組む。
5
授業計画/Class 子どもの貧困の現状と対応策の動向~「見えにくい貧困」と剥奪指標
事前学習/Preparation 前回授業の資料を読み、内容をふり返っておく。
事後学習/Reviewing 資料を読み、授業内容をふり返る。
課題があれば取り組む。
6
授業計画/Class 学校福祉の可能性~学校というプラットフォームと教育・福祉の取り組み
事前学習/Preparation 前回授業の資料を読み、内容をふり返っておく。
事後学習/Reviewing 資料を読み、授業内容をふり返る。
課題があれば取り組む。
7
授業計画/Class 家庭・学校・地域の連携と協働~スクールソーシャルワークの展開と、求められる専門性
事前学習/Preparation 前回授業の資料を読み、内容をふり返っておく。
事後学習/Reviewing 資料を読み、授業内容をふり返る。
課題があれば取り組む。
8
授業計画/Class 子ども食堂の実践が問いかけること~地域のセーフティネットとしての民間団体
事前学習/Preparation 前回授業の資料を読み、内容をふり返っておく。
事後学習/Reviewing 資料を読み、授業内容をふり返る。
課題があれば取り組む。
9
授業計画/Class 地域にある多様な社会資源~学習支援、居場所づくりとネットワーク、子どもを支える地域福祉活動
事前学習/Preparation 前回授業の資料を読み、内容をふり返っておく。
事後学習/Reviewing 資料を読み、授業内容をふり返る。
課題があれば取り組む。
10
授業計画/Class 親子分離を必要とする子どもたちへの対応と公的機関の働き~児童相談所の仕組みと、子ども家庭福祉の実施体制
事前学習/Preparation 前回授業の資料を読み、内容をふり返っておく。
事後学習/Reviewing 資料を読み、授業内容をふり返る。
課題があれば取り組む。
11
授業計画/Class 社会的養護の現状と課題~子どもたちの自己肯定感と自己有用感を育む養育とは
事前学習/Preparation 前回授業の資料を読み、内容をふり返っておく。
事後学習/Reviewing 資料を読み、授業内容をふり返る。
課題があれば取り組む。
12
授業計画/Class 代替養育のもつ可能性を考える~施設養護、里親養育、養子縁組と子どもの権利保障 
事前学習/Preparation 前回授業の資料を読み、内容をふり返っておく。
事後学習/Reviewing 資料を読み、授業内容をふり返る。
課題があれば取り組む。
13
授業計画/Class 社会的養護の取り組みと実践例にみる、生活実践の意味~事例との出会いと考察
事前学習/Preparation 前回授業の資料を読み、内容をふり返っておく。
事後学習/Reviewing 資料を読み、授業内容をふり返る。
課題があれば取り組む。
14
授業計画/Class 子どもの「自立」を支援する取り組み~自己肯定感を育み、「フェアスタート」を支えるために
事前学習/Preparation 前回授業の資料を読み、内容をふり返っておく。
事後学習/Reviewing 資料を読み、授業内容をふり返る。
課題があれば取り組む。
15
授業計画/Class 子どものしあわせと ”Quality of Future”のために~今、できることと課題
事前学習/Preparation 前回授業の資料を読み、内容をふり返っておく。
事後学習/Reviewing 資料を読み、授業で得たことをふり返る。
総まとめの課題に取り組む。
授業方法/Method of instruction
区分/Type of Class 対面授業 / Classes in-person
実施形態/Class Method 通常型 / regular
補足事項/Supplementary notes講義および多様な資料を通し、貧困をはじめさまざまな状況を生きる子どもと生活課題を考える。地域の社会資源による多様な活動や社会的養護をはじめとする福祉施設での支援のもつ意味を構造的に理解し、ケアの現場の持つ役割や機能、専門性を理解する。地域での子どもや家庭を支える具体的実践事例に出会い、子ども理解、支援のあり方、地域協働をめぐる今後の課題を考察する。

この授業は、第一週を除き、対面授業で行う予定である。
活用される授業方法/Teaching methods used
成績評価方法/Evaluation
1 レポート Report 50% レポート課題、提出課題
2 平常点 In-class Points 50% 授業への取り組み状況、各回の授業への感想文
課題(試験やレポート等)に対するフィードバックの方法/Feedback methods for assignments (exams, reports, etc.)
必要に応じて、適宜可能なかたちで行う。
教科書/Textbooks
 コメント
Comments
1 特定のものは使用しない。
参考書/Reference books
 コメント
Comments
 
1 参考資料とともに授業の中で紹介していく。
授業関連情報/Class-related information
 件名/Title内容/Contents備考/Memo
2 教員プロフィール https://raweb1.jm.aoyama.ac.jp/aguhp/KgApp?kyoinId=ymidgbydggy
メッセージ/Message
【準備学習(予習復習等】授業前に、あらかじめ提示された文献や資料を読んでから参加する。復習の意味でも、それらを読みこみ、理解を深める。提示された場合には授業への感想・考察レポートを提出する。参考文献を自分で読む努力をする。提出課題に取り組む。自分の生活の身近にどのような子ども家庭福祉や関連領域の働きがあるのか、調べたり出会ったりする努力をする。
その他/Others
【担当教員の実務経験】児童養護施設や地域を基盤としたグループホーム等での生活実践、里親養育支援、専門職のスーパーバイザー、厚生労働省や自治体の各種委員等を経験してきた福祉専門職であり研究者である。これらから得た福祉の原理(考え方)や福祉サービス利用者の事例、実践事例・支援事例を提供する。

・学生の意見・要望を受けとめ授業を進めるため、シラバスの順を調整したり、内容を加えたりする場合がある。
・演習やその発表、シェア等を取り入れて進める。積極的な参加を期待する。
・毎回出席をとる。出席が授業回数の3分の2以上に達している学生のみ、単位付与の対象とする。
・出席および授業後の感想コメントの提出をもって、その回の出席とみなすことを原則とする。
・履修者は授業マナーを守る。授業参加態度について注意しても継続される場合、退室を求めることがある。
・提出物がある。提出期限を守る(正当な理由と事前に理由を添えて相談のない提出物の遅れは、原則受理しない)。
・提示する資料は次の授業でも使用することがあるため、履修者は次の回にも一式手元に準備する。


キーワード/Keywords
実務経験     子どもの貧困     ひとり親家庭     生活保護     子ども食堂     子どもの権利     社会的養護     社会的養育     児童養護施設     乳児院     里親     児童相談所     子ども虐待     ソーシャルワーク     地域協働     学校福祉     スクールソーシャルワーク     フェアスタート