講義概要/Course description
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20世紀の西洋美術を、「絵と文字」「古典と現代の邂逅」「イメージの再創造」を主な視点として講じます。
「西洋美術史Ⅱ」では、20世紀の絵画史と前衛芸術の動向を中心として、印刷媒体や広告美術を含めた視覚芸術、建築文化を対象とし、個別の芸術家や文学者、芸術運動、作品に焦点を当ててクロノロジックにたどりながら、その日本を含めた世界における展開や創造的受容の諸例を取り上げます。代表的作品、および上述のテーマにおいて特に興味深い作品について、主題や技法、様式、歴史、宗教、社会、技術、心理的背景など多様なコンテクストにおいて、分析および比較をおこないます。
また、作品に関連する同時代の文学作品や批評、造形作家による著述、美術史・芸術学・イメージ論の論考等を読み、美術作品をめぐる方法論の多様性、イメージとオブジェクトに向き合うさまざまなアプローチに触れます。
アーティストや詩人たちは、どのように世界をまなざし、かつてない表現や形式を探り、作ったものを世に問い、展示してきたのか。美術館の中の傑作から、街路の広告美術、印刷されたイメージや既製品に至るまでを、どのように引用し、流用し、またそれらを擬態したのか。20世紀の芸術運動によるグローバルな発信、芸術家の移動や越境、20世紀における複製技術と美術の関係、絵と文字/イメージとテクストの総合の諸例に光を当てて考察するなかで、現在の私たちが生きるイメージの環境を再発見する視点を得ることが期待されます。
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達成目標/Course objectives
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・西洋近現代の美術作品とその多様な文学・歴史・文化的背景について理解を深め、作品とその時代をより多面的に考察する力を養う。 ・文学と美術の相互的な影響関係(interrelationship)の歴史を学ぶとともに、同時代の詩人と芸術家との出会い、文学者と造形美術の創造的対峙、時代を超えたインスピレーション等のなかから生まれた、作品やイデーを掘り下げて分析することを通じて、言語芸術と視覚芸術の「親和力」を具体的に把握する。 ・制作者自身のことば、文学作品、作品解説等、美術に関するさまざまな記述方法に接し、またみずから視覚芸術に関するレポートを書くことを通して、文章の表現力を高める。
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学部・研究科のディプロマポリシー(卒業認定・学位授与の方針)に基づき、当該科目を履修することで身につく能力 / Abilities to be acquired by completing the course in accordance with the faculty and graduate school diploma policy (graduation certification and degree conferral)
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学部・研究科のディプロマポリシー(卒業認定・学位授与の方針)/ Undergraduate and Graduate Diploma Policy (Graduation Certification and Degree Conferral)
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履修条件(事前に履修しておくことが望ましい科目など)/Prerequisite
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・講義中に紹介する展覧会を観る、参考文献を読むなど、鑑賞および事前・事後学習を自発的かつ積極的におこなうことが望ましい。 ・「西洋美術史Ⅰ」(前期)「西洋美術史Ⅱ」(後期)は、半期完結科目です。前期または後期のみの履修も可能です。ただし、2016年度以前の入学生は通年科目としても履修可能です。
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授業計画/Lecture plan
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1
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授業計画/Class |
イントロダクション(オンライン授業:オンデマンド)
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2
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授業計画/Class |
アンリ・マティスと前衛絵画の時代 |
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3
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授業計画/Class |
パブロ・ピカソと文化的多様性 |
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4
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授業計画/Class |
芸術と社会ーー《ゲルニカ》と《明日の神話》 |
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5
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6
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7
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8
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授業計画/Class |
ルネ・マグリットーー画家のイメージ論を読む |
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9
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10
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授業計画/Class |
美術と建築文化ーーデステイル、バウハウス、ピュリスム |
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11
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12
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授業計画/Class |
ポップ・アートーー複製技術と「オリジナリティ」 |
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13
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授業計画/Class |
コンセプチュアル・アートと現代美術の諸問題 |
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14
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授業計画/Class |
《モナ・リザ》の変容――イメージ・メディア・アーカイヴ |
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授業計画/Class |
まとめ 近現代美術の展示空間 より深めるための文献・映像案内
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事前学習/Preparation |
授業資料・参考資料を精読すること。 |
事後学習/Reviewing |
講義中に紹介した参考図書の読書、展覧会鑑賞など。詳細は講義中に解説します。 |
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授業方法/Method of instruction
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区分/Type of Class |
対面授業 / Classes in-person
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実施形態/Class Method |
通常型 / regular |
活用される授業方法/Teaching methods used |
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成績評価方法/Evaluation
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1 |
平常点 In-class Points
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30%
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レポート Report
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70%
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課題(試験やレポート等)に対するフィードバックの方法/Feedback methods for assignments (exams, reports, etc.)
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・パワーポイントを用いたスライドショー形式の講義を行います。 ・教科書は用いません。毎回、授業資料・参考資料をコースパワーより配布します。 ・各回の質問等はコースパワーより提出してもらい、毎回の授業でフォローします。キーワード/Keywords
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教科書/Textbooks
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| コメント Comments |
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教科書はなし。初回に推薦する基本図書について詳説します。 各回に、テーマ毎のおもな参考図書を紹介します。
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参考書/Reference books
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| 著者名 Author | タイトル Title | 出版社 Publisher | 出版年 Published year | ISBN | |
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秋山聰・田中正之監修
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西洋美術史
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美術出版社
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2021年
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4568389089
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メッセージ/Message
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本講義が、履修者のみなさんにとり、近現代美術鑑賞の魅力をあらたな観点から発見する機会となることを願います。
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その他/Others
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・パワーポイントを用いたスライドショー形式の講義を行います。 ・教科書は用いません。毎回、授業資料・参考資料をコースパワーより配布します。 ・各回の質問等はコースパワーより提出してもらい、毎回の授業でフォローします。
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キーワード/Keywords
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イメージとテクスト
モダーン・アート
古典と現代
複製技術
イメージの再創造
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