講義内容詳細:コミュニケーション演習Ⅰ(5)

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年度/Academic Year 2025
授業科目名/Course Title (Japanese) コミュニケーション演習Ⅰ(5)
英文科目名/Course Title (English) Seminar in Communication Ⅰ (5)
学期/Semester 前期 単位/Credits 2
教員名/Instructor (Japanese) 小野寺 典子
英文氏名/Instructor (English) ONODERA Noriko

講義概要/Course description
演習題目  Discourse Analysis of English/Japanese Conversations 2025


演習内容
[I] 談話分析(Discourse Analysis; DA)は、Conversation Analysis (CA, ethnomethodology)と呼ばれる会話分析とともに、現在、言語学で行われている「話しことば研究」の主流のアプローチです。最近の言語研究では、「人のコミュニケーション(相互作用)で多く行われることが文法に取り込まれる」という視点からの文法 (grammar) 研究も行われています(UC Santa Barbara, DuBois教授)。
  このゼミでは、人の最も基本的な営みの1つであるtalk (話し)を分析し、普段何気なく行っている話しに、秩序・メカニズム・普遍的な法則などが働いていることを見て、考察していきます。英日語比較をすると、文化差などもよくわかります。
  前期に、スマートフォンなどを用いて、英語か日本語会話の録音、文字化作業をし、トランスクリプトと呼ばれる資料を作ります。作業と同時に、後期の分析に必要な理論(分析のための道具と言えるもの。例: turn, floor, adjacency pairs等)をreadingを通して学びます。

  これまで、3・4年生と2年続けてゼミに参加される方も多く、2年目の後期の研究で、1年目の研究の発展形を行うなどして、学びを深めています。
 この研究室の研究内容は、ホームページhttp://www.cl.aoyama.ac.jp/~onodera/ でもご覧になれますので、是非見てみてください。

 ・前後期とも、初回から対面授業です。割り当てなど決めますので、必ず出席されるよう、お願いします。
達成目標/Course objectives
談話分析という作業を実際に経験して、(1)自然発話の英語・日本語の会話がどのような仕組みを持って成り立っているのか、を学び、(2)私達の会話は、無意識のうちに生産されているようでも、驚くほど規則性や秩序が見られることを、知ること。(3)ゼミでの学びを、卒業後のみなさん一人一人の国際コミュニケータ―としての人生に生かしていくこと。
学部・研究科のディプロマポリシー(卒業認定・学位授与の方針)に基づき、当該科目を履修することで身につく能力 / Abilities to be acquired by completing the course in accordance with the faculty and graduate school diploma policy (graduation certification and degree conferral)
学部・研究科のディプロマポリシー(卒業認定・学位授与の方針)/ Undergraduate and Graduate Diploma Policy (Graduation Certification and Degree Conferral)
履修条件(事前に履修しておくことが望ましい科目など)/Prerequisite
演習予備登録。
3年・4年生と続けて履修可。
担当者担当のコミュニケーション特講を受講ください。授業内容が関連しています。
授業計画/Lecture plan
1
授業計画/Class 前期W1: Introduction to course.   ◎初回だけオンライン(オンデマンド)授業となり、1年の進行・予定、注意事項などを伝えますので、CPをよく見て、把握しておいてください。
・CP上の必要な資料は印刷して、第2週にお持ちください。
2
授業計画/Class 談話分析の方法1
◎ゼミ生全員が、英語か日本語の会話データを取りますが、誰と会話し,取れるか考えておきましょう。ここは、英米文学科ですので、できれば英語を取るようにしましょう!
3
授業計画/Class 談話分析の方法2(録音・文字化の方法)
4
授業計画/Class 理論編:リーディング開始。日本語・英語テキスト。発表、ディスカッション。
作業編:各自録音開始。
5
授業計画/Class リーディング発表、ディスカッション。
6
授業計画/Class リーディング発表、ディスカッション。
7
授業計画/Class リーディング発表、ディスカッション。
作業編:各自、文字化開始。
8
授業計画/Class リーディング発表、ディスカッション。
作業編:文字化 確認作業。
9
授業計画/Class リーディング発表、ディスカッション。
作業編:文字化 確認作業。
10
授業計画/Class リーディング発表、ディスカッション。
作業編:文字化 確認作業。
11
授業計画/Class リーディング発表、ディスカッション。
作業編:文字化ができたら、提出。
12
授業計画/Class リーディング発表、ディスカッション。
作業編:全員transcript, 音資料 提出。
13
授業計画/Class リーディング発表、ディスカッション。音セグメントの保存完了。
14
授業計画/Class リーディング発表、ディスカッション。
15
授業計画/Class 前期 Wrap up
 
事前学習/Preparation 演習の日程表に沿って、各自の談話分析の作業を進める。わかりやすい発表の準備。
事後学習/Reviewing ペアの学生や、クラスメートと議論し、作業を進める。
授業方法/Method of instruction
区分/Type of Class 対面授業 / Classes in-person
実施形態/Class Method 通常型 / regular
補足事項/Supplementary notes
対面授業(通常型)。初回のみオンライン(オンデマンド)授業ですので、ご注意ください。

「理論編」「作業編」双方から談話分析を進める。前期から後期はじめにかけ、日英語のテキストから理論編を学ぶ。ここで、談話分析の道具となる理論を身につける。同時に、前期冒頭から、英日語の会話録音→文字化(transcribe)をする(作業編)。後期にやりたい研究のテーマを考えるようにしましょう。
 ◎発表者は、授業前日か、当日早めに英文研でhandoutを人数分コピーし、持参ください。

コースパワーなどの連絡事項をよく読んでください。

活用される授業方法/Teaching methods used
成績評価方法/Evaluation
1 レポート Report 50% 7月に提出するトランスクリプトの完成度・音セグメントを評価する。
2 平常点 In-class Points 50% 発表(レジュメ含む)。よく準備し、レジュメをまとめてください。
毎回の授業での発言・参加度・貢献度。質問・授業姿勢など。

課題(試験やレポート等)に対するフィードバックの方法/Feedback methods for assignments (exams, reports, etc.)
授業でフィードバックします。
教科書/Textbooks
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タイトル
Title
出版社
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出版年
Published year
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1 テキスト・プリント類は配布します。あとの教科書はクラスで指示します。
2 小野寺典子 談話標識へのアプローチ ひつじ書房 2024 初頭
参考書/Reference books
 著者名
Author
タイトル
Title
出版社
Publisher
出版年
Published year
ISBN価格
Price
 
1 泉子・K・メイナード著 会話分析 くろしお出版 1993.1 4874240712 4410円 蔵書情報 / Library information
2 林宅男編著 談話分析のアプローチ 研究社 2008.12 9784327401511 3000円+税 蔵書情報 / Library information
3 橋内武著 ディスコース くろしお出版 1999.4 4874241727 2400円+税 蔵書情報 / Library information
4 edited by Deborah Schiffrin, Deborah Tannen, and Heidi E. Hamilton The handbook of discourse analysis Blackwell 2001. 0631205950 蔵書情報 / Library information
5 小野寺典子編 ; Joseph V. Dias [ほか執筆] 発話のはじめと終わり ひつじ書房 2017.3 9784894768437 3800円+税 蔵書情報 / Library information
6 高田博行, 椎名美智, 小野寺典子編著 歴史語用論入門 大修館書店 2011.4 9784469213317 1900円+税 蔵書情報 / Library information
メッセージ/Message
談話分析は、私達の実際のことば使用をデータとする分野です。日本語談話には、面白いほど日本らしさ・日本人らしさ、アメリカ英語談話には、アメリカらしさ・アメリカ人らしさが表れています。それを読み取ることが、どんなに奥深く、ひいては文化理解につながるか、感じていただけるでしょう。

日常会話における談話標識やあいづちなども分析することで、実際の会話の中での使い方もわかってきます。そして、ぜひ、グローバル時代の英語コミュニケーターになってください。
 
就職活動のガクチカは、大学での学びの中心であるゼミ活動について書くことが最適であると就職センターも指導しています。ぜひ頑張って、各自の将来の夢に結び付けましょう。

 就職活動があると思いますが、例年、3・4年生も努力し、協力し、欠席が少ないです。
 文学部共通科目「認知言語学」(慶応義塾大学  大堀壽夫先生)も関連科目ですので、お薦めです。
その他/Others
ゼミ生の出席状況は例年良いです。毎回出席してください(半期の欠席が3回で、単位修得は難しい)。

2017年度からゼミ誌を作り、研究成果を記録しています。ゼミ誌も読んで、自分たちの研究にも生かしていきましょう。
キーワード/Keywords
談話分析     話しことば研究     会話     語用論     歴史語用論     言語学