講義内容詳細:自己理解(個別科目)

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年度/Academic Year 2022
授業科目名/Course Title (Japanese) 自己理解(個別科目)
英文科目名/Course Title (English) Self-Understanding(Independent Courses)
学期/Semester 前期 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 古田 知章
英文氏名/Instructor (English) FURUTA Tomoaki

講義概要/Course description
テーマ 「自己の存在や生き方の根幹としての思考」
 思考は我々を支える大きな力である。しかし、それは考えるということが、道具として我々の活動に役立つという意味だけではない。我々は、あらかじめ自身の思惟を無意識のうちに張り巡らすことなしに、何かを考えることも為すこともできない。それゆえ、各自の思考の働きこそが、各人の多様な個性、さらにはその活動を特徴づける根幹とも言える。そして、このように我々の活動を支える無意識と意識的という二重の思考には、集団的な規定によって根拠づけられる、言葉、概念、身体性といった様々なシステムが介在し、そのシステムが、そのなかで生きる我々の考え方や価値観を方向づける。したがって、思考や身体的活動によって形成される我々の存在そのものが、知らず知らずのうちに予め決定された枠組みのなかにつなぎ止められていることになる。
 本講義では、このような我々の存在を支える見えない枠組みについて、論理学や哲学という学問の発展の歴史の過程での議論を参考にしながら検討していく。そして、論理的思考の領域とはいったいどのような身分のものなのか、日常において言葉や論理の果たしている役割、哲学や論理学といった思考を巡る学問領域が現実社会に与える影響などの事柄に関して、身近な例を用いながら考察する。
達成目標/Course objectives
 上記のような見通しと内容のもとで、我々の私的な活動を支える思考の公共的な部分の構造と働きについて、思考や論理といった観点から検討することで、この領域についての知識を深めるとともに、この枠組みについての自分自身に重ねての理解を通して、我々自身のあり方そのものについて考える手ががりとすることを目標とする。
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class ガイダンス【オンライン(オンデマンド型)】
講義の目的と内容の概観、および、注意事項の説明
2
授業計画/Class 論理における学問性と日常性 -「ロゴス的動物」としての人間 -
3
授業計画/Class 「自己」の流動的なあり方と、それを把握することの難しさ
4
授業計画/Class 周囲の「世界」との関係における「私」の本質的な能動性(1)- 認識の能動性とその形式 -
5
授業計画/Class 周囲の「世界」との関係における「私」の本質的な能動性(2) - 経験の受動性と能動性 -
6
授業計画/Class 「ことば」とシステム(1) - 構造主義 -
7
授業計画/Class 「ことば」とシステム(2) - システムが支える価値と認識 -
8
授業計画/Class  世界の把握不可能性と因果性の成立
9
授業計画/Class 知識の成立
10
授業計画/Class 目の前の「世界」の現れを支える論理的思考
11
授業計画/Class 自身の思考作用を把握することの困難さ
12
授業計画/Class 「私」の「世界」への働きかけ(1) - 自分にとっての意味の集まり -
13
授業計画/Class 「私」の「世界」への働きかけ(2)- 意味づけにおける束縛と自由 -
14
授業計画/Class 幾何学的精神と繊細な精神
15
授業計画/Class まとめ
 
事前学習/Preparation 前回までの講義のノートとレジュメを参照して、毎回の講義の出発点を確認しておく。
事後学習/Reviewing 毎回の内容をノートに整理し、その内容を身近な具体例に重ねて、自分の問題として考え、それを文章としてまとめる。
授業方法/Method of instruction
区分/Type of Class 対面授業 / Classes in-person
実施形態/Class Method 通常型 / regular
補足事項/Supplementary notes規定の「第1回講義」の「オンデマンド配信」を除いて、すべて「対面授業」形式での講義を予定しています。ただし、社会状況などを反映した大学の規定等によって授業形態の変更等がある場合もありますが、その場合にはお知らせを配信します。
活用される授業方法/Teaching methods used
成績評価方法/Evaluation
1 試験 Exam 60% 学期終了時に実施する学期末試験で評価します。
2 平常点 In-class Points 40% 平常点は、毎回の授業終了時のレスポンスペーパーで評価します。
教科書/Textbooks
 コメント
Comments
1 特に教科書は用いないが、各回の内容に関するプリントを配布する。
参考書/Reference books
 コメント
Comments
 
1 参考文献については、適宜、紹介する。
メッセージ/Message
自分自身や身のまわりのことについて、自由に考えてみましょう。