講義概要/Course description
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オープンソースの空間情報操作プログラム(GIS:地理情報システム)の解説文書で英語の文書しか公表されていないものの翻訳作業のやり方を解説し、実際に翻訳作業を行う。その内容について学生、合わせてインターネットでの文書公開、共有の仕組みや国際化の仕組み例を学習し利用方法を理解する。本年度はデスクトップGISであるQGISの技術文書の翻訳作業と多数のラスタ/ベクタ形式データの変換や操作を行うためのライブラリ/コマンドラインツールであるGDALの技術文書の翻訳を行う。準備段階の解説としてQGIS/GDALの機能と説明と簡単な操作実習を行う。その後各ソフトウェアの技術文書がどのようなフレームワークを利用して作成されているかの解説を行った後に、翻訳作業用のツールの利用方法の解説を習得を行う。その後参加者内で分担して翻訳作業を行い、翻訳結果や文書作成時の問題点、疑問点を中間発表、最終発表でプレゼンテーションを行い参加者内でレビューを行い公開文章や翻訳の品質を向上させる。また翻訳するソフトウェアの開発や利用者コミュニティの活動の紹介を行う。さらにGitHubを利用してマークダウン形式で文書を作成、公開、共同編集を行う作業を体験して方法を理解する。デジタル文書作成公開用フレームであるSphinxについて操作を行い利用方法を習得する。
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達成目標/Course objectives
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・『QGIS』『GDAL』の機能の理解と文書の翻訳方法を知ること。オープンソースソフトウェアのコミュニティ活動について知ること ・翻訳作業用WEBサービス Transifexの利用方法を理解すること ・デジタル文書公開、共有用のフレームワーク Sphinxの仕組みと国際化機能について理解すること ・GitHubでマークダウン形式の文書を作成し公開する方法、共同編集する方法を理解すること ・オープンソースソフトウェアの開発、維持、普及活動の一部を体験してみること ・デジタル空間情報関連のデータ操作についての英単語や英文の読解に慣れること
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学部・研究科のディプロマポリシー(卒業認定・学位授与の方針)に基づき、当該科目を履修することで身につく能力 / Abilities to be acquired by completing the course in accordance with the faculty and graduate school diploma policy (graduation certification and degree conferral)
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学部・研究科のディプロマポリシー(卒業認定・学位授与の方針)/ Undergraduate and Graduate Diploma Policy (Graduation Certification and Degree Conferral)
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履修条件(事前に履修しておくことが望ましい科目など)/Prerequisite
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ノートPCを所有していること(Windows、Macいずれも可)。GitHubアカウントを持ち、特にGitHubリポジトリの概念やIssues、Commit等の利用方法を理解していること(または理解する意欲があること) コマンドラインでのコンピュータ操作を恐れないこと
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授業計画/Lecture plan
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1
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授業計画/Class |
オンデマンドガイダンス |
事前学習/Preparation |
参考書や解説ドキュメントを読む |
事後学習/Reviewing |
授業で学んだことを実際に実践してみる |
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2
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授業計画/Class |
デジタル文書、ソフトウェア国際化とローカライゼーション |
事前学習/Preparation |
参考書や解説ドキュメントを読む |
事後学習/Reviewing |
授業で学んだことを実際に実践してみる |
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3
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授業計画/Class |
QGIS解説 |
事前学習/Preparation |
QGISのインストール |
事後学習/Reviewing |
QGIS文書のWEBページを読んでみる。QGISで様々な空間情報の操作をしてみる。 |
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4
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授業計画/Class |
QGIS文書翻訳実習 |
事前学習/Preparation |
参考書や解説ドキュメントを読む |
事後学習/Reviewing |
授業で学んだことを実際に実践してみる |
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5
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授業計画/Class |
QGIS文書翻訳実習 中間発表準備 |
事前学習/Preparation |
参考書や解説ドキュメントを読む |
事後学習/Reviewing |
授業で学んだことを実際に実践してみる |
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6
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授業計画/Class |
中間発表 |
事前学習/Preparation |
発表用資料の準備 |
事後学習/Reviewing |
授業で学んだことを実際に実践してみる |
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7
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授業計画/Class |
GitHub Markdown 文書作成方法解説 |
事前学習/Preparation |
参考書や解説ドキュメントを読む |
事後学習/Reviewing |
授業で学んだことを実際に実践してみる |
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8
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授業計画/Class |
GitHub Markdown 文章作成 実習 |
事前学習/Preparation |
参考書や解説ドキュメントを読む |
事後学習/Reviewing |
授業で学んだことを実際に実践してみる |
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9
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授業計画/Class |
GDAL解説 |
事前学習/Preparation |
参考書や解説ドキュメントを読む |
事後学習/Reviewing |
GDAL WEBページを読んでみる。GDALでデータ加工をしてみる |
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10
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授業計画/Class |
GDAL文書翻訳実習 |
事前学習/Preparation |
参考書や解説ドキュメントを読む |
事後学習/Reviewing |
授業で学んだことを実際に実践してみる |
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11
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授業計画/Class |
GDAL文書翻訳実習 |
事前学習/Preparation |
参考書や解説ドキュメントを読む |
事後学習/Reviewing |
授業で学んだことを実際に実践してみる |
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12
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授業計画/Class |
GDAL文書翻訳実習 |
事前学習/Preparation |
参考書や解説ドキュメントを読む |
事後学習/Reviewing |
授業で学んだことを実際に実践してみる |
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13
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授業計画/Class |
Sphinx解説 インストールとプロジェクト作成 |
事前学習/Preparation |
参考書や解説ドキュメントを読む |
事後学習/Reviewing |
Sphinxの解説ドキュメントを読む |
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14
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授業計画/Class |
Sphinx文書作成 実習 最終発表準備 |
事前学習/Preparation |
参考書や解説ドキュメントを読む |
事後学習/Reviewing |
授業で学んだことを実際に実践してみる |
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15
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授業計画/Class |
最終発表 |
事前学習/Preparation |
発表用資料の準備 |
事後学習/Reviewing |
授業で学んだことを実際に実践してみる |
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授業方法/Method of instruction
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区分/Type of Class |
対面授業 / Classes in-person
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実施形態/Class Method |
通常型 / regular
補足事項/Supplementary notes初回のガイダンスのみオンデマンド型のオンライン授業にします
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活用される授業方法/Teaching methods used |
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成績評価方法/Evaluation
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1 |
レポート Report
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40%
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コミュニティによるオープンソースソフトウェア開発体制の理解。 翻訳ツール、Sphinx,GitHub利用方法の理解。 QGIS/GDALの機能やデジタル空間情報利活用における役割についての理解。 電子ドキュメントの作成方法、公開方法、維持方法についての理解。
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2 |
平常点 In-class Points
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60%
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翻訳作業デジタル文書作成作業における各ツールの使いこなし状況。翻訳レビュー作業における改良提案。翻訳作業結果の品質を中間発表、最終発表で評価する。
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課題(試験やレポート等)に対するフィードバックの方法/Feedback methods for assignments (exams, reports, etc.)
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SlackまたはGoogle Class
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参考書/Reference books
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| 著者名 Author | タイトル Title | 出版社 Publisher | 出版年 Published year | ISBN | 価格 Price | コメント Comments | |
1 |
E.S.Raymond
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伽藍とバザール
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USP研究所
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2010
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9784904807026
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2,860
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オープンソースコミュニティについての解説
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メッセージ/Message
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初期のQGISの文書、プログラムの日本語翻訳担当をしていました。その時初めて国際的なオープンソースソフトウェアコミュニティでの活動を経験できました。その後作成された日本語リソースを元に国内でもQGISの利用が進みました。国際的なコミュニティでの活動は技術についての視野をとても広くします。そのような技術コミュニティ活動の一部をまだに翻訳されていない技術リソースの翻訳等を通して試しに体験してみてもらえるような情報提供をしたいと思います。またインターネットを利用した情報共有で共有公開文書をどのように共同作成し公開するかの手法がいろいろ提案されています。それらの仕組みを知り利用方法の一端を体験できるような機会をつくるつもりです。
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その他/Others
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参考書に相当するものは書籍ではなくWEBページで公開されているものをいくつか列挙します。
https://www.qgis.org/ja/docs/index.html QGISドキュメント https://gdal.org/index.html GDAL Documentation https://www.sphinx-doc.org/ja/master/ SphinxDocumentation https://gis-oer.github.io/gitbook/book/ GIS実習オープン教材 https://docs.github.com/ja/get-started/writing-on-github GitHubでの執筆
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キーワード/Keywords
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デジタル文書管理
国際化
ローカライズ
デジタル空間情報加工
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